自由民主党国会対策委員会
自由民主党における国会対策委員会
概説
編集党則では、党の国会活動を円滑処理する為に国会対策委員会を設置する。委員長を一人、副委員長、委員を若干名を置く。国会対策委員長は、総務会で承認を受けて幹事長が決定し、副委員長、委員は総務会の了承を受けて国会対策委員長が決定する。国会開会中の平日は国対委員長が開催する「自由民主党国会対策委員会正副委員長会議」があるため、選挙に弱い議員が国対に入ると苦労が多い。
総裁は党則上、国対委員長人事には関与しないが、総務6名指名権限を背景に国会対策委員長の人事権に影響を及ぼしており、国対委員長指名権限を持つ幹事長も総裁の意向を尊重するのが慣例となっている。通常、新内閣の発足や内閣改造と同時に自民党の役員人事も行われ、その際に「党七役」(幹事長、総務会長、政調会長、国会対策委員長、広報本部長、参院議員会長、参院幹事長)の1ポストとして、派閥のバランスや要求を斟酌した上で、総裁や党内主流派のイニシアティブにより人選がなされる。
また党内の参議院内における機関として参議院国会対策委員長を置く。
国会の修羅場に対応する国対委員長は、自民党の裏方の最重要ポストであり、退任してまもなく論功行賞的意味合いを込めて、党三役や閣僚級のポストなどで処遇される例が多い。また歴任したものは、国会対策を通じて与野党に太いパイプを築き上げることになり、その後の政界における影響力も大きくなる。ただし、国対委員長経験者で総裁の座に上り詰めたのは、宇野、海部、岸田の3人のみである。
55年体制下では、自民、社会両党の国会対策委員長同士が指しで話し合う会談が多い事から『国対政治』と揶揄されてきた。国対委員長によって社会党寄りと公民両党寄りで分かれる事もあった。
国会対策委員長
編集自由民主党 国会対策委員長 | |
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自由民主党党章 | |
地位 | 自由民主党国会対策委員長 |
所在地 | 東京都千代田区永田町 自由民主党党本部 |
指名 | 幹事長による決定 |
任期 | 1年、再任制限なし |
根拠法令 | 党則[2] |
創設 | 1955年 |
初代 | 中村梅吉 |
略称 | 国対委員長 |
職務代行者 | 国会対策委員会委員長代理 |
ウェブサイト | 自由民主党 |
自由民主党国会対策委員長 | ||||
代 | 肖像 | 委員長名 | 在任期間 | 所属派閥 |
1 | 中村梅吉 | 1955年-1956年 | 鳩山派 | |
2 | 倉石忠雄 | 1956年-1957年 | 岸派 | |
3 | 村上勇 | 1957年-1959年 | 大野派 | |
4 | 福永健司 | 1959年-1960年 | 池田派 | |
5 | 小沢佐重喜 | 1960年 | 藤山派 | |
6 | 山村新治郎 | 1960年-1961年 | 岸派 | |
7 | 江﨑真澄 | 1961年-1962年 | 藤山派 | |
8 | 竹山祐太郎 | 1962年-1963年 | 三木・松村派 | |
9 | 園田直 | 1963年-1964年 | 河野派 | |
10 | 佐々木秀世 | 1964年-1965年 | 池田派 | |
11 | 中野四郎 | 1965年-1966年 | 佐藤派 | |
12 | 佐々木秀世 | 1966年-1967年 | 前尾派 | |
13 | 長谷川四郎 | 1967年-1968年 | 川島派 | |
14 | 園田直 | 1968年-1970年 | 森派 | |
15 | 塚原俊郎 | 1970年-1971年 | 佐藤派 | |
16 | 金丸信 | 1971年-1972年 | ||
17 | 原田憲 | 1972年-1973年 | 水田派 | |
18 | 福田一 | 1973年-1974年 | 船田派 | |
19 | 江﨑真澄 | 1974年 | 水田派 | |
20 | 宇野宗佑 | 1974年-1976年 | 中曽根派 | |
21 | 海部俊樹 | 1976年 | 三木派 | |
22 | 安倍晋太郎 | 1976年-1977年 | 福田派 | |
23 | 三原朝雄 | 1977年-1978年 | 旧水田派 | |
24 | 金丸信 | 1978年-1980年 | 田中派 | |
25 | 田沢吉郎 | 1980年-1981年 | 鈴木派 | |
26 | 田村元 | 1981年-1982年 | 田中派 | |
27 | 小此木彦三郎 | 1982年-1983年 | 中曽根派 | |
28 | 江藤隆美 | 1983年-1984年 | ||
29 | 森下元晴 | 1984年 | ||
30 | 江藤隆美 | 1984年-1985年 | ||
31 | 藤波孝生 | 1985年-1987年 | ||
32 | 渡部恒三 | 1987年-1989年 | 竹下派 | |
33 | 奥田敬和 | 1989年-1990年 | ||
34 | 村岡兼造 | 1990年 | ||
35 | 梶山静六 | 1990年-1991年 | ||
36 | 増岡博之 | 1991年-1992年 | 宮澤派 | |
37 | 梶山静六 | 1992年 | 竹下派 | |
38 | 瓦力 | 1992年-1993年 | 宮澤派 | |
39 | 小里貞利 | 1993年-1994年 | ||
40 | 島村宜伸 | 1994年-1995年 | 旧渡辺派 | |
41 | 山崎拓 | 1995年 | ||
42 | 村岡兼造 | 1995年-1997年 | 旧小渕派 | |
43 | 保利耕輔 | 1997年-1998年 | ||
44 | 古賀誠 | 1998年-2000年 | 加藤派 | |
45 | 大島理森 | 2000年-2002年 | 旧河本派 | |
46 | 中川秀直 | 2002年-2005年 | 森派 | |
47 | 細田博之 | 2005年-2006年 | 森派 | |
48 | 二階俊博 | 2006年-2007年 | 二階派 | |
49 | 大島理森 | 2007年-2009年 | 高村派 | |
50 | 川崎二郎 | 2009年-2010年 | 古賀派 | |
51 | 逢沢一郎 | 2010年-2011年 | ||
52 | 岸田文雄 | 2011年-2012年 | ||
53 | 浜田靖一 | 2012年 | 無派閥 | |
54 | 鴨下一郎 | 2012年-2013年 | ||
55 | 佐藤勉 | 2013年-2016年 | 谷垣グループ | |
56 | 竹下亘 | 2016年-2017年 | 額賀派 | |
57 | 森山裕 | 2017年-2021年 | 石原派 | |
58 | 高木毅 | 2021年-2023年 | 細田派-安倍派 | |
59 | 浜田靖一 | 2023年-2024年 | 無派閥 | |
60 | 坂本哲志 | 2024年- | 無派閥 |
※太字は首相(総裁)経験者
記録
編集関連項目
編集脚注
編集- ^ “【一覧】石破総裁 自民党新執行部が発足 閣僚顔ぶれも固まる”. NHK NEWS WEB (日本放送協会). (2024年9月30日) 2024年10月1日閲覧。
- ^ 党則