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'''西浦温泉'''(にしうらおんせん)は、[[愛知県]][[蒲郡市]][[西浦町 (蒲郡市)|西浦町]]にある[[温泉地]]。[[1953年]]([[昭和]]28年)、[[三河湾]]へ突出した西浦半島に開湯した。[[三谷温泉]]や[[形原温泉]]とともに蒲郡温泉郷を形成している。
== アクセス ==
* 鉄道 : [[東海道本線]][[蒲郡駅]]から[[バス (交通機関)|バス]]、または[[名鉄蒲郡線]][[西浦駅]]下車、徒歩20分またはバス。


== 泉質 ==
== 泉質 ==
* [[単純温泉|アルカリ性単純温泉]] - 西浦温泉が枯渇したため、[[三谷温泉]]からタンクローリーで輸送。
* 単純緑礬泉(温度が低いために浴用加熱)
* 枯渇前の西浦温泉 - 温度26&nbsp;℃のナトリウム・カルシウム - 塩化物温泉であった。


== 温泉街 ==
== 地理 ==
[[三河湾]]に突出した西浦半島の先端に開発された温泉地であり、半島の南斜面や高台に温泉街が形成されている<ref name="角川日本地名大辞典">「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 23 愛知県』角川書店、1989年、p.992</ref>。周辺では白砂の海岸が見られ<ref name="Yamamura_47_h_p181">山村 順次 『47都道府県・温泉百科』 p.181 丸善出版 2015年12月30日発行 ISBN 978-4-621-08996-5</ref>、付近は海水浴場としても開放されている。典型的な行楽温泉であるため[[熱海温泉]]になぞらえて「東海の熱海」の異名を持つ。ただし、歓楽的要素は薄い。温泉街への交通アクセスは悪くなく、旅行やレジャー等の観光拠点として利用されてきた。
三河湾から突出した西浦半島一帯に湧出し、各[[旅館]]からの眺望に優れる。典型的な行楽温泉(ただし、歓楽的要素は薄い)であることから、東海の[[熱海温泉|熱海]]の異名を持つ。


春季や夏季の行楽シーズン、年末年始の利用客が多く、[[1989年]]([[平成]]元年)時点では約7割が愛知県外からの利用客だった<ref name="角川日本地名大辞典"/>。[[2015年]](平成27年)時点では愛知県内の新興温泉施設に押されており<ref>山村 順次 『47都道府県・温泉百科』 p.180 丸善出版 2015年12月30日発行 ISBN 978-4-621-08996-5</ref>、[[インバウンド]]需要の取り込みに注力している。
[[西浦半島]]の中心部、特に眺望の優れた高台や海岸に中~大規模な観光ホテルが林立。温泉街へのアクセスは悪くなく、また宿泊価格のお手頃感から、団体旅行やレジャー等の観光拠点として重宝されている。


== 歴史 ==
== 歴史 ==
古くから西浦半島一帯は[[歌垣]]として利用された場所であり、[[1887年]]([[明治]]20年)頃には周辺で潮湯治が始まった<ref name="角川日本地名大辞典"/>。
西浦半島一帯は古くは万葉の地として歌垣にも選ばれており、万葉の小径などが観光資源として一役買っているが、温泉の歴史は新しく[[1953年]]の開湯。

[[1953年]](昭和28年)に西浦温泉が開湯し<ref name="Yamamura_47_h_p181">山村 順次 『47都道府県・温泉百科』 p.181 丸善出版 2015年12月30日発行 ISBN 978-4-621-08996-5</ref>、[[1954年]](昭和29年)8月12日に湯元西浦温泉株式会社が設立されたことで西浦温泉が営業を開始した。[[1960年]](昭和35年)頃からは近畿地方・[[名古屋市]]・[[岡崎市]]などの外部資本が入って宿泊施設が増えるとともに、宿泊施設の大型化・高級化が進んだ<ref name="角川日本地名大辞典"/>。[[1971年]](昭和46年)公開の映画『[[黒の斜面]]』では、東海園ホテルなどが撮影に使用された。

