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{{Portal|文学}}
'''朝松 健'''(あさまつ けん、本名:'''松井 克弘'''<ref>『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.440</ref>。[[1956年]][[4月10日]] - )は、[[北海道]][[札幌市]][[南区 (札幌市)|南区]]出身の[[小説家]]。本名、松井克弘<ref>『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.440</ref>。ペンネームの由来は作家[[アーサー・マッケン]]から<ref name="kusaka">{{cite book|和書|title=金閣寺の首|author1=朝松健|author2=[[日下三蔵]]|chapter=解説|publisher=[[河出書房新社]]|date=2016-05|isbn=978-4309024677}}</ref>。妻は[[魔女]]思想家の松尾未来
 
ペンネームの由来は作家[[アーサー・マッケン]]から<ref name="kusaka">{{Cite book|和書|title=金閣寺の首|author1=朝松健|author2=日下三蔵|authorlink2=日下三蔵|chapter=解説|publisher=[[河出書房新社]]|date=2016-05|isbn=978-4309024677}}</ref>。妻は[[魔女]]思想家の[[松尾未来]]。
[[オカルト]]・[[怪奇小説]]、[[伝奇小説]]を中心に幅広く執筆し、近年は[[密教]][[立川流 (密教)|立川流]]と[[室町時代]]をベースにした小説も精力的に発表している。また[[クトゥルフ神話]]についての[[アンソロジー]]編纂についても内外から高い評価を得ている。
 
[[オカルト]]・[[怪奇小説]]、[[伝奇小説]]を中心に幅広く執筆し、近年はいわゆる[[「彼の法」集団|「立川流」]]{{Refnest|group="注釈"|近年の研究で[[仁寛]]が創始した[[真言宗]]の一法流が髑髏本尊を崇拝する邪淫教だったという長く信じられてきた通説は否定されつつあり、この問題にこだわりを持って情報発信をし続けている宗教学者の[[彌永信美]]は髑髏本尊儀礼で知られる立川流を本当の立川流と区別して「いわゆる」付きの「立川流」と呼んでいる<ref>{{cite journal|和書|author=彌永信美 |authorlink=彌永信美 |journal=智山学報 |volume=67 |issue=81 |pages=1–44 |title=いわゆる「立川流」ならびに髑髏本尊儀礼をめぐって |url=https://www.academia.edu/36746311/ |publisher=智山勧学会 |date=2018-03-31}}</ref>。ここでも彌永に従っていわゆる「立川流」と表記する。}}と[[室町時代]]をベースにした小説も精力的に発表している。また[[クトゥルフ神話]]についての[[アンソロジー]]編纂についても内外から高い評価を得ている。
 
== 来歴 ==
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[[1999年]]、自身の恐怖体験を[[JET (漫画家)|JET]]が漫画化した『KEN & JETの魔界召喚』([[朝日ソノラマ]]コミック)が刊行される。
 
[[2005年]]、室町物の短編『[[東山殿御庭]]』(『[[異形コレクション]]29 黒い遊園地』。また2006年には[[講談社]]から同名の短編集が刊行されている)が第58回[[日本推理作家協会賞]]短篇部門の候補に選ばれる<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.mystery.or.jp/prize/detail/10581|title=2005年 第58回 日本推理作家協会賞 短編部門|publisher=日本推理作家協会|accessdate=2022-03-01}}</ref>。この『東山殿御庭』を含む「一休シリーズ」や『血と炎の京 私本・応仁の乱』(2020年、[[文春文庫]])など、近年は[[室町時代]]に材を取った時代伝奇小説でその異能ぶりを発揮している{{Refnest|group="注釈"|当人は2019年に行われたインタビューで「20年もよく書いたと思いますよ。従来室町時代はエンターテインメントに向かないというのが定説で、僕の前には山田風太郎先生の諸作があるくらいでした。室町ものを書き出した当初は、ホラーファンや同業者から「時代ものに逃げた」といわれましたね。(略)それでも諦めずに書き続けていたら、ここにきて空前の室町ブーム。書き出すのが20年早すぎました。」<ref>{{Cite web|和書|author=朝宮運河|url=https://book.asahi.com/article/12139595|title=室町ブームの今こそ読みたい“百鬼夜行”の時代ホラー 朝松健さん「一休シリーズ」|date=2019-02-16|website=好書好日|accessdate=2022-03-15}}</ref>と語っている。}}。
 
