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2022年10月30日 (日) 19:00時点における版

タカ科
生息年代: 始新世現世, 50–0 Ma
保全状況評価
ワシントン条約附属書II類
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: タカ目 Accipitriformes
亜目 : タカ亜目 Accipitres
上科 : タカ上科 Accipitroidea
: タカ科 Accipitridae
タイプ属
Accipiter
Brisson1760
亜科

14亜科

タカ科(タカか、Accipitridae)は、鳥類タカ目である。旧名ワシタカ科昼行性猛禽類の中で最も放散した科である。

特徴

分布

アフリカ大陸オーストラリア大陸北アメリカ大陸南アメリカ大陸ユーラシア大陸東南アジアインドネシアソロモン諸島日本列島パプアニューギニアマダガスカル

形態

最長種はヒゲワシで全長115cm(翼開長や体重において他種が上回る可能性もあるため最大種ではなく最長種とする)。オスよりもメスの方が大型になる。おおむね大型種をワシ、小型種をタカと呼称するが、日本国内においても全長80cmのクマタカと全長55cmのカンムリワシの例もあり明確な区別はない。草原や海岸などに生息する種は長くて幅広い翼と、短く幅が広い尾羽を持つ。逆に森林に生息する種は相対的に翼が短く、尾羽は細長い。前者は上昇気流を捕らえることにより長時間の飛翔が可能になり、後者は障害物の多い森林内での飛翔に適していると考えられている。

嘴は鉤状になっており、骨を砕いたり肉を食い千切るのに適している。爪は長いうえに鋭く獲物を仕留めたり、獲物を捕らえたまま飛行することもできる。ハゲワシなど動物の死骸を専食する種は獲物を仕留める必要が無く、その場で死骸を食べるためこの限りではない。

生態

草原砂漠森林海岸などの幅広い環境に生息する。単独もしくは群れを形成して生活する。上昇気流に乗りながら旋回し羽ばたかずに飛行する(ソアリング)こともある。

食性は動物食で、昆虫節足動物甲殻類魚類両生類爬虫類、鳥類、哺乳類、動物の死骸などを食べる。上空から獲物を探して地面に急降下する、樹上等で獲物を待ち伏せるなどの方法で獲物を捕らえる。

繁殖形態は卵生。繁殖期になるとペアで広い縄張りを形成する種が多い。樹上や岩場の上などに木の枝などを組み合わせた皿状の巣を作り、卵を産む。メスのみが抱卵、もしくは主にメスが抱卵を行う。メスが抱卵中、オスは狩りを行う。

系統と分類

姉妹群ミサゴ科 Pandionidae である。これをタカ科ミサゴ亜科 Pandioninae とする説もありどちらにせよ単系統性は保てるが、形態上の相違、核型の違い、遺伝子距離、化石記録の古さから、科レベルに相当する[1][2]。タカ科+ミサゴ科をタカ上科 Accipitroidea とすることもある。

その次にヘビクイワシ科、その次におそらくはコンドル科が順次姉妹群となる[3]

かつては、このタカ科をタカ亜科 Accipitrinae に位置づける分類もあった。Cracraft (1981)[4]はタカ亜科とハヤブサ亜科 Falconinae をタカ科に含めた(ミサゴ科は別科)。Sibley & Ahlquist (1990) などはタカ亜科とミサゴ亜科 Pandioninae をタカ科に含めた。

系統樹

主に Kocum (2006)[5]より。

タカ目

コンドル科 Cathartidae

タカ亜目

ヘビクイワシ科 Sagittariidae

タカ上科

ミサゴ科 Pandionidae

タカ科

ハイイロトビ亜科 Elaninae

ハチクマ亜科 Perninae

ヒゲワシ亜科 Gypaetinae

チュウヒダカ亜科 Polyboroidinae

ハゲワシ亜科 Aegypiinae

チュウヒワシ亜科 Circaetinae

オウギワシ亜科 Harpiinae

イヌワシ亜科 Aquilinae

ハバシトビ属 Harpagus (トビ亜科II)

ヒメハイタカ Accipiter superciliosus (ハイタカ亜科IV)

ウタオオタカ亜科 Melieraxinae

トカゲノスリ Kaupifalco (ノスリ亜科II)

ハイタカ亜科III Accipitrinae III(ツミなど)

ハイタカ亜科II Accipitrinae II(ハイタカなど)

