サクラガイ
ニッコウガイ科の二枚貝の一種
サクラガイ(Nitidotellina hokkaidoensis、桜貝)は、マルスダレガイ目ニッコウガイ科の二枚貝(分類はBISMaLに従った)。Nitidotellina dunkeri Bernard, Cai & Morton, 1993、Nitidotellina nitidula Dunker, 1860はシノニム[1]。
サクラガイ | ||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Nitidotellina hokkaidoensis (Habe, 1961) | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
サクラガイ(桜貝) |
分布
編集形態
編集殻長20ミリ。殻は極めて薄く、前後に長い卵形で後方がやや角ばる[6]。膨らみは弱い。殻表は桃色。中央から前方にかけて成長線と斜めに交差する稜がある。外套線湾入は極めて深い[4][5]。
白色の放射肋が2本あるが、カバザクラ(N. iridella)と比べて弱く、不明瞭である。殻表に金属光沢はない。これによってもウズザクラ(N. minuta)やカバザクラと区別できる[6]。
生態
編集やや内湾性[6]で、潮間帯から水深80メートルの砂泥底に生息[4]。左の殻を下にして海底に潜り、長い水管を出している[7]。
人との関わり
編集殻は貝殻細工に利用される[3]。古くから知られ、詩歌の題材にもなっている。広義には本種の他カバザクラやモモノハナガイ(Moerella jedoensis, ニッコウガイ科)などもサクラガイ(桜貝)と呼ぶことがある。これらは外洋性で、殻は多く砂浜に打ち上げられる[7]。その様子は桜が散ったようで、美しい殻の色を愛され春の季語と定められた[2]。
出典
編集- ^ “Nitidotellina hokkaidoensis (Habe, 1961) サクラガイ”. BISMaL. 2022年10月26日閲覧。
- ^ a b KADOKAWA 2022, p. 508.
- ^ a b 日本国語大辞典 2001, p. 1446-1447.
- ^ a b c 世界文化社 2004, p. 318.
- ^ a b 東海大学出版部 2017, p. 1256.
- ^ a b c 黒住et al. 2021, p. 110.
- ^ a b 日本大百科全書 1986, p. 89.
参考文献
編集- 『改訂新版 世界文化生物大図鑑 貝類』世界文化社、2004年6月15日。ISBN 4-418-04904-5。
- 奥谷喬司(編著)『日本近海産貝類図鑑』(第二版)東海大学出版部、2017年1月30日。ISBN 978-4-486-01984-8。
- 黒住耐二(文)、大作晃一(写真)『くらべてわかる 貝殻』山と渓谷社、2021年10月5日。ISBN 978-4-635-06356-2。
- 日本国語大辞典 第二版 編集委員会, 小学館国語辞典編集部 編『日本国語大辞典 第二版』 第五巻、小学館、2001年5月20日、1446-1447頁。ISBN 4-09-521005-2。
- 『新版 角川俳句大歳時記 春』KADOKAWA、2022年2月28日。ISBN 978-4-04-400504-7。
- 『日本大百科全書』 10巻、1986年7月1日。ISBN 4-09-526010-6。