「日本の道路標識」の版間の差分

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陸上で国境を接する国同士では自動車による越境が日常的に行われているが{{sfn|SADC|2012|p=13}}、[[島国]]であり他国と接続する道路を持たない日本ではこのようなことがないため、日本とそれ以外の国では道路標識の内容やデザインに大きな差がある。
 
国家間で道路標識や交通制度を統一することは陸路[[貿易]]の活性化や交通安全保持のために必要であり{{sfn|SADC|2012|p=13}}、実際に多くの[[国家|国]]が「[[道路標識及び信号に関するウィーン条約]](ウィーン条約)」に則って道路標識を制定している{{sfn|SADC|2012|p=153}}。この条約で提示された国際連合道路標識(国連標識)は、古くから国境を越えて道路網が発展してきたヨーロッパの様式を基に、[[母語]]に関係なく意味が理解できるように設計されているため<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mlit.go.jp/road/sign/sign/douro/s_world.htm|title=世界の道路標識|accessdate=2018-01-28|publisher=国土交通省}}</ref>、結果的にこの目的に適うものとなっている{{sfn|SADC|2012|p=156}}。
 
日本はウィーン条約を批准しておらず<ref name=":6">{{Cite web|url=https://www.japantimes.co.jp/news/2016/01/21/national/japanese-stop-signs-might-replaced-ahead-olympic-tourism-surge#.Wm0yS6hl-M8|title=Design of Japanese stop signs might change ahead of Olympic tourism surge|accessdate=2018-01-28|author=[[共同通信]]|date=2016-01-21|publisher=[[The Japan Times]]|ref={{sfnRef|TJT|2016}}}}</ref>、更に独自の基準で道路標識を制定しているため、諸外国との統一性はあまり見られない{{sfn|浅井建爾|2015|p=54}}。実際は、一部ウィーン条約を尊重した法整備や{{sfn|浅井建爾|2015|p=54}}{{sfn|松嶋憲昭|1984|p=32}}訪日外国人のレンタカー利用増加に向けた対応を行っているものの<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/keizai_senryaku/pdf07/2.pdf|title=訪日外国人観光客レンタカー事故 ピンポイント対策について|accessdate=2018-01-28|format=PDF|publisher=国土交通省}}</ref>、依然として国際標準とは大きく異なっている。
 
例えば「[[一時停止標識|一時停止]]」の標識は国際的に八角形または円形が一般的だが、日本は逆三角形のものを使用している<ref name=":6" />。[[漢字]]のみでデザインされた標識(「危険物積載車両通行止め」「停車可」など)もあり{{sfn|村越愛策|2002|pp=56-57}}、このように外国人旅行者がその意味を解するのが困難な標識は、運転時に混乱を引き起こしストレスや事故の原因となり得るため、国連標識に近づけるなどの対策や再整備が必要であるという指摘がある{{sfn|浅井建爾|2015|p=55}}。[[2019年]]に行われた[[中部国際空港]]から[[レンタカー]]を利用する外国人への調査によると、「一時停止」の標識の意味を理解できる外国人の割合は3割以下であった<ref>{{Cite news|title=「一時停止」7割分からず 中部空港からレンタカー利用の外国人|date=2020-02-27|newspaper=中日新聞|author=中崎裕|url=https://web.archive.org/web/20200227153009/https://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20200227/CK2020022702000012.html|accessdate=2020-02-28}}</ref>。一方、日本の禁止を表す標識は原則として赤い丸に赤い斜線を加えるという原則が保たれているため、これと赤い丸のみで禁止を表す標識が混在する国連標識などと比べて統一感があると言える{{sfn|村越愛策|2002|pp=58-59}}。
 
なお、日本は他国と比べて道路標識が数多く至るところに設置されている{{sfn|浅井建爾|2015|p=54}}。公安委員会が設置する道路標識が他国と比べ多い理由は、道路網が密であり、主要幹線道路も都市内を貫通することで通過交通と地域交通が混在しており、これらの道路環境の中で安全と円滑を確保するにはきめ細やかな交通規制を実施せざるを得ないからである{{Sfn|警察庁交通局|1995|p=208}}。
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=== 設置方法の分類 ===
道路標識の設置方式は標識柱の形態によって以下のように分類される{{sfn|全標協|2013|pp=23-25|ps=(設計・製作・施工・維持)}}<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mlit.go.jp/road/sign/sign/douro/setting01.htm|title=道路標識の設置方法|accessdate=2017年9月23日|publisher=国土交通省道路局}}</ref>。
* '''路側式''':標識板を単一又は複数の[[柱]]に取り付け、道路の路端や[[歩道]]などに設置する方式。柱が1本のみの場合を'''単柱式'''、柱が複数ある場合は'''複柱式'''と呼ぶ。
* '''片持式(オーバーハング式)''':道路の路端や[[歩道]]などに設けられた柱から、[[はり部材|梁]]を用いて[[車道]]部の上方に張り出させる方式。柱の形状によって'''逆L型'''・'''F型'''・'''テーパーポール型'''・'''T型'''などに分けられる。
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{{quotation|都道府県道又は市町村道に設ける道路標識のうち内閣府令・国土交通省令で定めるものの寸法は、前項の規定にかかわらず、同項の内閣府令・国土交通省令の定めるところを参酌して、当該都道府県道又は市町村道の道路管理者である地方公共団体の条例で定める。|道路法第45条第3項}}
 
このように改正されたきっかけは、[[金沢市]]が[[2006年]](平成18年)[[3月31日]]に[[内閣府]]の[[構造改革特別区域]](周辺環境に調和した道路標識金沢特区)に認められ<ref>{{Cite web|和書|url=http://www4.city.kanazawa.lg.jp/29020/keikan/seido/4_08.html|title=道路標識特区|accessdate=2017年9月20日|publisher=金沢市}}</ref>、この特区の全国展開として[[地域]]の特性に応じて柔軟に対応できるよう基準を緩和すべきと判断されたためである<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/doushuu/dai12/12siryou2.pdf|title=国の関与の廃止等について|accessdate=2017年9月20日|format=PDF|publisher=地方六団体地方分権改革推進本部事務局|page=13}}</ref>。
 
