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加藤憲一

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
加藤 憲一
かとう けんいち
2023年11月小田原市内
生年月日 (1964-05-11) 1964年5月11日(60歳)
出生地 日本の旗 神奈川県小田原市
出身校 京都大学法学部
前職 会社経営者
所属政党 無所属
公式サイト 加藤けんいちオフィシャルサイト

当選回数 4回
在任期間 2008年5月24日 - 2020年5月23日
2024年5月24日 - 現職
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加藤 憲一(かとう けんいち、1964年昭和39年〉5月11日[1] - )は、日本政治家神奈川県小田原市長(4期)。

来歴

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神奈川県小田原市出身。

0才で父親を、中学二年で母親を、共に病気で亡くしている。

私立小田原愛児園卒園。小田原市立芦子小学校、小田原市立城山中学校、神奈川県立小田原高等学校卒業。

1988年(昭和63年)3月、京都大学法学部卒業(ゼミは比較政治学[2])。同年、経営戦略コンサルティング会社に就職。1996年(平成8年)、自給自足を目指して独立。小田原市内にて林業、漁業、農業などを手がける[2]

2004年(平成16年)5月16日執行の小田原市選挙に無所属で立候補するも、現職の小澤良明に敗れ、落選。

2008年(平成20年)5月18日執行の小田原市長選挙に無所属で立候補し、城下町ホール(現在建築中の市民ホール)の計画変更を訴えて初当選[3]。投票率は53.93%。2012年(平成24年)5月の選挙で2期目の当選を果たす。投票率は41.87%。

2016年(平成28年)の小田原市長選挙では対立候補が現れず、無投票で3期目の当選を果たした。小田原市長選の無投票は59年ぶりであった[4]

2020年(令和2年)5月17日執行の小田原市長選へ4選を目指して、労働組合の小田原・足柄地域連合から推薦を受け立候補したが[5][6]したが、自民党推薦の元県議の守屋輝彦に544票差で敗れ、落選した[7][8]

※当日有権者数:159,323人 最終投票率:46.79%(前回比:+4.92pts)

候補者名年齢所属党派新旧別得票数得票率推薦・支持
守屋輝彦53無所属37,245票50.37%(推薦)自由民主党
加藤憲一56無所属36,701票49.63%

2023年(令和5年)11月18日、小田原駅東口付近の北條ポケットパークで、2024年5月19日執行の小田原市長選挙に無所属で立候補することを宣言した。約300人の聴衆の前で、「市政をまっとうな方向に戻す」などと述べた[9]。同選挙には現職の守屋輝彦市長も出馬を表明[10]

2024年(令和6年)5月19日投票の小田原市長選挙では、自由民主党、日本維新の会国民民主党連合神奈川、小田原・足柄地域連合の推薦を得た現職の守屋らを大差で破り、4年ぶりに市長に復帰した[11]

※当日有権者数:157,448人 最終投票率:48.17%(前回比:増加1.38pts)

候補者名年齢所属党派新旧別得票数得票率推薦・支持
加藤憲一60無所属46,038票61.22%
守屋輝彦57無所属25,528票33.95%(推薦)自由民主党、日本維新の会国民民主党連合神奈川
古川透64無所属3,630票4.83%

市政

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全国に先駆ける未来の構想に関する市政

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「SDGs未来都市」と「自治体SDGsモデル事業」

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  • 小田原市は、加藤市政の下取り組んできた「持続可能な地域社会」が評価され、令和元年7月1日(月)にSDGs未来都市及び自治体SDGsモデル事業の両方に選定された[12][13]
  • 具体的に小田原市では、恵まれた自然環境、地勢条件、歴史的に育まれてきた技や人、地域の絆などの社会的資源を強みとし、「おだわら市民学校」によるひとづくりやつながりの強化を中核に、ポイント循環による「つながりの見える化」、Society5.0の実証研究を通じて、「いのちを守り育てる地域自給圏」を創造し、豊かで、安全で、持続可能な暮らしを実現してきた[14]