[[1989年]](平成元年)時点では17軒のホテルや旅館があった<ref name="角川日本地名大辞典"/>。その後は温泉の温度低下や湧出量減少に悩んでいたが、[[1998年]](平成10年)には同じく蒲郡市の[[形原温泉]]などと共同で蒲郡温泉開発共同組合を設立し、同じく蒲郡市の[[三谷温泉]]に新源泉の三谷3号泉を採掘した。以後は三谷3号線をタンクローリーで西浦温泉に輸送し、循環加温を行って施設に供給している。

[[2006年]](平成18年)には西浦温泉開湯50周年を記念し、恵比須橋、大黒坂、毘沙門坂、弁天坂、布袋坂、寿老通り、福禄通りの7か所に七福神像が置かれた。[[2007年]](平成19年)6月9日には西浦温泉の北東約1.5kmの場所にサーキットの[[スパ西浦モーターパーク]]がオープンした。[[2008年]](平成20年)10月31日にはホテルたつきとたつき別館葵を経営するたつき荘が[[名古屋地方裁判所]]へ民事再生手続きを申請して受理された。[[2013年]](平成25年)5月7日には南風荘 海花が火災で全焼した。<!-- [[2020年]]([[令和]]2年)1月1日 - ホテル東海園にて集団食中毒が発生。16人搬送。-->

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== 宿泊施設 ==
=== 営業中の施設 ===
* 姫宿 花かざし
** 愛知県蒲郡市西浦町大山17-1。女子限定旅館。
* 西浦グランドホテル 吉慶
** 愛知県蒲郡市西浦町塩柄3。
* 旬景浪漫 銀波荘
** 愛知県蒲郡市西浦町大山25。
* 天空海遊の宿 末広
** 愛知県蒲郡市西浦町大山17。
* ホテルたつき
** 愛知県蒲郡市西浦町大山25。
* ホテル東海園
** 愛知県蒲郡市西浦町大山17-1。
* 和のリゾートはづ
** 愛知県蒲郡市西浦町大山17。

=== 過去に存在した施設 ===
* 野島苑
** 愛知県蒲郡市西浦町大山11。[[1999年]](平成11年)に廃業。廃墟化。
* 淀旅館
** 愛知県蒲郡市西浦町大山。廃業後相当年数が経っており、廃墟化。
* 南風荘 海花
** 愛知県蒲郡市西浦町大山17-1。[[2013年]](平成25年)5月に従業員の火の不始末により全焼し、再建されずに廃業。
* 冨士見荘
** 愛知県蒲郡市西浦町大山17-1。[[1956年]](昭和31年)2月創業<ref name="tjnet"/><ref name="m&a"/>。ピーク時の[[2005年]](平成17年)12月期には売上高約5億5000万円<ref name="tjnet"/><ref name="m&a"/>。[[2013年]](平成25年)8月に経営の行き詰まりが表面化し、[[インバウンド]]需要の取り込みに注力して営業を続けていたものの、[[2019年コロナウイルス感染症による社会・経済的影響|新型コロナウイルス感染症の流行]]下の[[2020年]](令和2年)2月に破産申請して廃業<ref name="tjnet"/><ref name="m&a"/>。
* ビジネス旅館 葵 aoi
**愛知県蒲郡市西浦町大山17-1。嘗ての「たつき荘 別館葵」。2008年のたつき荘倒産後は「旅館葵」として知多市の海栄RYOKANSに引き継がれた。「ビジネス旅館 葵 aoi」に名称変更した後、2016年3月3日、「姫宿 花かざし」としてリニューアルオープンし、「葵」としては事実上の廃業。

※その他、現在の和のリゾートはづの隣、西浦観光協会の横にかなり昔から廃墟となっているホテル跡地と思われる建物がある。1階部分のみ「三河湾シーカヤックスクールRAINBOW」として使用されており、2023年現在で2階から上は完全に蔦に覆われている。

== アクセス ==
; 鉄道
* [[東海旅客鉄道|JR]][[東海道線 (名古屋地区)|東海道本線]] [[蒲郡駅]]から[[バス (交通機関)|バス]]、または[[名古屋鉄道|名鉄]][[名鉄蒲郡線|蒲郡線]] [[西浦駅]]下車、徒歩で約20分またはバス。