=== 反射材料等による分類 ===
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*反射材料による方式:夜間における道路標識の視認性の向上のため標識板表面に[[反射材|反射シート]]が用いられたもので、'''反射式標識板'''とも呼ばれる{{sfn|時崎賢二|1979|p=25}}{{sfn|警察庁|2017|p=18}}。反射材にはガラスビーズを用いたもの(封入レンズ型、カプセルレンズ型)と[[プリズム]]を用いたもの(封入プリズム型、カプセルプリズム型、広角プリズム型)がある{{sfn|全標協|2013|p=3|ps=(設置)}}。反射材を使用しつつも、[[太陽電池]]などによって輪郭などを発光させる「自発光式道路標識」の設置もできる{{sfn|警察庁|2017|p=18}}。
* 照明装置を持つ方式{{sfn|全標協|2013|pp=39-40|ps=(設置)}}:
**'''外部照明方式''':反射式標識板の判読性、視認性を高める目的で補助的に[[蛍光灯]]<ref>{{Cite|和書|title=交通工学ハンドブック2014年版|year=2014|last=|first=交通工学研究会|publisher=丸善出版|isbn=|page=21-5-2}}</ref>を用いて照明する方法。反射材の性能向上によって新設が無くなっている。外部照明方式の中には反射式標識板を照らす光源に[[サーチライト]]を用いた'''遠方照明方式'''もある<ref name=":13">{{Cite web|和書|url=http://www.hiroshima-parker.co.jp/business/sign/nani.html|title=道路標識ってなに?|accessdate=2019-08-29|publisher=日本パーカライジング広島工場}}</ref>。この遠方照明方式を応用して標識板の反射材料に[[紫外線]]によって発光するものを使用して、照射した紫外線による発光で視認性を向上させるものが存在する<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.iwasaki.co.jp/tech-rep/facility/86/|title=紫外線照射標識システムの照明設備|accessdate=2018-08-30|date=|publisher=岩崎電気}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.c-nexco.co.jp/corporate/pressroom/news_old/?id=179|title=紫外線を照射する新しい方式の道路標識を設置しました -中央自動車道で試行的に設置-|accessdate=2018-08-30|date=2007-03-28|publisher=中日本高速道路}}</ref>。
*: 遠方照明方式は光源が比較的低く設置され、高所となる[[#設置方法|標識柱]]に上ることがなく、付属されることが多い[[梯子]]や作業台を使えば良いために光源の点検・交換が容易な事から、後述する'''内部照明方式'''に代えて[[高速道路]]の[[インターチェンジ]](IC)・[[ジャンクション (道路)|ジャンクション]](JCT)の案内標識に使われることもある。
** '''内部照明方式''':標識板の内部に光源を設け、自発光することにより判読性、視認性を確保する方式。[[高速道路]]の[[インターチェンジ]](IC)・[[ジャンクション (道路)|ジャンクション]](JCT)における行動点など重要度の大きな標識に用いられる。
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=== 逆光対策標識 ===
: 東西に走る道路にある道路標識は[[太陽高度|朝夕の太陽の位置]]によって[[逆光]]となり著しく視認性が落ちることがある{{sfn|全標協|2013|p=47|ps=(設計・製作・施工・維持)}}。そのため、時間帯を問わず標識の視認性を維持する目的で文字部分に[[スリット]]を入れたり、白色部分に[[金網#種類|パンチングメタル]]を使用するなどした道路標識を設置することがある<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.netis.mlit.go.jp/NetisRev/Search/NtDetail1.asp?REG_NO=KT-140027&TabType=&nt=|title=NETIS パンチング穴式逆光対策標識|accessdate=2017-12-27|publisher=国土交通省}}</ref>。
<gallery>
Backlight measures sign.jpg|出口の予告(109)の文字部分に逆光対策として[[スリット]]を使用している標識<br />([[新名神高速道路]] [[滋賀県]][[甲賀市]])
苫小牧東インターチェンジ・方面及び出口の予告(110-A)と方面及び方向(108の2-D)(1km先、札幌側から、2018年12月撮影).jpg|方面及び出口の予告(110-A)と方面及び方向(108の2-D)の白色部分に逆光対策として[[金網#種類|パンチングメタル]]を使用している標識<br />([[道央自動車道]][[苫小牧東インターチェンジ]]付近<br />[[北海道]][[苫小牧市]])
</gallery>
 
== 色彩 ==
=== 表示面の色彩 ===
道路標識に用いられる色彩は、標識令では「緑色」、「青色」、「黄色」などとされているのみであり、具体的な色度の指定はされていない。一方で、[[日本産業規格]](JIS)により保安用反射シート及びテープの規格が決められており、道路標識の色彩はこちらに準拠している<ref>{{Cite web|和書|title=道路:道の相談室:道路標識・街路樹・照明など - 国土交通省|url=https://www.mlit.go.jp/road/soudan/soudan_04a_03.html|website=www.mlit.go.jp|accessdate=2020-01-08}}</ref>。
 