「地域循環共生圏」モデル都市の認定

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  • 「地域循環共生圏」とは、各地域がそれぞれの地域資源を最大限活用しながら自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合うことにより、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す考え方である[15][16]
  • 全国から応募のあった66件の提案のうち、加藤市政下の小田原市を含む35団体が本事業の活動団体として選定された[15]

人々のいのちや安全に関係する市政

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おだわら総合医療福祉会館の建設

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  • 2014年4月1日におだわら総合医療福祉会館が開館された[17]。館内は小田原医師会の他、社会福祉協議会、看護学校などが同居している。市役所や市立病院とも隣接することから、市民にとって利便性の高い医療施設となった[18]

「ケアタウン構想」

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  • 2010年の小田原市の「ケアタウン構想」は高齢者、障がい者、子育て家庭など支援を必要としている方々を、制度な枠組みを越えて、市民、事業者、行政等が一体となって支える仕組みづくりである。国の事業である地域包括ケアシステムのように高齢者に限定せず、「子育て家庭」や「障がい者」を含めている点において先駆性がある[19]
  • 全市画一的に推進するのではなく、地域の実情に応じて、裁量的に計画を推進していた[20]

地域包括支援センターを12ヶ所に拡大

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  • 2017年4月に、各地(新玉、山王網一色、足柄、富水、桜井、豊川、上府中)の需要に応えるために4ヶ所増やし12ヶ所となった[21]

市民病院再整備の基本計画策定

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  • 2018年仕事始めのあいさつの中で、小田原市立病院建て替え事業について、その方針を明確にする考えを示した[22]。その後、2018年12月7日、新病院の2025年度までの開院を目指すとした市立病院再整備基本構想を公表し、建設場所は同市久野の現病院敷地での建て替えをまず検討し、来年前半にも決定する方針としたが[23]、2021年1月の厚生文教常任委員会では想定に留まり、決定には至っていない[24]
  • また、市民病院建替えについては、基本計画がないまま、多額の事業を進めることになるとの批判がある[25]

すべての小中学校にエアコンを設置

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  • 2018年夏の記録的猛暑を受け、加藤憲一元市長は2018年8月末にエアコン導入を決定。公募型プロポーザル方式により「アソー熱工業・山室電機共同企業体」と12月に請負契約を結び、暑さが本格化する7月前までに全校で冷房が稼働できるよう、工事を進めた[26]
  • 2019年6月に全36校669室の設置工事が完了し、冷房運転ができる体制が整った[26]

住民の自治に関係する市政

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自治基本条例の制定

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  • 2011年3月に「小田原市自治基本条例」が制定された[27]。この条例によって、小田原市の「市民が、生き生きと暮らし続けることのできるまちの実現」という目標が明確化された[28]

市民ホールの建設

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  • 2008年の市長就任以降、城下町ホールから転換し駅前の市民ホール整備を訴えてきた。しかし市民ホールを整備する際、実施設計図書に基づき、施設を整備することができなかった。そのため、数回に渡って、予算等の修正を行うことになった。市は当初、市は2017年度当初予算案にホール整備事業として3667万円を計上。また3月定例会に、ホール整備に必要な経費に充てる基金を設置するための条例案を提出、16年度一般会計補正予算案に基金に積み立てる10億円を計上することになった[29]。また、当初のオープン時期は、2017年秋であったが、2021年秋まで変更になった[30][31]。これは基本構想の段階から延べ約3千人という多くの市民の声を反映させたためだった[32]
  • 2019年12月小田原市定例議会で杉山三郎議員は、約35億円の損失と述べている[33]。しかし、この金額の多くは用地取得費や文化財調査費など、計画の見直し後の工事でも確実にかかる経費が大半を占めているため正確ではない[34]。実際に経費は城下町ホールの基本設計・実施設計費は約1億6千万円、芸術文化創造センターは約2億円にすぎず、35億円という間違った数字が一人歩きしている[35]

財政の健全化

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  • 任期中に、1500億円の借金を約400億円削減[36]
  • 任期中に、小田原市の貯金は40億円以上積み増された[37]