; バス
* [[名鉄バス東部|名鉄バス]]:西浦温泉前行に乗車、終点下車。平日30分~1時間間隔、土休1時間間隔で運行されている。

; 自家用車
* [[東名高速道路]] [[音羽蒲郡インターチェンジ|音羽蒲郡I.C.]]より[[音羽蒲郡道路]](三河湾オレンジロード)、[[国道247号]]を経由。


== 関連項目 ==
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{ウィキポータルリンク|温泉}}
{{Reflist}}
*[[温泉]]、[[温泉街]]、[[外湯]]、[[温泉番付]]
*[[日本の温泉地一覧]] - [[日本の温泉画像一覧]]
*[[スパ西浦モーターパーク]]


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
* [http://www.nishiuraonsen.com/ 西浦温泉旅館観光組合]
* [http://www.nishiuraonsen.com/ 公式サイト]


[[Category:愛知県の温泉|にしうらおんせん]]
{{DEFAULTSORT:にしうらおんせん}}
[[Category:愛知県の温泉]]
[[category:蒲郡市|にしうらおんせん]]
[[category:蒲郡市の地理]]

2023年11月6日 (月) 17:04時点における最新版

西浦温泉
西浦温泉
温泉情報
所在地 愛知県蒲郡市西浦町
座標 北緯34度46分01.96秒 東経137度10分19.62秒 / 北緯34.7672111度 東経137.1721167度 / 34.7672111; 137.1721167座標: 北緯34度46分01.96秒 東経137度10分19.62秒 / 北緯34.7672111度 東経137.1721167度 / 34.7672111; 137.1721167
交通 名鉄バス
「西浦温泉前」バス停
泉温(摂氏 アルカリ性単純温泉
宿泊施設数 7軒
外部リンク 西浦温泉
テンプレートを表示
温泉街
温泉街にある西浦園地
西浦園地展望台

西浦温泉(にしうらおんせん)は、愛知県蒲郡市西浦町にある温泉地1953年昭和28年)、三河湾へ突出した西浦半島に開湯した。三谷温泉形原温泉とともに蒲郡温泉郷を形成している。

泉質

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  • アルカリ性単純温泉 - 西浦温泉が枯渇したため、三谷温泉からタンクローリーで輸送。
  • 枯渇前の西浦温泉 - 温度26 ℃のナトリウム・カルシウム - 塩化物温泉であった。

地理

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三河湾に突出した西浦半島の先端に開発された温泉地であり、半島の南斜面や高台に温泉街が形成されている[1]。周辺では白砂の海岸が見られ[2]、付近は海水浴場としても開放されている。典型的な行楽温泉であるため熱海温泉になぞらえて「東海の熱海」の異名を持つ。ただし、歓楽的要素は薄い。温泉街への交通アクセスは悪くなく、旅行やレジャー等の観光拠点として利用されてきた。

春季や夏季の行楽シーズン、年末年始の利用客が多く、1989年平成元年)時点では約7割が愛知県外からの利用客だった[1]2015年(平成27年)時点では愛知県内の新興温泉施設に押されており[3]インバウンド需要の取り込みに注力している。

歴史

[編集]

古くから西浦半島一帯は歌垣として利用された場所であり、1887年明治20年)頃には周辺で潮湯治が始まった[1]

1953年(昭和28年)に西浦温泉が開湯し[2]1954年(昭和29年)8月12日に湯元西浦温泉株式会社が設立されたことで西浦温泉が営業を開始した。1960年(昭和35年)頃からは近畿地方・名古屋市岡崎市などの外部資本が入って宿泊施設が増えるとともに、宿泊施設の大型化・高級化が進んだ[1]1971年(昭和46年)公開の映画『黒の斜面』では、東海園ホテルなどが撮影に使用された。

