疫学(えきがく、英語:Epidemiology)は、個人ではなく集団を対象として病気(疾病)の発生原因や流行状態、予防などを研究する学問。元々は伝染病を研究対象として始まったが、その後、公害病や事故などの人災、地震などの天災、交通事故、がんなど生活習慣病など、研究調査対象は多様化している。疫学は公衆衛生と予防医学への基礎を提供する領域として、また、疾患への危険要因および最適な治療方針決定への実証的な根拠に基づく医療(evidence-based medicine, EBM)として評価されている。 伝染性および非伝染性の病気を含んだ疫学の研究範囲は突発的流行疾患の医学的調査研究から、研究計画、データ収集と解析、統計的モデルの考案による仮説検定など統計学的研究に及ぶ。疫学研究では、分析的手法として概念的な単位を微視的なものではなく生物一個体に置く。集団における病気を持つ個体数の測定により、流行状態を(有病割合やなど)として数量化する。また疫学は疾患プロセスを理解するために生物学を利用し、危険因子の近因と遠因を探るために社会学と哲学を利用する。 疫学は初期に急性疾患(感染症)の流行の制御に大きな成果をあげた。この成果に伴い社会の疾病構造が急性疾患から慢性疾患(生活習慣病)に変化したため、現在では長期間にわたる流行形態をとる慢性疾患の制御の研究も行う。