=== 表示面以外の塗装 ===
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==== 案内標識 ====
案内標識は道路利用者に対して市町村の境界、目的地や通過地への方向および距離などを示すとともに、利用者の利便のため必要な沿道に関する各種の案内を行う標識である{{sfn|全標協|2013|p=3|ps=(設置)}}。全ての案内標識が[[道路管理者]]によって設置される{{sfn|全標協|2013|p=6|ps=(設置)}}。
* 目的地や通過地への方向、距離、経由路線などを示すものを「経路案内」、行政境界や地点の案内を行う「地点案内」、[[登坂車線]]や[[駐車場]]などの道路上の施設を案内を行う「付属施設案内」の三種類に分けられる<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mlit.go.jp/road/sign/sign/douro/road-sign.htm|title=道路標識の基礎知識|accessdate=2017-12-02|publisher=国土交通省道路局}}</ref>{{sfn|全標協|2013|p=4|ps=(設置)}}。通常、経路案内標識は「日本語([[仮名 (文字)|かな]][[日本における漢字|漢字]])」「英語([[ローマ字]])」の2種類で表記されるが、自治体によってはさらに「ロシア語([[キリル文字]])」表記が追加される。
* 案内標識は文字数や内容によって標識板の寸法が異なるため、[[文字]]などの大きさが定められている{{sfn|日本道路協会|1987|pp=200-201}}。
** 文字などの大きさは寸法と同じく都道府県や市町村が条例に基づき設定することができる([[#道路法第45条第3項|道路法第45条第3項]])<ref name=":2">{{Cite web|和書|url=https://www.cao.go.jp/bunken-suishin/ayumi/chiiki-shuken/doc/gimuwaku-jirei.pdf|title=義務付け・枠付けの見直しに関する地方独自の基準事例|accessdate=2017年9月20日|date=2012年4月|format=PDF|publisher=内閣府地域主権戦略室|page=8}}</ref>。この例として、[[東京都]]などではローマ字寸法を拡大し、外国人旅行客を含め視認性が向上したことなどがあげられる{{sfn|日本道路協会|2017|p=119}}。
** 漢字の大きさは下表の通り(いずれも基準値)。
** ローマ字の大きさは大文字が漢字の1/2、小文字が大文字の3/4程度である。
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* 一般道路に設置される経路案内標識はその色から「青看」と呼ばれる{{sfn|平沼義之|2013|p=182}}。「国道番号」や「都道府県道番号」はその形状からそれぞれ「おにぎり」や「ヘキサ」と愛称が付けられている{{sfn|佐藤健太郎|2014|pp=159,195}}。
* 「国道番号」「都道府県道番号」で番号の後ろに「-B」「-C」が付く様式は「交差道路標識」<ref name=":3">{{Cite web|和書|url=https://www.mlit.go.jp/road/sign/4.html|title=新しい交差道路標識の整備|accessdate=2017-12-09|publisher=国土交通省}}</ref>{{sfn|全標協|2013|pp=64-65|ps=(設置)}}や「卒塔婆」{{sfn|佐藤健太郎|2014|p=181}}と呼ばれる。原則として両面設置を行い{{sfn|全標協|2013|pp=64-65|ps=(設置)}}、地図と連動させて案内できるよう、赤(一般国道)、緑(主要地方道)、黄色(一般都道府県道)のように色分けして設置する<ref name=":3" />{{sfn|徳山日出男・佐藤俊通|1992|p=34}}。
* 案内標識で案内の対象となる[[地名]]を「目標地」と呼ぶ。目標地の案内方法には「地名方式」「路線番号方式」の2種類に分けられ、日本では地名方式が採用されている{{sfn|日本道路協会|1987|p=21}}{{Efn|ただし、愛知県は例外的に「国道1号」「国道19号」「国道22号」などの一部の一般国道の路線番号を目標地に設定している{{R|mlit-chimei}}。}}。経路案内標識で案内される目標地は下表のように「基準地」「重要地」「主要地」「一般地」に分類されている<ref name="trafficnews_20210424">{{Cite web |和書|url=https://trafficnews.jp/post/106587 |title=案内標識の地名に「神奈川」「埼玉」が見当たらないワケ 「東京」「千葉」はある |publisher=乗りものニュース |accessdate=2021-04-23}}</ref>。案内の対象となる道路の種類に応じて、案内される目標地が決まる{{sfn|日本道路協会|1987|pp=22-26}}。すなわち、経由地・目的地がほとんど一致する道路であっても、必ずしも同じ案内内容になるとは限らない。
** 目標地は都道府県ごとに、国土交通省[[地方整備局]]国道事務所と都道府県及び[[政令指定都市]]の道路管理者により構成される連絡調整会議で決定される<ref name="20050825hyoujichimei">{{PDFlink|[https://www.mlit.go.jp/road/sign/kijyun/pdf/20050825hyoujichimei.pdf 案内標識の表示地名に関する基準(案)の改訂について]}} - 平成17年8月25日国都街第28号・国道企第20号国土交通省都市・地域整備局街路課長及び道路局企画課長発通達</ref>。殆どは市町村名だが、施設名(空港等)や著名な史跡、名勝地等が選ばれることがあるなど、必ずしも市町村名・町丁名であるとは限らない。
** 距離を示す際に用いられる「目標地の中心地点」は、市町村名の場合は原則として「[[役所|市役所や町村役場]]の正面地点」としているが、不適当な場合は主要交差点や駅など、その地域を代表する別の地点が選ばれることもある<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mlit.go.jp/road/soudan/soudan_04a_02.html|title=案内標識に表示されている目標地の基準を教えてください|website=道路・道の相談室|publisher=[[国土交通省]][[道路局]]|accessdate=2020-06-15}}</ref>。なお、目標地としての「東京」は、[[日本橋 (東京都中央区の橋)|日本橋]]([[道路元標#日本の道路元標|日本国道路元標]])を中心地点として定めている。
** 現行の案内標識は表示されている地名を順次入れ替えていくのがルールであるが、目標地が見慣れないものに入れ替わる、掲示情報が途中で途切れているものも存在する問題点が指摘されている{{sfn|赤瀬達三|2013|p=284}}。この背景には[[日本の市町村の廃置分合|平成の大合併]]による影響や、道路管理者ごとで案内標識の内容を定めるため異なった管轄のものと調整が取りづらいこと、参照にできるレイアウト図が少ないことに加え、関係者が[[コミュニケーションデザイン]]についての理解が不十分であることなどが挙げられる{{sfn|赤瀬達三|2013|p=284}}。
{| class="wikitable"
!区分 !!候補となる地点
!例(東京都の場合)<ref name="mlit-chimei">{{Cite web|和書|url=https://www.mlit.go.jp/road/sign/sign/annai/6-hyou-timei.htm|title=都道府県において表示される基準地・重要地・主要地一覧表|accessdate=2017-01-21|publisher=国土交通省}}</ref><ref>{{Cite book|和書|last=|author=全国道路標識・標示業東京都協会|first=|authorlink=|title=道路標識設置の手引き(東京都版)|year=2013|publisher=|isbn=|pages=29-32|chapter=資料編|quote=|translator=|coauthors=|id=}}</ref>
|-
|基準地||重要地の中で特に主要な地点。概ね1県1地点(後述)
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Japanese Road sign 114-2-B.svg|主要地点(114の2-B)
</gallery>
* 「市町村」や「都府県」は[[市町村]]・[[都道府県|都府県]]界に設置し、これから入る市町村・都府県名を記す。この標識には自治体名のほか、[[都道府県章|都府県章]]や[[市町村章|市区町村章]]を併記することができる{{sfn|日本道路協会|1987|pp=108-110}}。「[[カントリーサイン]]」とも呼ばれ、特に都府県章・市区町村章や地域のシンボルやイメージを描いた絵を挿入した標識を指す<ref>{{Cite web|和書|url=https://kotobank.jp/word/%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%B3-1725809|title=コトバンク カントリーサインとは|accessdate=2018-01-18|publisher=朝日新聞社}}</ref>。
* 「著名地点」は[[鉄道駅]]や[[港湾|港]]、[[観光地]]や[[役所|官公庁]]などの著名地点を案内する場合に設けられる。著名地点まで誘導を行いたい場合は[[矢印]]と距離が設けられ、更には必要に応じて[[シンボルマーク]]が設けられる{{sfn|日本道路協会|1987|pp=110-112}}。歩行者向けに角を丸く取った様式(114-B)が存在し、[[地図]]と併設したものを「地図標識」と称している{{sfn|日本道路協会|1987|p=80}}。
* 「主要地点」は主な[[交差点]]、[[橋|橋梁]]や[[トンネル]]など交通上の目標となる地点に設置され、その名称を記す。通常は横型のものを用いるが、設置が困難な場合に限り縦型のものを用いる{{sfn|日本道路協会|1987|pp=115-116}}。[[観光]]先進国や[[地方創生]]の実現に向けて、[[観光地]]等付近ではその観光地等の名称に変更するよう改善を進めている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mlit.go.jp/road/sign/sign/pdf/panfu.pdf|title=交差点名標識への観光地名称の表示|accessdate=2017-01-21|format=PDF|publisher=国土交通省}}</ref>。
 