1989年(平成元年)時点では17軒のホテルや旅館があった[1]。その後は温泉の温度低下や湧出量減少に悩んでいたが、1998年(平成10年)には同じく蒲郡市の形原温泉などと共同で蒲郡温泉開発共同組合を設立し、同じく蒲郡市の三谷温泉に新源泉の三谷3号泉を採掘した。以後は三谷3号線をタンクローリーで西浦温泉に輸送し、循環加温を行って施設に供給している。

2006年(平成18年)には西浦温泉開湯50周年を記念し、恵比須橋、大黒坂、毘沙門坂、弁天坂、布袋坂、寿老通り、福禄通りの7か所に七福神像が置かれた。2007年(平成19年)6月9日には西浦温泉の北東約1.5kmの場所にサーキットのスパ西浦モーターパークがオープンした。2008年(平成20年)10月31日にはホテルたつきとたつき別館葵を経営するたつき荘が名古屋地方裁判所へ民事再生手続きを申請して受理された。2013年(平成25年)5月7日には南風荘 海花が火災で全焼した。

2020年令和2年)2月21日、旅館「冨士見荘」が名古屋地方裁判所豊橋支部へ破産を申請した。破産総額は約24億円。新型コロナウイルス感染症の流行による中国人観光客の減少が理由である。新型コロナウイルス感染症の流行による日本初の経営破綻の事例とされる[4][5]

宿泊施設

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営業中の施設

[編集]
  • 姫宿 花かざし
    • 愛知県蒲郡市西浦町大山17-1。女子限定旅館。
  • 西浦グランドホテル 吉慶
    • 愛知県蒲郡市西浦町塩柄3。
  • 旬景浪漫 銀波荘
    • 愛知県蒲郡市西浦町大山25。
  • 天空海遊の宿 末広
    • 愛知県蒲郡市西浦町大山17。
  • ホテルたつき
    • 愛知県蒲郡市西浦町大山25。
  • ホテル東海園
    • 愛知県蒲郡市西浦町大山17-1。
  • 和のリゾートはづ
    • 愛知県蒲郡市西浦町大山17。

過去に存在した施設

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  • 野島苑
    • 愛知県蒲郡市西浦町大山11。1999年(平成11年)に廃業。廃墟化。
  • 淀旅館
    • 愛知県蒲郡市西浦町大山。廃業後相当年数が経っており、廃墟化。
  • 南風荘 海花
    • 愛知県蒲郡市西浦町大山17-1。2013年(平成25年)5月に従業員の火の不始末により全焼し、再建されずに廃業。
  • 冨士見荘
  • ビジネス旅館 葵 aoi
    • 愛知県蒲郡市西浦町大山17-1。嘗ての「たつき荘 別館葵」。2008年のたつき荘倒産後は「旅館葵」として知多市の海栄RYOKANSに引き継がれた。「ビジネス旅館 葵 aoi」に名称変更した後、2016年3月3日、「姫宿 花かざし」としてリニューアルオープンし、「葵」としては事実上の廃業。

※その他、現在の和のリゾートはづの隣、西浦観光協会の横にかなり昔から廃墟となっているホテル跡地と思われる建物がある。1階部分のみ「三河湾シーカヤックスクールRAINBOW」として使用されており、2023年現在で2階から上は完全に蔦に覆われている。

アクセス

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鉄道
バス
  • 名鉄バス:西浦温泉前行に乗車、終点下車。平日30分~1時間間隔、土休1時間間隔で運行されている。
自家用車

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d e 「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 23 愛知県』角川書店、1989年、p.992
  2. ^ a b 山村 順次 『47都道府県・温泉百科』 p.181 丸善出版 2015年12月30日発行 ISBN 978-4-621-08996-5
  3. ^ 山村 順次 『47都道府県・温泉百科』 p.180 丸善出版 2015年12月30日発行 ISBN 978-4-621-08996-5
  4. ^ a b c d 蒲郡の冨士見荘が破産申請 新型肺炎で初 先の見通し立たず トラベルジャーナルオンライン、2020年3月2日
  5. ^ a b c d 西浦温泉・冨士見荘「新型コロナウイルス」による初の経営破綻 M&A Online、2020年2月29日

外部リンク

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