ハイタカ亜科I Accipitrinae I(オオタカなど)

チュウヒ亜科 Circinae

トビ亜科 Milvinae

ウミワシ亜科 Haliaeetinae

ノスリ亜科 Buteoninae

Accipitridae
Accipitriformes

亜科

かつて現生タカ科は10前後の亜科に分類され、いくつかの統合・分離を経てきたが、Lerner & Mindell (2005)[6]により多くが多系統と判明し、単系統の14亜科に整理された。続く研究でも大枠は支持されたが、ふたたびいくつか単系統でない部分が見つかっている[5][7][8]

Lerner & Mindell (2005) の亜科は1–2属単位の変更が各所にあるが、大まかに言えばほとんどの亜科は従来の亜科に対応している。新旧の亜科の対応を表に示す。旧亜科は Grossman & Hamlet (1964)[9]; Brown (1976)[10]によるが、Brown (1976) の単型亜科コウモリダカ亜科 Machaerhamphinae は省略している。この表で新設されたように見えるヒゲワシ亜科はさらに古い亜科の復活である。通俗名は Lerner & Mindell (2005)Griffiths (2007)[7]で使われている英語名(一部簡略化)とその和訳(一部意訳)である。

亜科一覧
L&M 2005 B 1976 G&H 1964 通俗名
ハイイロトビ亜科 Elaninae トビKites
チュウヒダカ亜科 Polyboroidinae チュウヒ亜科 チュウヒダカHarrier hawks
ヒゲワシ亜科 Gypaetinae ハゲワシ亜科 ハゲワシOld World vultures
ハチクマ亜科 Perninae トビKites
チュウヒワシ亜科 Circaetinae ヘビワシSnake eagles
ハゲワシ亜科 Aegypiinae ハゲワシOld World vultures
オウギワシ亜科 Harpiinae ノスリ亜科 オウギワシHarpy eagles
イヌワシ亜科 Aquilinae ノスリ亜科 クマタカBooted eagles
ウタオオタカ亜科 Melieraxinae ハイタカ亜科 ウタオオタカChanting goshawks
ハイタカ亜科 Accipitrinae ハイタカSparrowhawks
チュウヒ亜科 Circinae チュウヒHarriers
ウミワシ亜科 Haliaeetinae ノスリ亜科 ウミワシSea eagles
トビ亜科 Milvinae トビKites
ノスリ亜科 Buteoninae ノスリHawks, buzzards

属と種

現生

国際鳥類学会議 (IOC)[11]によるが、Lerner & Mindell (2005)[6]による亜科に分けた。和名は厚生労働省[12]などより。

65属250種が現生し、タカ目の大部分を占める。

ハイイロトビ亜科 Elaninae

ハチクマ亜科 Perninae

ヒゲワシ亜科 Gypaetinae

チュウヒダカ亜科 Polyboroidinae

ハゲワシ亜科 Aegypiinae

チュウヒワシ亜科 Circaetinae

オウギワシ亜科 Harpiinae

イヌワシ亜科 Aquilinae

ウタオオタカ亜科 Melieraxinae

チュウヒ亜科 Circinae

ハイタカ亜科 Accipitrinae

トビ亜科 Milvinae

ウミワシ亜科 Haliaeetinae

ノスリ亜科 Buteoninae

†絶滅属

  • Milvoides
  • Aquilavus
  • Palaeocircus
  • Palaeastur
  • Pengana
  • Promilio
  • Proictinia
  • Neophrontops
  • Mioaegypius
  • Apatosagittarius
  • Gansugyps
  • Palaeoborus
  • Qiluornis
  • Thegornis
  • Garganoaetus
  • Amplibuteo
  • Neogyps
  • Palaeohierax
  • Wetmoregyps

人間との関係

開発による生息地や営巣地の破壊、狩猟などにより生息数が減少している種もいる。

飼い慣らして狩猟に用いることもある。

ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。しかし鋭い嘴と爪により人間に危害を加える可能性があることから、一部の種は特定動物に指定されている。