'''付属施設案内標識'''
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Japan road sign 215.svg|その他の危険 (215)
</gallery>
*「動物が飛び出すおそれあり」は、標識令の例示である[[シカ]]以外の動物が飛び出すおそれがある場合は適宜その動物の図柄を表示することになっているが、[[タヌキ]]、[[ウサギ]]、[[サル]]については標準がある<ref>「昭和61年11月1日付け建設省道政発第95号(北海道開発局長・沖縄総合事務局長・各地方建設局長・各都道府県知事・各指定市長・日本道路公団総裁・首都高速道路公団理事長・阪神高速道路公団理事長・本州四国連絡橋公団総裁・各地方道路公社理事長あて道路局長通達)」図-4。</ref><ref>{{Cite web|和書|url=http://www.kictec.co.jp/varieties-road-sign/animal-sign.php/|title=サルとウサギの動物がとびだす恐れありの警戒標識|accessdate=2019-08-29|publisher=キクテック}}</ref>。動物のイラストは自治体によって様々な種類のものが登場しており、例えば[[北海道]]では、キツネやシカのほか、[[帯広市]]内では[[エゾリス]]があるほか、牧場がある農村地帯では[[ウシ]]と「横断注意」の文字の組み合わせ、[[徳島県]][[美波町]]では海岸から少し離れた山に棲息する[[アカテガニ]]を描いたものもある{{sfn|ロム・インターナショナル(編)|2005|pp=203–204}}。
* 「その他の危険」は設置の目的が一目でわかる場合以外は補助標識「注意事項(510)」を用いる{{sfn|日本道路協会|1987|p=183}}。
 
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==== 規制標識 ====
規制標識は道路の構造を保全し、または交通の危険を防止するため、もしくは道路利用者の道路への出入を制限するために設置される標識{{sfn|全標協|2013|p=5|ps=(設置)}}。都道府県[[公安委員会]]が設置するものと、道路管理者が設置するものがある{{sfn|全標協|2013|p=5|ps=(設置)}}。多くが[[円 (数学)|円形]]で、絶対的な禁止を示すものは[[赤]]の縁取りで青字、肯定的な命令や指定を示すものは[[青]]地で白字が使われる<ref name=":14">{{Cite web|和書|url=https://www.kictec.co.jp/varieties-road-sign/size-sign.php/|title=規制・指示標識の寸法・形状・色彩について|accessdate=2019-08-29|publisher=キクテック}}</ref>。通常の円型の場合の大きさは直径50 cm 、赤の縁取りを入れる場合その縁の幅8 cm 、赤の斜線(左上)を入れる場合角度 45°・幅 4 cm 。補助標識を伴い、一部の車種や時間などを指定した規制を表す場合もある。歩行者に向けた規制標識は一辺90 cmの正方形が用いられ、一方通行の標識の形状は例外で長方形が用いられている<ref name=":14" />。
 
'''一時停止又は徐行に関するもの'''
488行目:
|危険物積載車両通行止め
|319
|道路法に規定する[[危険物]]を積載する車両<ref>{{PDFlink|[https://www.jehdra.go.jp/pdf/441.pdf 水底トンネル等における危険物積載車両の通行禁止・制限])。}}</ref>
|-
|重量制限
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*「歩行者等横断禁止」は歩行者及び遠隔操作型小型車の道路の横断を禁止することを示し、交通量の多い区間や、[[立体横断施設]]や信号機がある交差点の近くで乱横断を防ぎたい場合に設置される{{sfn|警察庁|2017|p=81}}。漢字の読めない児童の理解を助けるため、「わたるな」の補助標識を設置することがある<ref>{{Cite news|title=「わたるな」の補助標識 180ヵ所で取り付け|newspaper=朝日新聞|date=1974-10-31}}</ref>。
*「歩行者等横断禁止」の図柄は標識に描かれている文字が「横断禁止(-A)」と「わたるな(-B)」に分けられる。
* [[730_(交通)|730]]以前の[[沖縄県]]では「車両横断禁止」「転回禁止」「追い越しのための左側部分はみ出し通行禁止」「追越し禁止」の標識の図柄は右側通行に基づき、矢印が反転していた。
 
