カギガタアオイ
カギガタアオイ(鈎形葵、鉤形葵、学名: Asarum curvistigma)は、ウマノスズクサ科カンアオイ属の常緑の多年草[3][4][5][6][7]。
カギガタアオイ | |||||||||||||||||||||
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山梨県南部町 2019年4月中旬
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分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Asarum curvistigma F.Maek.[1] | |||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||
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和名 | |||||||||||||||||||||
カギガタアオイ(鈎形葵、鉤形葵)[3][4] |
特徴
編集葉に長さ5-10cmになる葉柄があり、暗褐色から暗紫色にる。葉身は三角状卵形または卵状楕円形で、長さ5-11cm、幅4-7cmになり、先端はいくぶんとがり、基部は心形になり、基部の両翼が耳状になる。葉の表面は光沢があり、葉の縁に沿って短毛が散生し、雲紋状または霜降状の白斑が入るが、ときに斑がないこともある。葉脈はほとんどへこむことはない。裏面は無毛で淡緑色になる[3][4][6][7]。
花は10-11月に咲き始める。花に花弁は無く、萼裂片が花弁状になる。萼筒は上方でやや細まった筒形で、長さ7-13mm、径10-13mmになる。萼筒の入口は内側に狭い口環があり、少し離れて小板状に突起したひだがある。萼筒内壁には網状隆起があり、15-18個の縦脈と横脈があって格子状になるがやや不規則である。萼裂片は卵状三角形で開出し、長さ10-12mmになり、先はややとがって斜めに開き、表面は濃紫褐色になり短毛が密生し、縁はあまり波打たない。雄蕊は12個あり、短い花糸で子房の外壁ににつく。花柱は6個あって直立し、先端は長靴を逆さにしたような「カギ形」になって外側に曲がって突き出て、その頂部に柱頭がある[3][4][6][7][8]。
同属のタマノカンアオイやアマギカンアオイに似るが、本種は、萼筒が上部でくびれること、板状突起があまり発達しなこと、秋に開花することで異なる[6][7]。
分布と生育環境
編集日本固有種[5]。本州の東海地方の静岡県中西部と山梨県南部[4][5][6]の富士川流域から天竜川流域までに分布し[7]、低山地の[4]林落葉広葉樹や常緑広葉樹が交じる林床に生育する[6]。
名前の由来
編集種の保全状況評価
編集絶滅危惧IB類 (EN)(環境省レッドリスト)
(2017年、環境省)
ギャラリー
編集-
萼裂片は卵状三角形で、斜めに開き、表面は濃紫褐色になり短毛が密生する。萼筒の入口の外側に小板状に突起したひだがある。
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萼筒は上部がくびれる筒型。
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6個の花柱の先端は「カギ形」になる。4月、萼筒部分が欠けたもの。
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葉の表面は光沢があり、葉の縁に沿って短毛が散生する。葉脈上に亀甲状の白斑に加えて霜降状の白斑が入っているもの。
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葉の裏面は無毛。
脚注
編集- ^ カギガタアオイ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ カギガタアオイ(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ a b c d 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.23
- ^ a b c d e f g 『改訂新版 日本の野生植物 1』p.64
- ^ a b c d 『日本の固有植物』pp.60-62
- ^ a b c d e f g 『絶滅危惧植物図鑑 レッドデータプタンツ(増補改訂新版)』p.370
- ^ a b c d e f 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.165, p.1,485, p.1,514
- ^ 「前川文夫:日本産かんあふひ類解説(其七)」かぎがたあふひ、The Journal of Japanese Botany,『植物研究雑誌』Vol.9, No.8, pp.505-508, (1933).
参考文献
編集- 加藤雅啓・海老原淳編著『日本の固有植物』、2011年、東海大学出版会
- 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
- 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 1』2015年、平凡社
- 矢原徹一他監修『絶滅危惧植物図鑑 レッドデータプタンツ(増補改訂新版)』、2015年、山と溪谷社
- 牧野富太郎原著、邑田仁・米倉浩司編集『新分類 牧野日本植物図鑑』、2017年、北隆館
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
- 日本のレッドデータ検索システム
- 「前川文夫:日本産かんあふひ類解説(其七)」かぎがたあふひ、The Journal of Japanese Botany,『植物研究雑誌』Vol.9, No.8, pp.505-508, (1933).