永原駅
永原駅(ながはらえき)は、滋賀県長浜市西浅井町大字大浦羽部にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)湖西線の駅である。駅番号はJR-B11[1]。
永原駅 | |
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駅舎(2020年8月) | |
ながはら Nagahara | |
◄JR-B10 近江塩津 (5.8 km) (7.1 km) マキノ JR-B12► | |
滋賀県長浜市西浅井町大字大浦羽部1098-4 | |
駅番号 | JR-B11[1] |
所属事業者 | 西日本旅客鉄道(JR西日本) |
所属路線 | ■湖西線 |
キロ程 | 5.8 km(近江塩津起点) |
電報略号 | ナハ |
駅構造 | 高架駅(盛土上) |
ホーム | 2面4線 |
乗車人員 -統計年度- |
87人/日(降車客含まず) -2022年- |
開業年月日 | 1974年(昭和49年)7月20日[2][3] |
備考 | 簡易委託駅 |
概要
編集島式ホーム2面4線を持つ、待避設備を備えた高架駅で、アーバンネットワークエリアの最北端に位置する[2]。西隣のマキノ駅とは7.1 km離れており、湖西線内では駅間距離がもっとも長い。
以前は電化方式の違いから、当駅から近江塩津方面へと抜ける普通列車の本数は少なかったが、敦賀駅(福井県敦賀市)までの直流切替工事が終了した[3]ため、2006年10月21日に新快速を中心にした直通列車が増発された[4]。当駅より先に行く列車は2・4両編成の列車で[4]、6・8両編成の列車は当駅で折り返している。
近畿車輛や川崎重工業(現在の川崎車両)が新造した車両の出場試運転や網干総合車両所または吹田工場(現在の吹田総合車両所)からの試運転も当駅で折り返すことを基本としている[注釈 1]。その例として、321系(京阪神緩行線やJR東西線・片町線(学研都市線)・福知山線などで使用)や323系(大阪環状線)や273系(特急やくも)が挙げられる[注釈 2][7][8][9]。また、2000年代の一時期は定期列車として201系が当駅まで入線したこともあった[10]。
歴史
編集駅名は建設当時の仮称であった「永原」がそのまま採用されたが、地元の要望は「奥琵琶湖」であった[11]。この名称を要望した理由として、永原村と塩津村の合併による旧村意識を温存すること、また近くで建設している奥琵琶湖パークウェイやその関連事業として新しい観光地としての脚光を浴びる目的があった[11]。
年表
編集- 1974年(昭和49年)7月20日:日本国有鉄道湖西線の開通に伴い[12]、駅開業[2][3]。旅客のみを取り扱う駅員無配置駅[13]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道の駅となる[3][12]。
- 2000年(平成12年)
- 2003年(平成15年)10月26日:北陸本線・湖西線の直流電化工事が開始される。
- 2006年(平成18年)10月21日:敦賀駅までの直流化事業完成に伴うダイヤ改正を実施[4]、当駅 - 近江塩津駅・敦賀駅間の運用を大幅に増便[3]。ICカード「ICOCA」の利用が可能となる[4]。
- 2009年(平成21年)7月1日:アーバンネットワーク各駅共通で当駅も終日全面禁煙化(湖西線は当駅までで、近江塩津駅は対象外)。
- 2018年(平成30年)3月17日:駅ナンバリングが導入され、使用を開始。
駅構造
編集島式ホーム2面4線[16]を有する高架駅(盛土上)である[2]。
堅田駅管理の簡易委託駅。駅構内には化粧室・交通系ICカード専用簡易型自動改札機・乗車駅証明書発行機などが設置されている。
のりば
編集のりば | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1・2 | 湖西線 | 下り | 近江塩津・敦賀方面[17] | |