'''[[駐車]]・[[停車]]に関するもの'''
741 ⟶ 742行目:
Japan road sign 514.svg|終点 (514)
</gallery>
* 一部の規制標識・指示標識からは「区間内」(506)を省略する{{sfn|警察庁|2017|p=30}}。この省略は1992年から行われているものであり、省略が可能な標識に旧来通り付置されていても意味に相違がない<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.kictec.co.jp/varieties-road-sign/kisei-difference-sign.php/|title=規制標識の矢印補助板のあるものとないもののちがい|accessdate=2019-08-16|publisher=キクテック}}</ref>。
* 公安委員会が設置する補助標識の寸法は横60 cm を基準とし、文字数は1行7文字まで、行数は3行までに収めなければならない{{sfn|警察庁|2017|p=32}}。この規定に収まらない場合は可変標識を用いることとしている{{sfn|警察庁|2017|p=32}}。
* 1つの補助標識に2以上の表示を行う場合、上から「車両の種類」「日・時間」「距離区域又は区間」の順にしなければならない{{sfn|警察庁|2017|p=32}}。ただし「追越し禁止」「駐車余地」「前方優先道路」を併記する場合は最も上に表記する{{sfn|警察庁|2017|p=32}}。
871 ⟶ 872行目:
標識の設置は基礎設置、標識柱建込み、標識板取付け、検査の順で行われる{{sfn|全標協|2013|p=146|ps=(設計・製作・施工・維持)}}{{sfn|「土木施工の実際と解説」編集委員会|2017|p=216|ps=(下巻)}}。なお、一連の作業の準備工として、設置位置を選定し、埋設台帳や試掘により埋設物の調査を行う必要がある{{sfn|全標協|2013|p=146|ps=(設計・製作・施工・維持)}}。標識の撤去は標識板取外し、標識柱撤去、基礎撤去の順番に行われる{{sfn|「土木施工の実際と解説」編集委員会|2017|p=216|ps=(下巻)}}。
 
標識の工事を施工するにあたっての[[資格]]として全国道路標識・標示業協会(全標協)による登録標識基幹技能者<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.zenhyokyo.or.jp/koshu/ginosha.php|title=登録標識・路面標示基幹技能者講習|accessdate=2018-01-04|publisher=全国道路標識・標示業協会}}</ref>や道路標識設置・診断士<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.zenhyokyo.or.jp/koshu/doro.php|title=道路標識設置・診断士研修|accessdate=2018-01-04|publisher=全国道路標識・標示業協会}}</ref>が存在する。
 
== 維持管理 ==
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道路標識の点検を行う際に人員不足が課題となり、各々の標識の状況を十分に把握できない問題も発生していた<ref name=":0">{{Cite news|title=劣化列島? 道路標識1万本が交換基準超え 滋賀|newspaper=産経WEST|date=2015-11-03|url=https://www.sankei.com/article/20151103-JTU7NE5FS5O7BMSV4JSE7YD5YM/|accessdate=2017-11-08}}</ref>。点検の簡易化を狙うため、[[集積回路|ICチップ]]などから現地で情報を読み取れるシステムの導入が開発されている{{Sfn|日本道路協会|2020b|p=8}}。また、[[ドライブレコーダー]]で得られた映像から位置を特定して自動で道路標識台帳を作成し、[[拡張現実|AR]]を用いて維持管理する技術も開発されている<ref>{{Cite news|title=ドラレコ映像などを活用して道路標識などの点検・維持管理、省力化効果を確認|date=2019-07-22|newspaper=レスボンズ|author=レスポンス編集部|url=https://response.jp/article/2019/07/22/324682.html|accessdate=2019-08-16|agency=イード}}</ref>。
 
腐食に伴う耐久性の低下に伴い標識板の落下や支柱の倒壊の事案が発生している<ref name=":0" /><ref>{{Cite web|和書|url=https://corp.w-nexco.co.jp/newly/h29/0403a/|title=重ね貼り標識板の落下事象について|accessdate=2017-11-08|date=2017-04-03|publisher=NEXCO西日本}}</ref><ref>{{Cite news|title=犬猫おしっこで腐食?道路標識倒れ、女性けが さいたま|newspaper=朝日新聞|date=2017-04-25|url=http://www.asahi.com/articles/ASK4T5WKTK4TUTNB01N.html|accessdate=2017-11-08}}</ref>。このような事案を防ぐために点検時には支柱[[基礎]]部の腐食や[[ボルト (部品)|ボルト]]の緩み、標識板と支柱・[[はり部材|梁]]の[[接合]]部の腐食及びボルトの緩み、曲柱の支柱曲部の[[き裂|亀裂]]の存在などが重要な確認事項となる{{sfn|窪田陽一ら|2013|p=72}}。標識板の落下を防ぐためにボルト・[[ナット]]に加え[[ワイヤーロープ|ワイヤー]]で標識板を接合する事例も増えている<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20171108151653/http://www.pref.osaka.lg.jp/tondo/genba/rakkabosi.html|title=案内標識落下防止工事を行いました!|accessdate=2017-11-08|date=2009-08-05|publisher=大阪府都市整備部富田林土木事務所}}</ref>{{sfn|窪田陽一ら|2013|p=72}}。さらには、標識柱の倒壊を防ぐため、地際部分に[[ポリアミド|アラミド繊維]]{{sfn|山崎晃由|2010|pp=61-65}}や二重構造{{sfn|高崎宏幸|2011|pp=19-23}}を採用したケースや柱の内部に鉄筋[[条鋼#棒鋼|棒鋼]]を入れる{{sfn|坂野雅浩|2016|pp=32-41}}などの対策もとられている。維持管理費の削減とした根本的な対策として、必要性のない道路標識の新設抑制や撤去、維持費が節約できるタイプの標識へ切り替えることもある{{sfn|柏谷直也|2014|pp=43-45}}。
 
