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羅臼岳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
羅臼岳
北西、岩尾別沖のオホーツク海から望む山体
標高 1,661[1] m
所在地 日本の旗 日本
北海道目梨郡羅臼町斜里郡斜里町
位置 北緯44度04分33秒 東経145度07分20秒 / 北緯44.07583度 東経145.12222度 / 44.07583; 145.12222座標: 北緯44度04分33秒 東経145度07分20秒 / 北緯44.07583度 東経145.12222度 / 44.07583; 145.12222[2]
山系 知床半島
種類 成層火山(活火山ランクB)
羅臼岳の位置(日本内)
羅臼岳
羅臼岳の位置
プロジェクト 山
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羅臼岳(らうすだけ)は、北海道知床半島にある火山群の主峰及び最高峰で標高1,661m[1][注釈 1]。1964年(昭和39年)6月1日に知床国立公園に指定され[3]2005年7月にこの山域を含む知床半島が知床 (世界遺産)に正式登録された。深田久弥による日本百名山に掲載されており[4]新・花の百名山[5]に選定されている山である。

概要

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羅臼・知床硫黄火山群の地形図。羅臼岳は左下端。

標高は1995年に国土地理院の調査で1,661mに改定されたが、より正確に測定できるGPS調査により、2008年5月1日に1,660m (1,660.36m) に改定[6]。しかし、GNSS測量等の点検・補正調査の結果、2014年4月1日の『日本の山岳標高一覧-1003山-』で1,661mに再び改訂された[1]

流紋岩質〜安山岩質の溶岩による活動は成層火山を形成したものの、最終的に山頂付近は溶岩円頂丘を形成させているほか、年月を経て地すべり・崩壊地形が多数形成されている[7]。約500年前まで火山活動を続けていた活火山であり、1964年には山麓の羅臼町で100回を超える群発地震間欠泉の噴出を観測している[8]

羅臼八景の一つ[9]。1965年(昭和40年)に、『羅臼湖畔から仰ぐ羅臼岳』の知床国立公園の10円切手が発売された[10]

名称について

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アイヌ語名ではチャチャヌㇷ゚リ (chacha-nupri) と呼ばれる。これは「親爺・山」の意で、アイヌ語研究者の山田秀三は「知床半島の最高峰なのでそう呼ばれたのだろうか」としている[11]

知床富士とも呼ばれている[12]。また、漢字表記については良牛岳と記されたこともある。

噴火活動

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1990年代に知床硫黄山の噴火史調査が行われた際に、最近の2000年間で複数回の活動が確認され1996年に活火山として指定された[13]が、19世紀末以降の噴火活動と1996年以降の噴気活動は認められない[8]。山頂付近に存在する溶岩流や溶岩ドームには新鮮な地形が残っており[8]3つの時期に形成された可能性が指摘されている[8]

最近の2300年間では、2200〜2300年前、1400〜1600年前、500〜700年前の3時期に火山活動が活発であった[13][14]

  • 2200〜2300年前の活動 比較的規模の大きな噴火が発生し、降下テフラや火砕流が噴出。
  • 1400〜1600年前の活動 プリニー式噴火による降下テフラと火砕流。
  • 500〜700年前の活動 降下テフラや火砕流。

登山

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岩尾別温泉付近の登山口にある木下小屋

登山ルート

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登山口は、羅臼町からは羅臼温泉付近から、斜里町からは岩尾別温泉付近から登山道が整備されている。所要時間は後者の方が短い。知床五湖には遊歩道があり、その山容を望むことができる。登山ルートは傾斜がきつく岩質がもろい状態で、厳しい気象条件下にある。また、ヒグマが頻繁に出没するエリアである。

周辺の山小屋

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山容

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脚注

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注釈

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  1. ^ GNSS測量等の点検・補正調査による2014年4月1日の国土地理院『日本の山岳標高一覧-1003山-』における改定値。なお、旧版での標高は1,660m。

出典

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  1. ^ a b c “標高値を改定する山岳一覧 資料1”. 国土地理院. https://www.gsi.go.jp/common/000091072.pdf 2014年3月26日閲覧。 
  2. ^ 日本の主な山岳標高:北海道国土地理院、2010年12月28日閲覧)
  3. ^ 知床国立公園環境省、2010年11月30日閲覧)
  4. ^ 深田久弥『日本百名山』朝日新聞社、1982年。ISBN 4-02-260871-4 
  5. ^ 田中澄江『新・花の百名山』(文春文庫、ISBN 4-16-731304-9
  6. ^ 報道発表資料「北海道全域の三角点標高を改定(2008年3月3日)」(国土地理院、2011年1月1日閲覧)
  7. ^ 伊藤陽司、北海道東部, 知床半島におけるランドスライド地形の特徴と最近の斜面災害 地すべり 1996年 33巻 3号 p.32-41_1, doi:10.3313/jls1964.33.3_32
  8. ^ a b c d 羅臼岳 気象庁
  9. ^ 羅臼八景〜道の始まりを目指せ!ルート”. 北海道根室振興局. 2019年12月29日閲覧。
  10. ^ 『切手と風景印でたどる百名山』ふくろう舎、2007年、ISBN 978-4-89806-276-0
  11. ^ 山田秀三『北海道の地名』(2版)草風館、浦安市〈アイヌ語地名の研究 別巻〉、2018年11月30日、228-229頁。ISBN 978-4-88323-114-0 
  12. ^ 『ふるさとの富士200名山』東方出版、1996年、ISBN 978-4-885-91499-7
  13. ^ a b 宮地直道、中川光弘、吉田真理夫、"羅臼岳火山における最近2200年間の噴火史" 火山 45(2), 75-85, 2000-05-10, doi:10.18940/kazan.45.2_75, NAID 110003041183
  14. ^ 過去2,000年間の日本の火山噴火カタログ 地学雑誌 1999年 108巻 4号 p.472-488, doi:10.5026/jgeography.108.4_472

関連項目

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外部リンク

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