なお、[[高橋葉介]]の『[[KUROKO-黒衣-]]』の作中に「[[オカルト]]作家 荒松健太郎」として登場している。
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=== クトゥルフ物 ===
* [[崑央の女王]]
* [[小説ネクロノミコン]]:海魔荘の召喚、冷鬼の恋、幻覚の陥穽、ラヴクラフト・レター
* [[肝盗村鬼譚]]
* [[邪神帝国]]:"伍長"の自画像、ヨス=トラゴンの仮面、狂気大陸、1889年4月20日、夜の子の宴、ギガントマキア1945、怒りの日
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* [[弧の増殖|弧の増殖 夜刀浦鬼譚]]
* チャールズウォードの系譜
* [[魔道コンフィデンシャル]]
* アシッド・ヴォイド:星の乱れる夜、[[闇に輝くもの]]、[[ゾスの足音]]、[[十死街]]、[[空のメデューサ]]、[[球面三角]]、[[Acid Void in New Fungi City]]
* Faceless City
 
=== 黒衣伝説 ===
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=== その他の小説 ===
* こわがらないで…
* マジカル・ハイスクール <ref group="注釈">マジカル・ハイスクール
: {{ISBN2|4-8291-2382-6|link=no}}
: [[富士見ファンタジア文庫]]
: [[1990年|平成2年]]11月20日 初版発行
; あらすじ
: オカルト好きの高校生であるシンゴ、ホンエン、シュウの3人組は、オカルト雑誌に書かれていた悪魔の呼び出し方を試して成功するが、そのまま逃げられてしまう。悪魔が引き起こす騒ぎの中、美少女委員長マサミに誘われて自宅を訪ねると、彼女の父親は本物の魔術師だった。3人は魔術師の指導を受けて、最後には悪魔を追い返すことに成功する。
; 目次
: {| class="wikitable mw-collapsible mw-collapsed" style="white-space:nowrap;"
|+style="text-align:left; font-weight:unset;"|目次
!colspan="2"|章節
!頁
|-
|colspan="2"|プロローグ・{{ruby|小悪魔|しょうあくま}}の{{ruby|喚起|かんき}}||7
|-
|colspan="2"|第一章 {{ruby|儀式場|テンプル}}の設定||32
|-
|rowspan="5"| 
|1、教生の名は、キタナイ||32
|-
|2、美少女の名は、マサミ||41
|-
|3、学園は、いきなり、ホラー||51
|-
|4、体育館だって、ホラー||65
|-
|5、でも、放課後は、マジカル||71
|-
|colspan="2"|第二章 {{ruby|儀式|ぎしき}}の開始||83
|-
|rowspan="4"| 
|1、{{ruby|魔術師|マジシャン}}? {{ruby|魔法使い|ウィザード}}? {{ruby|妖術師|ソーサラー}}?||83
|-
|2、{{ruby|豪華|ごうか}}{{ruby|本|ぼん}}? 洋書? 新書判?||91
|-
|3、{{ruby|白魔術|ホワイト・マジック}}? {{ruby|黒魔術|ブラック・マジック}}? パワー{{ruby|魔術|マジック}}?||100
|-
|4、{{ruby|悪魔|あくま}}? {{ruby|魔術|まじゅつ}}? ホノリウスの書?||109
|-
|colspan="2"|第三章 {{ruby|周行|しゅうこう}}||117
|-
|rowspan="5"| 
|1、教生{{ruby|魔術師|まじゅつし}}の{{ruby|呪|のろ}}い||117
|-
|2、{{ruby|小悪魔|しょうあくま}}の午後||126
|-
|3、{{ruby|超常|ちょうじょう}}学園の息子たち娘たち||135
|-
|4、{{ruby|悪魔|あくま}}が来りて{{ruby|爪|つめ}}を{{ruby|研|と}}ぐ||143
|-
|5、{{ruby|小悪魔|しょうあくま}}VS.シュウ/息づまる戦い||151
|-
|colspan="2"|第四章 {{ruby|幻視|げんし}}と{{ruby|変容|へんよう}}||163
|-
|rowspan="5"| 
|1、{{ruby|小悪魔|しょうあくま}}の{{ruby|復活|ふっかつ}}||163
|-
|2、血の{{ruby|祝祭日|しゅくさいじつ}}は三十日のさんりんぼう||170
|-
|3、パトカーはヤなことが起こる{{ruby|前兆|ぜんちょう}}だと思う||181
|-
|4、学園は{{ruby|狙|ねら}}われている||189
|-
|5、ホラーでスプラッタな術?||200
|-
|colspan="2"|第五章 退去||211
|-
|rowspan="5"| 
|1、{{ruby|追儺|ついな}}と{{ruby|祓|はら}}い||211
|-
|2、おれが{{ruby|〈火〉|テジャス}}で、お前が{{ruby|〈風〉|ヴァユ}}で||220
|-
|3、{{ruby|秘儀参入|イニシエーション}}ただし略式||231
|-
|4、{{ruby|悪魔|あくま}}のいる日常||240
|-
|5、{{ruby|悪魔|あくま}}もキタナイも、いらないっ‼||246
|-
|colspan="2"|エピローグ・{{ruby|祭儀場|さいぎじょう}}の掃除||262
|-
|colspan="2" style="padding-left:1em;"|あとがき||264
|- style="font-size:smaller; white-space:wrap;"
|colspan="3"|節名の冒頭の数字の後ろが「、」(読点)であるのは原文ママ。
ルビは原文ママ。
{| style="white-space:nowrap;"
|イラスト頁:
|17,{{wbr}} 29,{{wbr}} 63,{{wbr}} 101,{{wbr}} 115,{{wbr}} 131,{{wbr}} 159,{{wbr}} 179,{{wbr}} 229,{{wbr}} 243
|}
|}</ref>
** マジカル・ハイスクール【完全版】<ref group="注釈">マジカル・ハイスクール【完全版】
: {{ASIN|B0D6G13PQX}}
: [[2024年|二〇二四年]]六月七日 第一版発行
; 初出
: {| class="mw-collapsible mw-collapsed"
|+style="text-align:left; font-weight:unset;"|初出
|-
|
{{Quote|text=この作品は、1990年11月に富士見書房より刊行された『マジカル・ハイスクール』および、「月刊ドラゴンマガジン」1992年10~11月号に掲載された『マジカル・ハイスクール2』(前・後編)を改題の上、再編集したものです。|source=奥付}}
|}
</ref>
* 幻獣戦記 ユニコーン作戦
* 背徳の召喚歌(短編集)
169 ⟶ 272行目:
** 魔障 - 書き下ろし
** 忌の血族 - 『[[獅子王]]』1987年9月号
** [[追ってくる]] - 『[[小説コットン]]』1991年8月号
* 踊る狸御殿(短編集)<ref group="注釈">[[月刊小説]]1992年5月号から1993年7月号にかけて掲載された作品を収録。</ref>:彷徨える狸御殿、ギターを抱いた狸御殿、狸御殿流し、聖夜の狸御殿、狸御殿心中、夢見る狸御殿、狸御殿は永遠に
* 棘の闇(短編集)●:異の葉狩り●、この島にて●、屍舞図●、醜い空●、輝風 戻る能はず●
* 金閣寺の首(短編集)●:若狭殿耳始末●、「西の京」戀幻戯●、侘びの時空●、筆置くも夢のうちなるしるしかな●、生きてゐる風●、首狂言天守投合●、立華・白椿●、ぬっへっほふ●
* 血と炎の京 私本・応仁の乱
* 大地母神の贄(電子版のみ)
 