3・4 | 上り | 近江今津・京都方面[17] | 当駅始発は2番のりば[2] |
- 付記事項
- 外側2線(1・4番のりば)が本線[16]、内側2線(2・3番のりば)が待避線である[2]。なお、当駅で近江今津・京都方面へ折り返す列車は2番のりばを使用する[2]。
- 内側2線(2・3番のりば)は非常時に限り、貨物列車などが後続列車の発車・通過待ちを行うために停車することがある。
- 当駅付近は豪雪地帯のため、冬期は3番のりばのホーム端(近江今津寄り)に排雪用モーターカーが駐留する。その期間中は3番のりばを発着する列車が設定されない。
- 先述の通り、試運転は当駅で折り返すことを基本としているが、近江今津駅 - 当駅間で試運転を数往復した後、車庫に戻る設定も混在する[18][19]。なお、湖西線での速度向上試験は日本国有鉄道(国鉄)時代から行われている(詳細は湖西線#沿線概況を参照)。
利用状況
編集「滋賀県統計書」によると、1日平均の乗車人員は以下の通りである。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
出典 |
---|---|---|
1992年 | 195 | [統計 1] |
1993年 | 189 | [統計 2] |
1994年 | 184 | [統計 3] |
1995年 | 195 | [統計 4] |
1996年 | 198 | [統計 5] |
1997年 | 186 | [統計 6] |
1998年 | 176 | [統計 7] |
1999年 | 176 | [統計 8] |
2000年 | 152 | [統計 9] |
2001年 | 152 | [統計 10] |
2002年 | 145 | [統計 11] |
2003年 | 137 | [統計 12] |
2004年 | 131 | [統計 13] |
2005年 | 119 | [統計 14] |
2006年 | 117 | [統計 15] |
2007年 | 107 | [統計 16] |
2008年 | 104 | [統計 17] |
2009年 | 111 | [統計 18] |
2010年 | 110 | [統計 19] |
2011年 | 104 | [統計 20] |
2012年 | 106 | [統計 21] |
2013年 | 119 | [統計 22] |
2014年 | 124 | [統計 23] |
2015年 | 129 | [統計 24] |
2016年 | 132 | [統計 25] |
2017年 | 132 | [統計 26] |
2018年 | 123 | [統計 27] |
2019年 | 102 | [統計 28] |
2020年 | 82 | [統計 29] |
2021年 | 74 | [統計 30] |
2022年 | 87 | [統計 31] |
1日平均の乗車人員数は、2002年に余呉駅と逆転して以降、滋賀県内のJRの駅では最も少ない。また、2019年度の1日平均の乗降人員は204人となっており[20]、こちらも滋賀県内のJRの駅では最も少ない[20]。
駅周辺
編集水田が大きく広がるが、駅付近は森や山に囲まれているため、駅の前後にはトンネル[注釈 3]が設けられている。なお、市役所支所や小学校などの各施設は駅東側に集約されている。
- 長浜市役所西浅井支所
- 西浅井まちづくりセンター
- 西浅井運動広場体育館
- 長浜市立永原小学校
- 国道303号
- 滋賀県道557号西浅井マキノ線
- 大浦川 - 駅構内で交差する河川
バス路線
編集駅舎の前に「永原駅」停留所があり、西浅井コミュニティバス(おでかけワゴン)の路線が発着する。
隣の駅
編集脚注
編集記事本文
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b 双葉社 2021, p. 14.
- ^ a b c d e f g 川島 2010, p. 63.
