丸山水力専用鉄道
丸山水力専用鉄道 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
路線総延長 | 4.1 km | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
軌間 | 1067 mm | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
電圧 | 600[1] V 架空電車線方式(直流) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
停車場・施設・接続路線(廃止当時) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
丸山水力専用鉄道(まるやますいりょくせんようてつどう)は、かつて岐阜県加茂郡八百津町と可児郡御嵩町の境の、木曽川丸山ダム建設のために敷設された、関西電力の専用鉄道である。
木曽川に丸山ダム建設が計画された際、国鉄太多線広見駅(現・可児駅)から東美鉄道(後に名古屋鉄道に合併)の広見線、八百津線を経由して資材を運搬することとなり、八百津線の終点である八百津駅から工事現場まで延長線が建設された。これが丸山水力発電所工事用専用鉄道、すなわち、丸山水力専用鉄道である。
路線データ(廃止時)
編集- 路線距離(営業キロ):八百津駅 - 丸山発電所 4.1 km
- 軌間:1,067 mm
- 駅数:3駅(起終点駅含む)
- 途中駅:錦織駅(にしこおりえき[2]) - 工事関係者の宿泊施設が建設されていた。
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:
- 閉塞方式:単線自動閉塞式
八百津駅 - 錦織駅間は名古屋鉄道が運行し、旅客(工事関係者のみ)運行も行なっていた。
歴史
編集運行実績
編集八百津 - 錦織間を13分で結び1日8往復(但し貨車なき場合は運休)最盛期の1953年3月から10月は月1万トン(貨車数700 - 800)を超え運転回数は140-150回となった。錦織停車場で扱った貨物の合計は1952年3月から1954年5月まで貨車数10,548両、重量159,690トン(内セメント142,143トン)であった。
車両
編集駅一覧
編集- 錦織駅側線に平行してセメント倉庫(1062坪)を建築。貨車床面と倉庫床面を一致させ複数の貨車の積卸を同時に出来るようにした。
接続路線
編集- 八百津駅:名鉄八百津線
廃線後の状況
編集- 路線跡は道路(岐阜県道381号多治見八百津線、岐阜県道358号井尻八百津線など)になっている。蘇水峡橋は、元鉄道橋梁である木曽川橋梁を転用したものである。蘇水峡橋の東にあるトンネルは、鉄道トンネルを転用したものである。当時はトンネル内でスイッチバックを行っていたため、トンネルの出口が2つあるという全国でも希に見る構造となっている。丸山水力発電所内には線路が残っている。
脚注
編集- ^ a b 『丸山発電所工事誌. [第1] (仮設備編)』11頁および『日立論評 1953年1月号 鉄道車輌 30t電気機関車(関西電力網)』286頁にて600 Vとある。今尾 (2008) では1500 Vとしているが根拠がない
- ^ 今尾 (2008) では「にしきこおり」
- ^ a b c d e f 『丸山発電所工事誌. [第1] (仮設備編)』8頁
- ^ 「表10 建設新線表」『交通年鑑 昭和26年版』、324-325頁。doi:10.11501/2522225 。工事を再開した時点では"日本発送電 丸山水力専用鉄道"で申請されている
- ^ a b 『丸山発電所工事誌. [第1] (仮設備編)』12頁 "丸山専用鉄道 八百津駅錦織間 運転実績表"に記載。"昭和27年10月より電化工事完成により電気機関車で運転する"とも記載
- ^ 『資料加藤製作所の機関車』いさみやロコ・ワークス、1987年、135頁。但し『丸山発電所工事誌. [第1] (仮設備編)』に2両しか工事費に計上されていない
- ^ 岡本憲之『加藤製作所機関車図鑑』イカロス出版、2014年、155頁
参考文献
編集- 今尾恵介(監修)『日本鉄道旅行地図帳』 7 東海、新潮社、2008年。ISBN 978-4-10-790025-8。
- 徳田耕一編著『名鉄の廃線を歩く』JTB、2001年、37頁
- 「第2章.一般仮設備 第1節.専用鉄道」『丸山発電所工事誌. [第1] (仮設備編)』関西電力、1956年、8-17頁。doi:10.11501/2461534 。
- 「鉄道車輌 30t電気機関車(関西電力網)」『日立評論1953年1月号』日立論評、1953年1月、286頁 。