=== アンソロジー収録短篇 ===
199 ⟶ 303行目:
* 秘神界 歴史編
* 秘神界 現代編
* 伝奇城(えとう乱星と共編)
 
== その他 ==
 
* [[ドラえもん]] 小学館コロコロ文庫版 8巻(1997年) - 解説を執筆(テーマ別編集のシリーズで8巻は「恐怖編」)
 
== 英訳 ==
206 ⟶ 315行目:
* Lairs of the Hidden Gods series #4 The Dreaming God, Kurodahan Press, 2006
* Queen of K’n-Yan, Kurodahan Press, 2008 『崑央の女王』の英訳
* [[球面三角]]
 
== 脚注 ==
215 ⟶ 325行目:
 
== 関連項目 ==
 
* [[日本の小説家一覧]]
* [[時代小説・歴史小説作家一覧]]
* [[怪奇小説作家一覧]]
 
*[[異形コレクション]]
 
== 外部リンク ==
*[http://uncle-dagon.g.dgdg.jp/ UNCLE DAGON TEMPL(朝松健公式サイト)][https://web.archive.org/web/20051124182052/http://www1.nyan-web.ne.jp/~uncle-dagon/][https://web.archive.org/web/20031001213916/http://www.uncle-dagon.com/]
 
{{Normdaten}}
 
{{DEFAULTSORT:あさまつ けん}}
[[Category:20世紀日本の小説家]]
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