- ^ a b c d e 朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 42号 阪和線・和歌山線・桜井線・湖西線・関西空港線、曽根悟 監修、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2010年5月16日、26頁。
- ^ a b c d “広報たかしま 平成18年10月1日号” (PDF). 高島市役所企画部秘書広報課. pp. 2-3 (2006年10月1日). 2023年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月15日閲覧。
- ^ 「683系4000番台,近畿車輛出場後試運転を実施」『鉄道ファン・railf.jp』交友社、2009年6月26日。オリジナルの2021年5月11日時点におけるアーカイブ。2023年11月10日閲覧。
- ^ 「521系100番台が湖西線で試運転」『鉄道ファン・railf.jp』交友社、2020年3月18日。オリジナルの2023年1月22日時点におけるアーカイブ。2023年11月10日閲覧。
- ^ 交友社刊『鉄道ファン』2005年10月号 103 - 108頁(新車ガイド:JR西日本321系通勤型直流電車)より。特に本誌108頁の撮影データに「永原」の表記がある。
- ^ 「323系LS12編成が登場」『鉄道ファン・railf.jp』交友社。オリジナルの2018年7月10日時点におけるアーカイブ。2023年11月10日閲覧。
- ^ 「273系Y1編成・Y2編成が近畿車輛から出場」『鉄道ファン・railf.jp』交友社。オリジナルの2023年10月28日時点におけるアーカイブ。2023年11月10日閲覧。
- ^ 『鉄道ファン』2005年2月号 26頁。
- ^ a b 国鉄湖西線建設促進期成同盟会『国鉄湖西線建設の歩み』1975年5月、55頁。
- ^ a b 双葉社 2021, p. 24.
- ^ 「通報 ●湖西線山科・近江塩津間の開業について(旅客局)」『鉄道公報』日本国有鉄道総裁室文書課、1974年7月5日、3面。
- ^ “長浜市内の駅の利用”. 長浜市. 2023年10月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月10日閲覧。
- ^ a b 「ログハウス風の駅舎できた 西浅井・JR湖西線永原駅 来月1日オープン 町職員が切符販売 観光案内も「集客につなげたい」」『京都新聞』京都新聞社、2000年1月29日、朝刊17版/県民北部版、24面。
- ^ a b 川島 2010, p. 15.
- ^ a b “永原駅|時刻表”. 西日本旅客鉄道. 2022年9月16日閲覧。
- ^ 「323系LS06編成が湖西線内で試運転」『鉄道ファン・railf.jp』交友社、2017年1月28日。オリジナルの2018年8月13日時点におけるアーカイブ。
- ^ 「283系HB601編成が湖西線で試運転を実施」『鉄道ファン・raif.jp』交友社。オリジナルの2020年11月23日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b 双葉社 2021, p. 23.
利用状況
編集- ^ 平成4年滋賀県統計書
- ^ 平成5年滋賀県統計書
- ^ 平成6年滋賀県統計書
- ^ 平成7年滋賀県統計書
- ^ 平成8年滋賀県統計書
- ^ 平成9年滋賀県統計書
- ^ 平成10年滋賀県統計書
- ^ 平成11年滋賀県統計書
- ^ 平成12年滋賀県統計書
- ^ 平成13年滋賀県統計書
- ^ 平成14年滋賀県統計書
- ^ 平成15年滋賀県統計書
- ^ 平成16年滋賀県統計書
- ^ 平成17年滋賀県統計書
- ^ 平成18年滋賀県統計書
- ^ 平成19年滋賀県統計書
- ^ 平成20年滋賀県統計書
- ^ 平成21年滋賀県統計書
- ^ 平成22年滋賀県統計書
- ^ 平成23年滋賀県統計書
- ^ 平成24年滋賀県統計書
- ^ 平成25年滋賀県統計書
- ^ 平成26年滋賀県統計書
- ^ 平成27年滋賀県統計書
- ^ 平成28年滋賀県統計書
- ^ 平成29年滋賀県統計書
- ^ 平成30年滋賀県統計書 (PDF)
- ^ 令和元年滋賀県統計書 (PDF)
- ^ 令和2年滋賀県統計書 (PDF)
- ^ 令和3年滋賀県統計書 (PDF)
- ^ 令和4年滋賀県統計書 (PDF)
参考文献
編集- 川島令三『【図説】日本の鉄道 中部ライン 全線・全駅・全配線 第5巻 米原駅 - 加賀温泉駅』講談社、2010年8月20日。ISBN 978-4-06-270065-8。
- 『都市鉄道完全ガイド 関西JR編 2021-2022年版』双葉社、2021年6月22日。ISBN 978-4-575-45881-7。
関連項目
編集外部リンク
編集- 永原駅|駅情報:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道