Content-Length: 72654 | pFad | http://web.archive.org/web/20071013130409/http://mainichi.jp/life/food/ekiben/
駅弁のヘルシー志向化は、ますます熱を帯びているが、高崎駅に、はっきり「薬膳」と効能を打ち出す駅弁が登場した。
容器は、二次使用も可能な頑丈な竹篭で、シュウマイや小龍包のせいろのようにも見える。フタには「自然にやさしく 身体にやさしく やさしさにこだわって作りました」の文字。容器にも内容にも、とことんこだわっているのがうかがえる。
フタを開けて、まず目に飛び込んできたのは、鮮やかな黄色いご飯! カレーかサフランライスかと思ったら、うこんライスだった。うこんは飲酒前に飲むと二日酔い予防になる、と聞き、以前は錠剤をバッグの中に忍ばせていたものだが、健胃、利胆、などにも有効らしい。そのうこんライスの上にのっているのは、マイタケ、鶏肉、ギンナン、ゴボウ、レンコン、群馬名物の花豆、そして薬膳には欠かせないクコの実とマツの実、などなど…。揚げ物や炒め物など、油をつかった料理がひとつもなく、実にヘルシーである。
いつもなら、駅弁を広げたら、ビールにするか地酒を傾けるか迷うところだが、この駅弁にはお茶が似合う。しかもドクダミ茶とか黒豆茶とか、健康茶がよい。セットで販売してくれればうれしい…とも思う。
おかずを箸で掻き分けて、うこんライスを食べてみると、ほんのり苦味を含んだエキゾチックな香りがする。マイタケと根菜類は歯ごたえがよく、木の実の類は濃厚な味わい。圧倒的に存在感があるのは花豆だ。嬬恋村などの標高1100メートル地帯で収穫される濃紫色の豆は、野趣に富んだ華やかな味わいだ。
気軽に薬膳に親しめる駅弁、「薬膳 竹篭めし」。ときにはこんな嗜好の駅弁もいい。
2007年10月12日
Fetched URL: http://web.archive.org/web/20071013130409/http://mainichi.jp/life/food/ekiben/
Alternative Proxies: