茶色(ちゃいろ)は、の一つで、の実のような色。中性色の一つ。オレンジ色もしくはの中間色である。を染料として使った時に出る色に由来する。化学の世界や、他の色と対比したり、熟語を作る際には褐色(かっしょく)と称する(例:赤色→紅色)。栗色(くりいろ、りっしょく)ともいう。

茶色
ちゃいろ
 
16進表記 #994C00
RGB (153, 76, 0)
CMYK (26, 66, 100, 14)
HSV (30°, 100%, 60%)
マンセル値 7.5R 3.5/5
表示されている色は一例です
4種類の茶を比較するために、茶器に注がれた茶と、乾燥した状態の茶を並べた構図の写真。
茶色と呼びうる色合いの。左から緑茶茎茶烏龍茶紅茶

なお、日本語では「黒砂糖」「黒パン」のように「brown」と「black」が混同されることがあるが、本項目においては“Brown”を茶色褐色、栗色)、“Black”をとして明確に区別する。

色名としての茶色

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茶色は一般的に、木の枝幹、の実、チョコレートの色としても表現される。室町時代より茶の葉の煎じ汁が染料として使われはじめ、それにともない茶色の名が生まれる。茶染めの服は江戸時代に一般に広まることにより、この名も一般的になる。ただし、当時は「鶯茶」「青茶」など、現代とちがって緑がかった色の名前にも使われていた。『日本歴史大事典』には、「江戸では抹茶に似た色、京坂では煎茶の煮がらしの色をいう」とある。

また、褐色と呼ばれる場合もある。上記のように土の色や木の幹の色を表現するが、コーヒーの色や、日焼けした人の皮膚の色のように、「茶色」とは呼ばずに「褐色」と表現するものもある。ただし褐色は茶色と区別して焦茶色を指す場合もある。また、茶色であることを強調するため茶褐色という言葉もある。褐色の「褐」は、(くず)のような繊維でできた、ごつごつしたみすぼらしい衣服を意味する字である。この衣服の土で汚れたような色が「褐色」と呼ばれた。現在の中国語では、茶色は「棕色」(zōngsè, シュロ皮の色)と呼ぶのが普通だが、「褐色」ともいう。

派生色の一種にも「褐色」が使われている。黄色がかった褐色を黄茶(きちゃ)あるいは黄褐色(おうかっしょく)、赤のかった褐色を赤茶(あかちゃ)あるいは紅褐色(こうかっしょく)という。

なお、日本古来の色に、「褐色」と書いて「かちいろ」と読む色があるが、これは紺色の一種である。詳しくは勝色を参照。

また、栗の実の色であることから、スペイン語では茶色を「Marrón」と呼ぶ。

「茶色」「褐色」「栗色」の英語訳としてbrownが充てられる。この語はゲルマン語系であり、語源は(bear)に由来するという。

光源色としての茶色

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Brown (webcolor)
  16進表記 #A52A2A

ウェブカラーではbrownが定義されている。色指定するときに"brown"と記述すれば16進数表記で#A52A2Aとして配色され、その色はの中間色(赤茶色)である。右表を参照。ただしこの色はすべてのブラウザで問題なく指定できる色ではないので、同系色で安全なものを選択する場合、基本16色の1つとして定義されている"maroon"(マルーン、16進数定義では#800000)を利用するのがよい。

物体色としての茶色

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茶色JIS慣用色名
  マンセル値 5YR 3.5/4
ブラウンJIS慣用色名
  マンセル値 5YR 3.5/4
褐色JIS慣用色名
  マンセル値 6YR 3/7
焦茶JIS慣用色名
  マンセル値 5YR 3/2

JISの規格では、茶色とブラウンが同色として定義されている。一方褐色は茶色とは異なる色として定義されていることが多い。またJISはこげ茶色も定義しており、この定義も褐色と異なる。それぞれの色については右表を参照。

茶色の色材

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天然のから生産される顔料が知られている。シェンナアンバー等がその代表的なものである。このような顔料を総称して、アースピグメント、土壌顔料[1]等と呼ぶ。かつてはイカの墨から作られたセピアも用いられたが、今日のセピアは合成品である。他方で様々な合成有機顔料は、現在でも使われている。

近似色

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関連項目

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出典

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  1. ^ 鶴田榮一「顔料の歴史」『色材協会誌』第75巻、第4号、色材協会、2002年4月。doi:10.4011/shikizai1937.75.189ISSN 0010-180X 

外部リンク

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  ウィキメディア・コモンズには、茶色に関するメディアがあります。

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