標識板が汚れた場合の清掃作業は、きれいな水を吹き付け(汚れによっては[[灯油]]、[[鉱油|鉱石油]]、[[合成洗剤|中性洗剤]]も併用し)、洗浄剤を使用して表面を洗浄し、最後に乾拭きの順番で実施される{{sfn|全標協|2013|p=229|PS=(設計・製作・施工・維持)}}。このとき、標識板表面を[[研磨]]しないよう注意しなければならない(洗浄剤の選定では[[研磨材|研磨剤]]を含んだものは避けなければならない){{sfn|全標協|2013|p=229|PS=(設計・製作・施工・維持)}}。
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== 歴史 ==
[[ファイル:Sekisyu-kaido aratani-okan fuchu.jpg|サムネイル|現在の案内標識の役割を担った「道標」([[広島県]][[府中市 (広島県)|府中市]])]]
日本では[[明治]]時代以前から[[街道]]の[[交差点]]に「[[道標]]」が設置され、旅人に利便を与えてきた<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mlit.go.jp/road/sign/sign/douro/hist01.htm|title=わが国の道路標識の歴史|accessdate=2017-12-01|publisher=国土交通省道路局}}</ref>。この「道標」の発生は庶民の経済力が増し、行商・参詣・巡礼などが広く浸透した[[江戸時代]]と言われている{{sfn|木村至宏|1971|p=4}}。記録されている中で最も古いとされる道標は[[1672年]]([[寛文]]12年)に設置された[[兵庫県]][[川西市]]にある道標である{{sfn|木村至宏|1971|p=9}}。行き先は寺社道や湯治道を指すことも多く、[[仏塔|供養塔]]としての役割も兼ねて建立したものも存在したため、「道標」は単なる道路標識にとどまらずに[[宗教]]性を帯びていたものがあったとされる<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.town.shinonsen.hyogo.jp/page/index.php?mode=detail&page_id=0ab70d61272fe82b64cae277baa3bffc|title=道標|accessdate=2017-12-01|date=2006-12-26|publisher=新温泉町教育委員会}}</ref>。
 
明治に入り[[馬車]]、[[荷車]]、[[人力車]]などが街中を盛んに往来し、各地方ごとに様式が異なる立て札「制札」が設置されていたが、[[1899年]]([[明治]]32年)6月に警視庁の通達で、道路標識の前例となる制札の様式が例示された{{Sfn|村西正実・秋山尚夫・時崎賢二|1988|p=75}}{{Sfn|村西正実・秋山尚夫・時崎賢二|1988|p=77}}。[[1908年]](明治41年)9月には警察犯処罰令で制札などの標識類を汚損・破損してはならないと規定された{{Sfn|村西正実・秋山尚夫・時崎賢二|1988|pp=75-76}}。
 
[[ファイル:Road warning sign of 1922 style,Takamatsu city,Japan.jpg|サムネイル|左|1940年代初頭まで日本で使用されていた図。]]
日本で最初に統一されたデザインによる道路標識が設置されたのは1922年(大正11年)のことである{{sfn|dark-RX|2008|p=104}} 。これに先立ち1919年(大正9年)には初めて道路標識が道路の付属物として規定されている{{sfn|時崎賢二|1990|p=21}}。大正時代、道路交通の乗物として日本で普及していった馬車や自動車による事故も起こるようになり、交通の円滑を図るため、案内・警戒標識の2種類の日本全国統一の道路標識が制定され、行先案内や注意を記した看板が設置され始めた{{sfn|dark-RX|2008|p=104}} 。
 
912 ⟶ 914行目:
その後、社会の変化により国際化が叫ばれるようになると、それに対応するため、1986年(昭和61年)の標識令改正で、15年間制定されてきたローマ字併記のなかった案内標識についてローマ字・英語併記が復活し、現行のデザインへと大幅な変更がなされた<ref>{{Cite news|title=道路標識を分かりやすく 66年3月までに全国で付けかえ|newspaper=毎日新聞|date=1986-10-25|publication-date=1986-10-25}}</ref>{{sfn|dark-RX|2008|p=105}} 。[[2020年東京オリンピック]]・[[2020年東京パラリンピック|パラリンピック]]に伴い大量に増加すると予想されていた[[訪日外国人旅行|インバウンド]]に備え、一時停止や徐行の標識に英語併記された仕様が追加され<ref name=":11" /><ref name=":12" />、更には会場に近い首都圏から案内標識の英語表記の統一が行われた<ref>{{Cite news|title=「分かりやすい」道路標識、国交省が推進 訪日客向け、五輪へ英語表記統一|date=2019-08-14|newspaper=日刊工業新聞|url=https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00527590|accessdate=2019-08-16|agency=日刊工業新聞社}}</ref>。
 
今後、全国にある道路標識をデーターベース化して、[[カーナビゲーション]]システムとして現地に即した標識(電子道路標識)を車内で表示し、路上にある道路標識を撤去することも検討されている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mlit.go.jp/common/001152889.pdf|format=PDF|title=これからの案内(標識)の改善|accessdate=2017-12-09|publisher=国土交通省道路局}}</ref>。[[オートパイロット|自動運転]]が実用化された場合、標識の情報は車載[[カメラ]]から受け取る方法と道路インフラが発する情報を受信することが考えられている{{Sfn|保坂明夫・青木啓二・津川定之|2019|p=114}}。また、道路標識の反射シートに赤外線でのみ読み取れる情報を埋め込むことで、車両のセンサーで赤外線を受信して標識から様々な情報(標識の設置された場所の緯度経度や交通規制情報、設置年月日など)を受け取れるようになる技術も開発が進められている{{Sfn|鎌田実|2018|pp=153-154}}。
 
