ティトゥス・ルクレティウス・カルスラテン語: Titus Lucretius Carus, 紀元前99年頃 - 紀元前55年)は、共和政ローマ期の詩人哲学者エピクロスの思想を詩『事物の本性について』に著した。

De rerum natura, 1570

思想

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エピクロスの宇宙論を詩の形式で解説。説明の付かない自然現象を見て恐怖を感じ、そこに神々の干渉を見ることから人間の不幸が始まったと論じ、死によってすべては消滅するとの立場から、死後の罰への恐怖から人間を解き放とうとした。6巻7400行からなる六歩格詩事物の本性について英語版』(ラテン語: De rerum natura[1])を著して唯物論的自然哲学と無神論を説いた。

影響

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ルクレティウスの著作は長い間知られていなかった。1417年にイタリアの人文主義者ポッジョ・ブラッチョリーニによって、ドイツの修道院で『事物の本性について』の写本が再発見された[2]。同書はルネサンス期の思想に大きな影響を与え、原子論が発展する原動力となった。

日本語訳

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参考文献

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  • Greenblatt, Stephen (2009), The Swerve, New York: WW. Norton and Company 
    • スティーヴン・グリーンブラット 著、河野純治 訳『一四一七年、その一冊がすべてを変えた』柏書房、2009年。ISBN 978-4760141760 
  • 小池澄夫; 瀬口昌久『ルクレティウス 『事物の本性について』――愉しや、嵐の海に』岩波書店〈書物誕生 あたらしい古典入門〉、2020年。ISBN 978-4000283045 
  • 寺田寅彦(1929年)『ルクレチウスと科学』:新字新仮名 - 青空文庫

脚注

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  1. ^ デ・レルム・ナトゥーラ』 - コトバンク
  2. ^ Greenblatt, p.44 (2009)
  3. ^ ウェルギリウスアエネーイス泉井久之助訳と併収

関連項目

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外部リンク

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