出典

  1. ^ Remsen, Jr., J. V.; Cadena, C. D.; et al. (2010), “Part 2. Accipitriformes to Charadriiformes”, in AOU, A classification of the bird species of South America (8 July 2010 ed.), オリジナルの2008年4月12日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20080412122247/http://www.museum.lsu.edu/~Remsen/SACCBaseline02.html 
  2. ^ Billerman, Shawn; Lovette, Irby; Chesser, Terry (2009), “Elevate the Osprey to family status, Pandionidae”, in AOU N&MA Check-list Committee, Proposals 2009-C, p. 86–87, http://www.aou.org/committees/nacc/proposals/2009-C.pdf 
  3. ^ Hackett, S. J.; Kimball, Rebecca T.; et al. (2008), “A Phylogenomic Study of Birds Reveals Their Evolutionary History”, Science 320: 1763–1768 
  4. ^ Cracraft, Joel (1981), “Toward a Phylogenetic Classification of the Recent Birds of the World (Class Aves)”, Auk 98 (4): 681–714, http://research.amnh.org/vz/ornithology/pdfs/1981d.Classification%20of%20birds.pdf 
  5. ^ a b c d e Kocum, Annett (2006), Phylogenie der Accipitriformes (Greifvögel) anhand verschiedener nuklearer und mitochondrialer DNA-Sequenzen, Greifswald: Ernst-Moritz-Arndt-Universität, http://www.mnf.uni-greifswald.de/fileadmin/Vogelwarte/Dissertation_von_Annett_Kocum.pdf 
  6. ^ a b c Lerner, Heather R. L.; Mindell, David P. (2005), “Phylogeny of eagles, Old World vultures, and other Accipitridae based on nuclear and mitochondrial DNA”, Mol. Phylogenet. Evol. 37: 327–346, http://www-personal.umich.edu/~hlerner/LM2005.pdf 
  7. ^ a b c Griffiths, Carole S.; Barrowclough, George F.; et al. (2007), Phylogeny, diversity, and classification of the Accipitridae based on DNA sequences of the RAG-1 exon, 38, pp. 587–602, doi:10.1111/j.0908-8857.2007.03971.x 
  8. ^ a b Lerner, H. R. L.; Llaver, M. C.; Mindell, D. P. (2008), “Molecular Phylogenetics of the Buteonine Birds of Prey (Accipitridae)”, Auk 304 (2): 304–315, http://research.calacademy.org/files/Lerner%202008%20Auk.pdf 
  9. ^ Grossman, M. L.; Hamlet, J. (1964), Birds of Prey of the World, New York: Bonanza Books, http://www18.ocn.ne.jp/~raptors/classification/grossman-hamlet1964/grossman-hamlet1964.html 
  10. ^ Brown, L. (1976), Birds of Prey: their Biology and Ecology, London: Hamlyn, http://www18.ocn.ne.jp/~raptors/classification/brown1976/brown1976.html 
  11. ^ a b Gill, Frank; Donsker, David, eds. (2010), “Raptors”, IOC World Bird Names, 2.6, http://www.worldbirdnames.org/n-raptors.html 
  12. ^ 厚生労働省 動物の輸入届出制度 届出対象動物の種類名リスト 鳥類一覧
  13. ^ Gill, Frank; Donsker, David, eds. (2010), Taxonomic Updates, 2.5, http://www.worldbirdnames.org/updates-tax.html 

参考文献

  • 五百沢日丸 『日本の鳥550 山野の鳥 増補改訂版』、文一総合出版2004年、17–53頁。
  • 小原秀雄浦本昌紀太田英利松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ6 アフリカ』、講談社2000年、88–89, 181頁。
  • 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北アメリカ』、講談社、2000年、80–84, 186–188頁。
  • 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ5 東南アジアの島々』、講談社、2000年、68–72, 152–153頁。
  • 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ7 オーストラリア、ニューギニア』、講談社、2000年、74–75, 77, 169–171頁。
  • 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ2 アマゾン』、講談社、2001年、132–133頁。
  • 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ3 中央・南アメリカ』、講談社、2001年、64–65、183–185頁。
  • 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ8 太平洋、インド洋』、講談社、2001年、89、186–187頁。
  • 黒田長久 監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科7 鳥I』、平凡社1986年、118、124–139頁。
  • 高野伸二 編 『山溪カラー名鑑 日本の野鳥 特装版』、山と溪谷社1985年、130–163頁。
  • 高野伸二 『フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂版』、日本野鳥の会2007年、166–179頁。
  • 中村登流 監修 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社1984年、107–109頁。
  • 真木広造大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社、2000年、139–172頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館2002年、38–41, 127, 131–132, 134, 137, 139–140, 149, 160, 164頁。
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