=== 年表 ===
*[[1899年]]([[明治]]32年)6月<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mlit.go.jp/road/sign/sign/douro/hist01.htm|title=わが国の道路標識の歴史|accessdate=2017-01-21|publisher=国土交通省}}</ref>
**[[警視庁]]が制札制文令を通達(適用範囲は[[東京府]]のみ)。
[[ファイル:Road signs for Japan's 1922 style,Katori city,Japan.jpg|サムネイル|大正11年内務省令による道路方向標の例]]
958 ⟶ 960行目:
**案内標識に「主要地点」が追加される。
*[[1970年]](昭和45年)[[8月20日]]<ref>昭和45年[[8月12日]]総理府・建設省令第1号</ref>{{sfn|浅井新一朗・内山茂樹|1970|pp=204-205}}
**規制標識「自転車専用」「自転車及び歩行者専用」「進行方向別通行区分」が追加される
*[[1971年]](昭和46年)[[12月1日]]<ref>昭和46年[[11月30日]]、総理府・建設省令第1号</ref>
**[[ファイル:Old-type-guide-sign-Otsu-Oiwake.jpg|サムネイル|ローマ字併記が無い旧式の案内標識([[滋賀県]][[大津市]])]]案内標識が大幅にデザイン変更、「都道府県道番号」を追加。「方面及び距離」「方面及び方向」などの従来白色を地色としていた一部の案内標識が、藍色の地色に白抜き文字のものに統一。琉球を除き案内標識のローマ字併記を原則として廃止。
*[[1978年]](昭和53年)[[7月30日]]{{sfn|久高弘|1978|pp=47-51}}
**[[沖縄県]]で[[車両]]の通行方法が[[右側通行]]から[[左側通行]]に戻ったことで、返還以降特例的に設置されていた右側通行用の標識を廃止し、他都道府県と同じく左側通行の標識に切り換えた ([[730 (交通)|730]]を参照)。
*1978年(昭和53年)[[12月1日]]<ref name=":4">昭和53年[[8月26日]]総理府・建設省令第1号</ref>
**規制標識「自動二輪車2人乗り禁止」が廃止。指示標識「自転車横断帯」、補助標識「規制理由」が追加。
974 ⟶ 976行目:
**道路交通法の改正に伴い、「駐車時間制限」が廃止され「時間制限駐車区間」に置き換えられた。
*[[1992年]]([[平成]]4年)[[11月1日]]{{sfn|北村博文|1992|p=70}}<ref>平成4年[[6月8日]]、総理府・建設省令第1号</ref><ref>{{Cite news|title=道路標識すっきり 警察庁簡略化 横断歩道、しまの白線だけ|newspaper=日本経済新聞|date=1992-05-16}}</ref>
**指示標識「横断歩道・自転車横断帯」が追加され、横断歩道などの標識では鏡像を用いることが可能となった。補助標識「車両の種類」に記号表示(トラックやバスのマークなど)、「始まり」「終わり」に文字表示(「ここから」「ここまで」)を導入し、補助標識「歩行者専用」を廃止とした。補助標識の視認性を考慮して、一部の標識から「区間内」が省略され、車両の種類の略称が一部変更された(「高速車」「中速車」「低速車」は廃止となった)。
*[[1996年]](平成8年)[[4月1日]]<ref>平成6年[[11月21日]]、総理府・建設省令第3号</ref>
**[[ファイル:ZONE30-Sign.jpg|サムネイル|「最高速度」の背面板付き規制標識([[滋賀県]][[草津市]])]]補助標識「区域内」が追加。既存の補助標識「始まり」「終わり」に「区域ここから」「区域ここまで」の様式が追加される。さらに、区域規制の出入口部に背面板付きの規制標識を設置できるようになる。
983 ⟶ 985行目:
*[[2000年]](平成12年)[[11月15日]]<ref>平成12年11月15日、総理府・建設省令第4号</ref>
**案内標識「エレベーター」「エスカレーター」「傾斜路」「乗合自動車停留場」「路面電車停留場」「便所」が追加。
*[[2004年]](平成16年)[[3月22日]]<ref>平成16年3月22日、内閣府・国土交通省令第2号</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mlit.go.jp/road/sign/03.html|title=「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令の一部を改正する命令」について|accessdate=2018-01-20|date=2016-03-22|publisher=国土交通省道路局}}</ref>
:案内標識「高さ限度緩和指定道路」が追加
*[[2005年]](平成17年)4月1日<ref name=":5">平成16年[[12月8日]]、内閣府・国土交通省令第5号</ref>
1,001 ⟶ 1,003行目:
*[[2012年]](平成24年)[[4月1日]]<ref name=":2" />
**都道府県道と市町村道に設置される案内標識と警戒標識の[[長さ|寸法]]や[[文字]]の大きさが[[条例]]に基づき独自に定めることが可能となった。
*[[2014年]](平成26年)[[4月1日]]<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mlit.go.jp/common/001034475.pdf|title=道路標識、区画線及び道路標示に関する命令の一部を改正する命令|accessdate=2014-04-04|date=2014-04-01|format=PDF|publisher=国土交通省}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://www.mlit.go.jp/common/001034475.pdf|title=国土交通省告示第327号 道路の案内標識の英語による表示に関する告示|accessdate=2014-04-04|date=2014-03-26|format=PDF|publisher=国土交通省}}</ref>
**案内標識「サービス・エリア、道の駅及び距離」が追加、「サービス・エリアの予告」を「サービス・エリア、道の駅の予告」に変更(「サービス・エリア」も含め、[[道の駅]]にも設置できるように改正)。案内標識のローマ字を外国人旅行者も含めた道路利用者に分かりやすい英語表記に改正。
*[[2014年]](平成26年)[[9月1日]]<ref>平成26年5月26日、内閣府・国土交通省令第4号</ref>
**規制標識「環状の交差点における右回り通行」が追加。
*[[2017年]](平成29年)[[2月14日]]<ref>平成29年2月7日、内閣府・国土交通省令第1号</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000801.html|title=道路標識、区画線及び道路標示に関する命令の一部を改正する命令の公布について|accessdate=2017-02-08|date=2017-02-07|publisher=国土交通省}}</ref>
**[[ファイル:Japanese motorway road signs showing distance guidance and road number,Tsukuba city,Japan.jpg|サムネイル|高速道路番号が記された「方面及び距離 (106-B)」
([[首都圏中央連絡自動車道|圏央道]] [[茨城県]][[つくば市]])
]]案内標識「サービス・エリア又は駐車場から本線への入口」「高速道路番号」が追加。同時に、高速道路等に設置される案内標識を一部変更。
*2017年(平成29年)[[3月12日]]<ref name="MPD">{{Cite web|和書|url=https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/menkyo/chugata.html|title=準中型自動車・準中型免許の新設について(平成29年3月12日施行)|accessdate=2017-02-14|date=2016-08-10|publisher=警視庁}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.think-sp.com/2015/06/17/dokoho-kaisei-kohu-2015-6-17/|title=改正道路交通法が公布されました──準中型免許新設など(2015.6.17)|accessdate=2017-02-14|date=2015-06-17|publisher=シンク出版}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=http://www.zensiren.or.jp/news/tenpu160913.pdf|format=PDF|title=教習生の皆様へ 平成29年3月12日に免許制度が変わります!|accessdate=2017-02-14|publisher=全日本指定自動車教習所協会連合会}}</ref>
**[[準中型自動車]]の新設に伴い、補助標識「車両の種類」、補助標識の用語等における車両の種類の略称を一部変更。
*2017年(平成29年)[[7月1日]]<ref>平成29年4月21日、内閣府・国土交通省令第3号</ref><ref name=":11">「[httphttps://mainichi.jp/articles/20161215/k00/00e/040/198000c 「一時停止はSTOP」「徐行はSLOW」併記]」毎日新聞、2016年12月15日</ref><ref name=":12">「[http://www.asahi.com/articles/ASJDG4KG2JDGUTIL01N.html 止まれにSTOP、徐行はSLOW 道路標識に併記へ]」朝日新聞、2016年12月15日</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.npa.go.jp/laws/notification/koutuu/kisei/kisei20170421.pdf|title=道路標識、区画線及び道路標示に関する命令の一部を改正する命令の公布について(通達)|accessdate=2017-07-14|date=2017-04-21|format=PDF|publisher=警察庁}}</ref>
**[[ファイル:Tomare & Stop 20171213.jpg|サムネイル|「STOP」が併記された規制標識「一時停止」(愛知県)]]規制標識「徐行」「前方優先道路」「一時停止」がこの日から順次、英語併記に切り替えられる。「徐行」の下に「SLOW」(「前方優先道路」を含む)、「止まれ」の下に「STOP」と追記される{{efn|但し沖縄県(1972年までは琉球)では1967年10月27日から1978年7月30日の左側通行切り替えまで「徐行」の下に「SLOW」、「止まれ」の下に「STOP」と追記されていた。同県では38年11ヵ月ぶりに復活となる。}}。
*[[2018年]](平成30年)[[12月14日]]<ref>{{Cite press release|和書|title=道路標識、区画線及び道路標示に関する命令の一部を改正する命令の公布について~チェーン規制に関連する改正を行います~|publisher=国土交通省|date=2018-12-14|url=https://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_001110.html|language=日本語|accessdate=2018-12-14}}</ref>
1,059 ⟶ 1,061行目:
* {{Cite book|和書|ref={{sfnRef|道路交通法実務研究会|2017}}|author=道路交通法実務研究会(編)|title=図解道路交通法|edition=5訂版|date=2017-05-10|year=2017|publisher=東京法令出版|ISBN=978-4-8090-1364-5}}
* {{Cite book|和書|ref={{sfnRef|「土木施工の実際と解説」編集委員会|2017}}|author=「土木施工の実際と解説」編集委員会(編)|title=土木施工の実際と解説|edition=改訂6版|date=2017-10-28|year=|publisher=建設物価調査会|ISBN=978-4-7676-3808-9}}
* {{Cite book|和書 |title=CASE時代 |date=2018-10-29 |year=2018 |publisher=時評社 |isbn=978-4-88339-253-7 |ref=harv |author=鎌田実}}
*{{Cite book|和書|title=自動運転 -システム構成と要素技術-|date=2019-05-27|year=2019|publisher=森北出版|ref=harv|author=保坂明夫・青木啓二・津川定之|edition=第2版|isbn=978-4-627-67462-2}}
*{{Cite book|和書|title=道路標識構造便覧|date=2020-06-24|year=2020b|publisher=丸善出版|isbn=978-4-88950-137-7|ref=harv|author=日本道路協会}}
1,086 ⟶ 1,089行目:
*{{Cite journal|和書|author=柏谷直也|year=2014|title=計画的な交通安全施設等整備事業の推進について|journal=月刊交通|volume=44|issue=10|pages=36-46|publisher=東京法令出版|ref={{sfnRef|柏谷直也|2014}}}}
*{{Cite journal|和書|author=元田良孝|year=2015|date=|title=交通工学に関する法制度 第2回「自転車に関する法制度」|journal=交通工学|volume=50|issue=2|pages=47-56|publisher=交通工学研究会|ref={{sfnRef|元田良孝|2015}}|naid=|authorlink=}}
*{{Cite web|和書|url=https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000647919.pdf|title=法定外標識の整備ルールについて-より効果的な標識で地域の道路の安全をめざして-|accessdate=2018-01-13|author=齋藤未希|date=2016|format=PDF|publisher=国土交通省関東地方整備局|ref={{sfnRef|齋藤未希|2016}}}}
*{{Cite journal|和書|author=坂野雅浩|year=2016|title=鉄筋棒鋼の挿入による倒壊防止対策|journal=月刊交通|volume=46|issue=3|pages=32-41|publisher=東京法令出版|ref={{sfnRef|坂野雅浩|2016}}}}
*{{Cite journal|和書|author=本田茂|year=2017|date=2017-03-01|title=道路標識の国際化と維持管理|url=http://zenhyo-kanto.com/jiodoushagugijutu2017.03.pdf|journal=自動車技術|volume=71|issue=3|pages=77-82|publisher=自動車技術会|accessdate=2019-08-16|format=PDF|ref=harv}}
1,093 ⟶ 1,096行目:
 