その他

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  • 2019年4月1日、LGBTなど性的少数者のカップルが婚姻に相当する関係にあると認める「パートナーシップ宣誓制度」を開始した[38]
  • 「おだぼし認定制度」(仮称)をスタートした[39]
    • 女性が活躍する環境整備などへの取り組み状況が優良な企業を認定する国の「えるぼし認定」の地方版。一つ星は「意識の向上」、二つ星は「積極的な取り組み」、三つ星は「計画の策定」をコンセプトに内容を整備する方針である。
    • 市は制度を浸透させることで、「企業の活気につながるような好循環が生まれれば」としている。

人物・エピソード

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日本共産党支持団体へのメッセージ
2009年5月、加藤が市長時代に日本共産党を支持する政治運動団体である「革新懇」の地域支部の総会にメッセージを送ったことが日本共産党の機関紙であるしんぶん赤旗にて紹介されている[40]
小田原革新懇主催の加藤講演会
小田原革新懇主催で「「育てる」日々からの眺め~市長退任後の活動・地域の未来~」というタイトルで加藤の講演会が開催された。講演会の告知ではカンパも募っている。小田原革新懇のウェブサイト上では、「小田原が恥ずかしい」というタイトルとともに、加藤がFacebookで「市内の子どもたちが「小田原が恥ずかしい」と言っていた」という発言が紹介された[41]
神奈川土建一般労働組合西相支部と政策協定
2024年1月、加藤は神奈川土建一般労働組合西相支部と政策協定を締結[42]。神奈川土建一般労働組合には有志による「日本共産党後援会」があり、神奈川県内に約240もの地域分会があると日本共産党所属の元衆議院議員が自身のHPで説明している[43]

