1952年の日本シリーズ
1952年の日本シリーズ(1952ねんのにっぽんシリーズ、1952ねんのにほんシリーズ)は、1952年10月11日から10月18日まで行われた第3回プロ野球日本選手権シリーズである。水原茂監督率いる読売ジャイアンツと山本一人監督率いる南海ホークスとの2年連続同一カードによると対決となった。
1952年の日本シリーズ | |
---|---|
ゲームデータ | |
日本一 読売ジャイアンツ 2年連続2回目 4勝2敗 | |
試合日程 | 1952年10月11日-10月18日 |
最高殊勲選手 | 別所毅彦 |
チームデータ | |
読売ジャイアンツ(セ) | |
監督 | 水原茂 |
シーズン成績 | 83勝37敗(シーズン1位) |
南海ホークス(パ) | |
監督 | 山本一人 |
シーズン成績 | 76勝44敗1分(シーズン1位) |
« 1951 1953 » |
試合結果
編集日付 | 試合 | ビジター球団(先攻) | スコア | ホーム球団(後攻) | 開催球場 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
10月11日(土) | 第1戦 | 南海ホークス | 3 - 6 | 読売ジャイアンツ | 後楽園球場 | ||
10月12日(日) | 第2戦 | 南海ホークス | 0 - 11 | 読売ジャイアンツ | |||
10月13日(月) | 移動日 | ||||||
10月14日(火) | 第3戦 | 読売ジャイアンツ | 0 - 4 | 南海ホークス | 大阪球場 | ||
10月15日(水) | 第4戦 | 読売ジャイアンツ | 6 - 2 | 南海ホークス | |||
10月16日(木) | 第5戦 | 読売ジャイアンツ | 1 - 4 | 南海ホークス | |||
10月17日(金) | 移動日 | ||||||
10月18日(土) | 第6戦 | 南海ホークス | 2 - 3 | 読売ジャイアンツ | 後楽園球場 | ||
優勝:読売ジャイアンツ(2年連続2回目) |
第1戦
編集10月11日 後楽園球場 入場者数 23794人
南海 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 0 | 1 | 2 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | x | 6 |
(南) | 大神、●中谷(1敗)、服部、井上 - 筒井 |
(巨) | ○別所(1勝) - 広田 |
本塁打 | |
(南) | 飯田1号2ラン(4回別所) |
(巨) | 川上哲1号2ラン(3回中谷) |
[審判]セ島(球)パ横沢、セ筒井、パ上田(塁)セ杉村、パ苅田(外)
2回、巨人は2つの四死球で得たチャンスで先発投手別所毅彦のタイムリーヒットで先制。3回には川上哲治の2ラン本塁打で追加点。南海は飯田徳治の2ラン本塁打と黒田一博の適時打で同点としたが、その裏巨人は4長打や千葉茂のスクイズで再び3点を奪い返し、突き放した。別所は4回以外は失点がなく完投勝利。
公式記録関係(日本野球機構ページ)
第2戦
編集10月12日 後楽園球場 入場者数 26799人
南海 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 0 | 3 | 0 | 2 | 2 | 1 | 0 | 3 | x | 11 |
(南) | ●中原(1敗)、井上、小畑 - 筒井、松井 |
(巨) | ○藤本(1勝) - 広田 |
本塁打 | |
(巨) | 藤本1号2ラン(4回中原)、与那嶺1号ソロ(8回小畑) |
[審判]パ二出川(球)セ筒井、パ横沢、セ津田(塁)パ上田、セ杉村(外)
巨人打線が序盤から爆発、南海を圧倒した。2回は広田順、先発投手藤本英雄の連続適時打で3点先取。4回には藤本の2ラン本塁打で追加点。その後も追加点を重ねて11-0と一方的な展開となった。藤本は投げては4安打完封、打っては本塁打を含む4打点と投打に活躍した。
公式記録関係(日本野球機構ページ)
第3戦
編集10月14日 大阪球場 入場者数:23744人
巨人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
南海 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | X | 4 |
(巨) | ●大友(1敗) - 楠、広田 |
(南) | ○柚木(1勝) - 筒井 |
[審判]セ島(球)パ横沢、セ津田、パ上田(塁)セ杉村、パ苅田(外)