'''通達・ガイドライン'''
*{{Cite web|和書|url=https://www.mlit.go.jp/common/001085090.pdf|title=道路標識設置基準|accessdate=2017-11-08|format=PDF|publisher=国土交通省道路局|ref={{sfnRef|建設省|2014}}}}
*{{Cite web|和書|url=http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/pdf/yobo3_1_11.pdf|title=附属物(標識、照明施設等)点検要領|accessdate=2017-12-04|date=2014-06|format=PDF|publisher=国土交通省道路局国道・防災課|ref={{sfnRef|国土交通省道路局国道・防災課|2014}}}}
*{{Cite web|和書|url=https://www.npa.go.jp/laws/notification/koutuu/kisei/kisei20170424.pdf|title=交通規制基準|accessdate=2017-11-08|author=警察庁交通局|date=2017-04-24|format=PDF|publisher=警察庁|ref={{sfnRef|警察庁|2017}}}}
* {{Cite web|和書|url=https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/road_design/pdf03/04.pdf|title=景観に配慮した道路附属物等ガイドライン (案)|accessdate=2017-11-08|author=道路のデザインに関する検討委員会|date=2017-06-28|work=PDF|publisher=国土交通省|ref={{sfnRef|道路のデザインに関する検討委員会|2017}}}}
 
== 関連項目 ==
1,109 ⟶ 1,112行目:
* [[ローマ字#道路標識ヘボン式ローマ字|道路標識ヘボン式ローマ字]]
* [[安全標識]]
* [[消防水利標識]]
 
== 外部リンク ==
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