脚注

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  1. ^ 『全国歴代知事・市長総覧』日外アソシエーツ、2022年、155頁。
  2. ^ a b 加藤けんいちとは前小田原市長 加藤憲一(加藤けんいち)
  3. ^ 加藤憲一ニュースレター
  4. ^ 神奈川・小田原市長選、加藤氏が無投票3選 産経新聞
  5. ^ 5月17日投開票、小田原市長選挙には現職の「加藤けんいち」氏へのご支援を!
  6. ^ 小田原市長選 事前説明会に2陣営加藤氏、守屋氏 一騎打ちか-タウンニュース
  7. ^ “小田原市長選、一騎打ちの公算大 告示まで1カ月”. 神奈川新聞. (2020年4月10日). https://www.kanaloco.jp/article/entry-324904.html 2020年4月10日閲覧。 
  8. ^ “小田原市長選、新人守屋氏が初当選 現職加藤氏の4選阻む”. 神奈川新聞. (2020年5月17日). https://www.kanaloco.jp/article/entry-356685.html 2020年5月18日閲覧。 
  9. ^ 加藤憲一前市長、出馬を正式表明「市政をまっとうな方向に戻す」 神奈川新聞
  10. ^ 現職・守屋輝彦氏が再選目指し出馬を表明 「小田原の成長けん引したい」 小田原市長選”. カナロコ by 神奈川新聞. 2024年5月6日閲覧。
  11. ^ 清水敬久 (2024年5月19日). “小田原市長選、自民系現職の再選阻む 前職の加藤憲一氏が返り咲き”. 朝日新聞. 2024年5月26日閲覧。
  12. ^ 小田原市 | 小田原市SDGs未来都市計画について”. 小田原市. 2024年5月7日閲覧。
  13. ^ 小田原市 | SDGs(持続可能な開発目標)への取組”. 小田原市. 2024年5月7日閲覧。
  14. ^ SDGs未来都市 全選定都市の取り組みを紹介!【2018〜2019年度】|講談社SDGs by C-station”. 講談社SDGs by C-station. 2024年5月7日閲覧。
  15. ^ a b 小田原市の地域循環共生圏の構築に向けた取組”. 小田原市. 2024年8月24日閲覧。
  16. ^ 小田原市の地域循環共生圏の実現に向けて ~第一弾~”. 小田原市. 2024年8月24日閲覧。
  17. ^ おだわら総合医療福祉会館 地域医療を支える中心に 2月27日 内覧会開催 | 小田原・箱根・湯河原・真鶴”. タウンニュース (2014年2月22日). 2024年5月7日閲覧。
  18. ^ 新春特別インタビュー 特集 医療・介護 身近な「かかりつけ医」こそ総合診療医 (一社)小田原医師会・横田俊一郎会長 | 小田原・箱根・湯河原・真鶴”. タウンニュース (2014年1月1日). 2024年5月7日閲覧。
  19. ^ 参考:ケアタウンおだわら推進事業”. 厚生労働省. 2024年5月7日閲覧。
  20. ^ 小田原市地域福祉計画・ 地域福祉活動計画”. 小田原市、社会福祉法人小田原市社会福祉協議会. 2024年5月7日閲覧。
  21. ^ 小田原市 | 広報小田原アーカイブ(平成29年5月1日発行)”. 小田原市. 2024年5月7日閲覧。
  22. ^ 小田原市 市立病院建て替えに言及|建設ニュース 入札情報、落札情報、建設会社の情報は建通新聞社”. 建通新聞. 2020年5月9日閲覧。
  23. ^ 小田原新市立病院、2025年度までに開院:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2020年5月9日閲覧。
  24. ^ 会議録表示”. ssp.kaigiroku.net. 2020年5月9日閲覧。
  25. ^ 小田原市立病院 再整備を考える 意見広告 200億超の費用に市民説明なしこのまま建て替えを進めますか? 小田原の未来をつくる会 未来会議から 小田原未来会議 | 小田原・箱根・湯河原・真鶴”. タウンニュース (2020年3月28日). 2020年5月9日閲覧。
  26. ^ a b 小田原市小・中学校 盛夏前に冷房稼働 全校の普通教室に設置 | 小田原・箱根・湯河原・真鶴”. タウンニュース (2019年7月6日). 2024年8月24日閲覧。
  27. ^ 「小田原市自治基本条例」が制定されました”. 小田原市. 2024年5月7日閲覧。
  28. ^ 自治基本条例について”. 小田原市. 2024年5月7日閲覧。
  29. ^ 小田原市長、3カ月減給へ 市民ホール整備「けじめ」”. 2020年1月31日閲覧。
  30. ^ 「市民ホール」へ転換 芸術文化創造センター 小田原市が整備方針 | 話題 | カナロコ by 神奈川新聞”. カナロコ. 2020年1月31日閲覧。
  31. ^ 市民ホール 説明会と現地見学会 3月30日 | 小田原・箱根・湯河原・真鶴”. タウンニュース (2019年3月9日). 2020年1月31日閲覧。
  32. ^ 2億円の実施設計白紙に 小田原市、市民ホール建設費減額で |”. カナロコ by 神奈川新聞. 2024年5月8日閲覧。
  33. ^ “神静民報 水脈”. (2020年2月13日) 
  34. ^ 市民ホール整備方針に係る市民説明会”. 小田原市. 2024年5月8日閲覧。
  35. ^ 2億円の実施設計白紙に 小田原市、市民ホール建設費減額で |”. カナロコ by 神奈川新聞. 2024年5月8日閲覧。
  36. ^ 小田原市 | 決算”. 小田原市. 2024年5月8日閲覧。
  37. ^ 小田原市 | 財政指標等の推移”. 小田原市. 2024年5月8日閲覧。
  38. ^ “パートナーシップ制度、小田原市が4月導入 県内2例目”. 神奈川新聞. (2019年2月22日). https://www.kanaloco.jp/article/entry-151348.html 2019年4月1日閲覧。 
  39. ^ 女性活躍へ企業認定 「おだぼし認定制度」 小田原市 | 政治行政 | カナロコ by 神奈川新聞”. カナロコ. 2020年3月18日閲覧。
  40. ^ 列島だより/革新懇 今熱い”. www.jcp.or.jp. 2024年6月5日閲覧。
  41. ^ 小田原革新懇”. sprinkle.starfree.jp. 2024年6月5日閲覧。
  42. ^ 『政策協定…埼玉に向かってます…』”. おやまだやまと公式ブログ『推譲(すいじょう)』. 2024年6月5日閲覧。
  43. ^ 「政治の仕組みが良くわかった」 神奈川土建後援会で「はたのさん囲むつどい」”. 日本共産党 南関東ブロック比例予定候補 はたの君枝. 2024年6月5日閲覧。

外部リンク

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