チョン (蔑称)
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チョンとは、
概要
[編集]初出は、明治三年に出版された『西洋道中膝栗毛』。
なんだ仮初にも亭主にむかってさっきから人中だと思ッて勘弁すりゃァばかだのちょんだの野呂間だのとモウ此上は堪忍ぶくろの緒が切れた
意味・語源は不詳だが、「ばか」や「のろま」と並置されていることから悪口であろうと推察される。ただ、これ以降の用例も「バカだのチョンだの」「バカでもチョンでも」といった語形が大半であり、「チョン」単独で悪口として使われることはほとんど無かった。
語源説としては、
- 半人前や取るに足らない人のことを芝居の終わりに打つ拍子木の音になぞらえた
- 踊り字の「ゝ」(ちょん)が「漢字にも満たない中途半端な文字」であることから「半人前の人」を指すようになった
- 役務を帳票に記す際、筆頭名主は役職名と姓名を記したのに対して、筆頭以下の同役に対しては「以下同役」の意味で「
ゝ ()」と略記したうえで姓名を記したことに由来する
などがあるが、いずれも根拠に乏しい。
もとは江戸言葉だったと言われることもあるが、三好一光編『江戸語辞典』や、前田勇編『江戸語大辞典』には掲載されていない。
戦後、「バカでもチョンでも」が略された「バカチョン」という表現が広く使われるようになった。
→「バカチョン」も参照
一方、朝鮮人の蔑称としての「チョン」は、1960年代あたりから使われるようになった。やはり語源は不詳だが、「朝公(ちょうこう)」が略されて「チョン公」となったという説がある。[3]
これが「バカチョン」と結びついて、侮蔑的・揶揄的に使われたことで、「バカチョン」も差別語としての意味を有するようになった[1]。こうした事情から、日本国内のメディアでは放送禁止用語の一種としている[1]。
なお、Vacationのローマ字読みが「バカチョン」であり、このことからインスタントカメラのことを「バカチョンカメラ」と呼称することがある。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 『西洋道中膝栗毛』(1870年出版)
- 小林健治「『バカチョン』『チョン』という言葉」『差別語・不快語』にんげん出版〈ウェブ連動式 管理職検定02〉、2011年。ISBN 978-4-931344-31-0。
- 上原善広「チョンコ」『私家版 差別語辞典』新潮社、2011年、217-219頁。ISBN 978-4106036798。