資金難トランプ氏に近づく大口献金者、東アジア政策にも影響が 日本は「もしトラ」嘆く前に自国と国益を守る手段と覚悟を
フェイスブック憎しで、TikTok擁護なのかと思いきや、この予想外の発言はフロリダ州パームビーチで開催された保守派組織「クラブ・フォー・グロース」主催の献金家向けイベントに出席した後に飛び出してきたものでした。同組織は、ヤス氏が主要な後援者となっています。
民主党候補のヒラリー・クリントン元国務長官を破った2016年の大統領選では、トランプ氏の大口献金者はカジノ王のシェルドン・アデルソン氏くらいでした。知名度のあったトランプ氏は広告費を圧縮できたし、草の根の献金で十分戦えたわけです。
ところが、今回は選挙に加えて、抱えた訴訟に資金が必要で、大口献金者を積極的に受け入れているといいます。それゆえ、こうした政策の急な変更が出るのでしょう。
思惑を持って近づく大口献金者に影響され、東アジア政策も変えてしまうのではないかと思うと、やはり日本自身がしっかりと自分たちの国や国益を守る手段を持っておく必要があると思います。
先日、トランプ新政権を想定したある政策シミュレーションに参加しました。そこで議論されたのは、「プラン提示の速さ」でした。権威主義国家はいち早く意思決定し、トランプ新政権にディール(取引)を仕掛けていく一方、民主主義国家はトランプ政権の出方を見ながら受け身になりがちで、結果、同盟国が見放される結果に終わる恐れが指摘されました。
第1次政権時代に欧州との関係が悪くなったのも、煮え切らない欧州側にも原因があったのでしょう。「もしトラ」と嘆く前に、われわれが自分でどこまで守れるか、必要なのはその覚悟なのかもしれません。
■飯田浩司(いいだ・こうじ) 1981年、神奈川県生まれ。2004年、横浜国立大学卒業後、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。ニュース番組のパーソナリティーとして、政治・経済から国際問題まで取材する。現在、「飯田浩司のOK!Cozy up!」(月~金曜朝6―8時)を担当。趣味は野球観戦(阪神ファン)、鉄道・飛行機鑑賞、競馬、読書など。
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