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ゴース星人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ゴース星人
ウルトラシリーズのキャラクター
初登場ウルトラセブン』第48話
作者 高山良策(造型)
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ゴース星人(ゴースせいじん)は、特撮テレビドラマ『ウルトラセブン』をはじめとするウルトラシリーズに登場する架空の宇宙人。別名は幽霊怪人

『ウルトラセブン』に登場するゴース星人

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諸元
ゴース星人
ALIEN GHOSE[出典 1]
別名 幽霊怪人[4]
身長 2 m[出典 2]
体重 70 kg[出典 2]
出身地 ゴース星[出典 3]

ウルトラセブン』第48話「史上最大の侵略(前編)」、第49話「史上最大の侵略(後編)」に登場。

きわめて高度な文明を誇り、普通の方法では観測できない「幽霊惑星」ことゴース星から地球を侵略しに訪れた異星人。熊が岳[注釈 1]の地底に侵略基地を建造し、パンドンを操る。地上では淡い光で全身を包み、幽霊を思わせる半透明の状態で活動する[出典 4]ほか、右手から放つ光線で作るゴースバルーン[出典 5]で敵を包み込み、身動きを封じる。地球人の言語は理解しているが、話せるのは甲高い独特の言語だけであるため、ウルトラ警備隊を擁する地球防衛軍に降伏を勧告する際には人質として拉致したウルトラ警備隊のアマギ隊員の自我をマインドコントロールする特殊なカプセル[13]で洗脳し、メッセンジャーとして使う。

地球人の海や空からの攻撃に対する守備は堅いものの地底からの攻撃に対する守備は脆いことを利用し、超強力な地底ミサイル150発で全世界の首都を破壊する人類抹殺計画「30億全人類皆殺し作戦」[注釈 2]の手始めとして、ニューヨークロンドンパリモスクワなどへ壊滅的な被害を与え、人類に降伏と火星への移住を要求する。

基地には円盤消火セクション、円盤基地、パンドンを改造するモンスター改造室、地底ミサイル格納庫などの施設があり、司令官、側近4人、部下たち多数が潜伏していたが、最終的にはウルトラ警備隊に発見されたうえ、自動操縦で送り込まれた時限爆弾搭載のマグマライザーに急襲されて破壊される。その結果、爆発直前にウルトラセブンによって救出されるアマギ以外の全員が死亡する。

  • スーツアクター:池島美樹[9][14][注釈 3]
  • 声は「親分、殴り込みでございます」「何!? 殴り込みだと!?」などの日本語のセリフを早送り再生して加工したもの[16]
  • 名前の由来は英語で幽霊を意味する「ghost」から[17]
  • 第48話の決定稿脚本ではモロボシ・ダンが体育館でバスケットボール鉄棒を行う様子をゴース星人の偵察隊が覗いており、これは地球侵略の障害となるセブンを監視している描写だったということから、完成作品ではアンヌに変更された[14]
  • 劇中に登場したヒューマノイド形態以外にも、総統が巨大化した異形の姿を描いた池谷仙克によるデザイン画が残されている。
  • 着ぐるみは高山良策によって頭部のみが数体造られ、胴体は既存のタイツを使用している[18]
  • 戦え! マイティジャック』の第16話「来訪者を守りぬけ」に登場するモノロン星人のスーツは、ゴース星人の顔を赤く染め直したものである。このマスクは、『ウルトラファイト』第196話「怪獣死体置場」で円谷プロの着ぐるみ倉庫に置かれているのが確認できる。
  • 地底ミサイルのミニチュアは、『サンダーバード』のジェットモグラのプラモデルを改造したものである[19]
  • 地底ミサイルで各国の都市が破壊されるシーンは、1961年の映画『世界大戦争』からの流用(詳細は世界大戦争#特撮を参照)。その後、『ウルトラマン80』に登場するバルタン星人(六代目)の地球破壊のイメージシーンとして流用された。

『ウルトラマンボーイのウルころ』に登場するゴース星人

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ウルトラマンボーイのウルころ』の新撮に登場。

  • 第152話「熱血指導だ! エイティ先生の巻」、第153話「これがウルトラスピリッツだ! の巻」に登場。ヒロシという名のウルトラマン80の生徒で、番長または兄貴と呼ばれるサタンビゾーの子分。
  • 第225話「開幕! ウルトラオリンピックの巻」ではゾフィーケットル星人の乱闘を実況するが、ケットル星人の不真面目さに怒って彼をプロレス技で制裁し、「よっしゃあ」とガッツポーズを決める。
  • 第259話「発表! 夢のバトル・ベスト3の巻」ではナレーターを演じる。