大阪球場に舞台を移した第3戦は南海がチームトップタイの19勝を挙げた柚木進、巨人が大友工。第2戦で爆発した巨人打線だが、この日は柚木進の前に6安打を奪ったものの要所を締められ、完封を喫した。打撃面では堀井数男が3打点の活躍。
公式記録関係(日本野球機構ページ)
第4戦
編集10月15日 大阪球場 入場者数:20117人
巨人 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 3 | 0 | 6 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
南海 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 |
(南) | ●服部(1敗)、江藤、大神 - 筒井、松井 |
(巨) | ○別所(2勝) - 広田 |
[審判]パ二出川(球)セ筒井、パ苅田、セ津田(塁)パ上田、セ杉村(外)
南海が服部武夫、巨人が別所の先発。1-1と同点の6回、巨人は二死から川上、青田の連打で勝ち越し、宇野光雄の四球のあと広田がタイムリー二塁打を放ち3-1とした。南海は7回、2番手投手江藤正の代打・村上一治のタイムリーヒットで1点差に追い上げたが、8回巨人がリリーフした大神を攻略、4安打を集中して3点を奪い、勝負を決めた。別所は第1戦に続く完投勝利。打っても2安打2打点の活躍だった。
公式記録関係(日本野球機構ページ)
第5戦
編集10月16日 大阪球場 入場者数:15297人
巨人 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
南海 | 1 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | X | 4 |
(巨) | ●藤本(1勝1敗)、大友 - 広田 |
(南) | ○江藤(1勝) - 広田 |
[審判]セ島(球)パ上田、セ筒井、パ横沢(塁)セ津田、パ苅田(外)
1-1同点の3回、南海は江藤、蔭山和夫の連続ヒットで無死一、二塁。続く木塚忠助の送りバントを藤本が三塁へ悪送球して無死満塁。続く島原輝夫の一塁ゴロを川上が本塁封殺を狙うもセーフ(記録は野選)。飯田の犠牲フライ、堀井の遊撃ゴロ併殺崩れでさらに2点を追加、4-1と南海がリードを広げた。巨人は江藤から9安打を奪ったが初回の1点以外奪えなかった。
公式記録関係(日本野球機構ページ)
第6戦
編集10月18日 後楽園球場 入場者数:34595人
南海 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | X | 3 |
(南) | ●柚木(1勝1敗)、中原、中谷 - 筒井、松井 |
(巨) | 藤本、○別所(3勝) - 広田 |
本塁打 | |
(南) | 森下 1号(1回2点藤本) |
[審判]パ二出川(球)セ津田、パ横沢、セ筒井(塁)パ苅田、セ杉村(外)
再び舞台は後楽園球場。初回、森下整鎮の2ランで南海が先制。巨人は南海先発・柚木に対して、5回一死から藤本の二塁打、与那嶺が四球のあと、千葉の右中間を破る2点タイムリー二塁打で同点とした。続く6回、ヒットの川上が送りバントと内野ゴロで三塁へ。打者広田という場面で柚木の暴投で、巨人が拾いものの勝ち越し点を挙げた。6回から藤本をリリーフした別所が南海打線を封じ、巨人が2年連続の日本一となった。
公式記録関係(日本野球機構ページ)
表彰選手
編集- 最高殊勲選手 別所毅彦(巨人)
- 最高打撃賞 与那嶺要(巨人)
- ホームラン王賞 川上哲治(巨人)
ラジオ中継
編集この年から、在京の民放ラジオ局(当時はラジオ東京のみ)での実況も行われるようになった。
- 第1戦:10月11日
- 第2戦:10月12日
- NHKラジオ第2
- ラジオ東京
- 朝日放送
- 新日本放送
- 第3戦:10月14日
- 第4戦:10月15日
- NHKラジオ第2
- 朝日放送・ラジオ東京
- 新日本放送 解説:中澤不二雄
- 第5戦:10月16日
- NHKラジオ第2
- 朝日放送・ラジオ東京
- 新日本放送 解説:中澤不二雄
- 第6戦:10月18日
- NHKラジオ第2
- ラジオ東京
- 朝日放送
- 新日本放送 実況:梅沢二三男
※朝日放送が制作した中継放送は、第1・2・6戦は中部日本放送・ラジオ九州・信越放送・神戸放送を結んで、第3・4・5戦は左記に加えラジオ東京・四国放送・北日本放送も結んで放送された。
※ラジオ東京が制作した第6戦の中継の一部が、TBSラジオのアーカイブに保存されている最古のプロ野球の音源として2023年10月27日の「金曜ワイドラジオTOKYO えんがわ」で放送された。