抗真菌薬(こうしんきんやく、英語: antifungal drug)とは、真菌の生育を阻害する医薬品である。真菌症の治療や、農薬として用いられる。真菌の細胞膜の構成成分の1つであるエルゴステロールと結合して細胞膜の機能を阻害するポリエン系抗真菌薬(ポリエンマクロライド系)の他、ラノステロールからエルゴステロールの生合成を阻害する、β-Dグルカン合成酵素を阻害し細胞壁合成を阻害する、DNA合成を阻害するピリミジン系抗真菌薬などの核酸の代謝に関わる薬物を含む。 なお、動物への投与を基準とした際に、真菌に対して選択毒性を示す薬物は、真正細菌に対して選択毒性を示す薬物よりも少ない。この理由として真菌は動物と同じく真核生物に属しており、真正細菌と比較すると動物細胞に類似している点が挙げられる。抗真菌薬は、細菌に対して用いる抗菌薬とは異なる分類の医薬品である。