『ウルトラマンタイガ』に登場するゴース星人

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諸元
ゴース星人
ALIEN GHOSE[20]
別名 幽霊怪人
身長 2 m[20][21]
体重 70 kg[20][21]

ウルトラマンタイガ』第18話「新しき世界のために」に登場。

かつてはバット星人小森セイジの同志だったが、地球での革命を放棄し、ひょっとこの面を被って地球人に紛れて生活しながら宇宙に帰ろうとしていた。地球の言語は喋れないため、E.G.I.S.の宗谷ホマレの身体を借りて人間と会話する。霧崎の策略で宇宙人を憎んでいた田崎修に襲われるが、それを助けるために現れたパンドンウルトラマントレギアに惨殺されると、宇宙人に理解を示した修から謝罪された後、パンドンに花を手向けた[22]

  • 声:諒太郎[23][注釈 4]
  • スーツアクター:岡部暁
  • スーツは新規に造形された[23]
  • 言葉が通じない宇宙人が、宇宙人は悪いものだと決め付けている少年と最終的に分かり合える話にするため、地球の言葉を喋らないゴース星人が選ばれた[23][24]。また、パンドンの登場が決定したことも理由の一つであった[23]

『セブンガーファイト』に登場するゴース

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セブンガーファイト』第7話「帰ってきた赤いアイツ」に登場。

怪獣惑星に生息する個体が登場。ガラモンガンダー改造パンドンイカルスを操っていた黒幕[25]。駆けつけたジャグラーの新月斬波によって一刀両断にされる[25]

『ウルトラマンデッカー最終章 旅立ちの彼方へ…』に登場するゴース星人

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映画『ウルトラマンデッカー最終章 旅立ちの彼方へ…』に登場。

  • スーツアクター:橋本拓

『ウルトラマンライブステージ2・宇宙恐竜最強進化!』に登場するゴース星人

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舞台作品『ウルトラマンライブステージ2・宇宙恐竜最強進化!』に登場。

ウルトラセブン』最終回にて基地の爆発に巻き込まれて死亡したゴース星人の1人。ゾフィーからとある卵を与えられ、「その卵から孵った子供を育てる」という条件で生き返らせてもらうが、卵から孵ったゼットン星人の子供を巡り、大事件が起きることになる。

その他の作品に登場するゴース星人

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脚注

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注釈

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  1. ^ 架空の山。日本各地に実在する熊ヶ岳とは無関係である。
  2. ^ 本放送当時(1967年 - 1968年)の世界人口による。
  3. ^ 書籍『ウルトラセブン研究読本』において、池島本人はどのゴース星人を演じたかは記憶が定かでないとコメントしている[15]
  4. ^ 声はデジタル加工によって初代の雰囲気を再現している[23]

出典

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  1. ^ a b c d 白書 1982, p. 55, 「ウルトラセブン 怪獣リスト」
  2. ^ a b c ベストブック 1993, p. 91
  3. ^ a b c d e 画報 上巻 2002, p. 78
  4. ^ a b c d e 幽霊怪人 ゴース星人”. 円谷ステーション. 円谷プロダクション. 2022年11月9日閲覧。
  5. ^ a b c ウルトラ怪獣大全集 1984, p. 29, 「ウルトラセブン 全怪獣」
  6. ^ a b c 大辞典 2001, p. 130
  7. ^ ウルトラセブンイズム 2002, p. 106, 「ウルトラセブン 宇宙人・怪獣大図鑑」
  8. ^ a b ウルトラ怪獣列伝 2008, pp. 306–307, 「全世界を震撼させた史上最大の侵略者 幽霊怪人ゴース星人」
  9. ^ a b c キャラクター大全ウルトラセブン 2012, pp. 126–127, 「第48-49話 史上最大の侵略 前編・後編」
  10. ^ a b c ウルトラセブン研究読本 2012, p. 228, 「ウルトラセブン 宇宙人・怪獣大図鑑」
  11. ^ a b c 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 34
  12. ^ クロニクル 2022, p. 80, 「ウルトラセブン登場怪獣ファイル 宇宙人&アンドロイド/ロボット&怪獣」
  13. ^ a b c d e 大侵略者図鑑 2023, pp. 142–143, 「ゴース星人」
  14. ^ a b ウルトラセブン研究読本 2012, pp. 204–207, 「エピソードガイド第48話・第49話」.
  15. ^ ウルトラセブン研究読本 2012, p. 303, 「ウルトラセブンコメント集」.
  16. ^ シリーズ大図鑑 2015, p. 89.
  17. ^ ウルトラ怪獣列伝 2008, pp. 198–199, 「コラム ヒネったパターンが続出!『ウルトラセブン』の宇宙人のネーミング」.
  18. ^ 『不滅のヒーローウルトラマン白書』(初版)朝日ソノラマ〈ファンタスティック・コレクション・スペシャル〉、1982年12月31日、107頁。雑誌コード:67897-80。 
  19. ^ ウルトラセブン研究読本 2012, p. 156, 「ウルトラセブンメイキング集part2」.
  20. ^ a b c 宇宙人・怪獣”. 『ウルトラマンタイガ』公式サイト. 円谷プロダクション. 2023年7月20日閲覧。
  21. ^ a b タイガ超全集 2020, pp. 2–5, 「宇宙人図鑑 地球に潜んでいた宇宙人たち」
  22. ^ UPM vol.24 2021, p. 26, 「トレギア使役怪獣、ヴィラン・ギルド、宇宙人、怪獣兵器」.
  23. ^ a b c d e Blu-ray『ウルトラマンタイガ Blu-ray BOX II』(バンダイビジュアル BCXS-1490)封入 SPECIAL NOTE(構成・執筆:トヨタトモヒサ)
  24. ^ タイガ超全集 2020, p. 88, 「ウルトラマンタイガ監督インタビュー 武居正能」
  25. ^ a b セブンガーファイト超全集 2021, p. 29.
  26. ^ Blu-ray『ウルトラマンギンガ 1』(バンダイビジュアル BCXS-0787)封入 作品解説書 SPARK NOTES Vol.1。

