リバティ船(リバティせん 英語:Liberty ship)は、第二次世界大戦の最中、アメリカ政府によって制定されたによってアメリカ合衆国で大量に建造された規格型輸送船の総称である。戦時標準船(10,000 DWT)とも呼ばれる。 基本的なコンセプトはイギリスによるものとなるが、簡素で安価に建造できるためアメリカで採用された。これまでにない規模で大量に建造が行われたため、リバティ船は戦時中に於けるアメリカの工業生産力の象徴となった。単一設計で建造された船舶数としては過去最大規模である。建造期間短縮のため、当時としては画期的な工法であるブロック工法と溶接結合が採用され、1941年から1945年までの短期間のうちに、18の造船所で平均二日に3隻のペースで合計2,710隻が急速建造された。 このうち脆性破壊についての知見不足による欠陥事故で145隻が第1級損耗と判定されたが、そこから多くの技術的教訓が引き出された。建造にあたっての大いなる努力の成功と建造された船の実数、そして多数の船が設計された耐用年数以上に使われ、第二次世界大戦後の海運業界復興に寄与したことが総合評価され、専門的な研究対象とされている。