出典(リンク)

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参考文献

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  • 『不滅のヒーローウルトラマン白書』(初版)朝日ソノラマファンタスティック・コレクション・スペシャル〉、1982年12月31日。雑誌コード:67897-80。 
  • てれびくんデラックス愛蔵版(小学館
    • 『ウルトラ怪獣大全集』小学館〈てれびくんデラックス愛蔵版〉、1984年9月10日。ISBN 4-09-101411-9 
    • ウルトラマンタイガ超全集』構成・間宮尚彦 執筆・大石真司、小学館〈てれびくんデラックス 愛蔵版〉、2020年3月30日。ISBN 978-4-09-105167-7 
    • 『セブンガーファイト超全集』構成・間宮尚彦 執筆・大石真司、小学館〈てれびくんデラックス 愛蔵版〉、2021年7月6日。ISBN 978-4-09-105171-4 ※『ウルトラマンZ完全超全集 ストレイジBOX』所収
  • 『ウルトラセブン ベストブック』竹書房、1993年11月8日。ISBN 4-88475-212-0 
  • 『ウルトラマン大辞典』監修 円谷プロダクション、中経出版、2001年12月21日。ISBN 4-8061-1556-8 
  • 竹書房/ブレインナビ 編『ウルトラマン画報 光の戦士三十五年の歩み』 上巻、竹書房、2002年10月4日。ISBN 978-4-8124-0888-9 
  • 『ウルトラセブンイズム』辰巳出版〈タツミムック〉、2002年11月15日。ISBN 4-88641-779-5 
  • ブレインナビ 編『ウルトラ怪獣列伝 ウルトラマン・ウルトラセブン編』PHP研究所PHP文庫〉、2008年8月18日。ISBN 978-4-569-67071-3 
  • 講談社 編『キャラクター大全 ウルトラセブン』講談社、2012年7月20日。ISBN 978-4-06-217833-4 
  • 『別冊映画秘宝ウルトラセブン研究読本』洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2012年11月29日。ISBN 978-4-8003-0027-0 
  • 大石真司、江口水基・島崎淳・間宮尚彦『円谷プロ全怪獣図鑑』小学館、2013年3月11日。ISBN 978-4-09-682074-2 
  • 『大人のウルトラマンシリーズ大図鑑』マガジンハウス〈MAGAZINE HOUSE MOOK〉、2015年10月25日。ISBN 978-4-8387-5051-1 
  • 講談社 編『ウルトラ特撮 PERFECT MOOK』 vol.24《ウルトラマンタイガ》、講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2021年6月24日。ISBN 978-4-06-520946-2 
  • 『ウルトラセブン・クロニクル』双葉社、2022年11月1日。ISBN 978-4-575-45922-7 
  • 『ウルトラセブン大侵略者図鑑』双葉社、2023年3月25日。ISBN 978-4-575-31780-0 

関連項目

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