コンテンツにスキップ

リチャード・ブレイアー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
リチャード・ブレイアー
Richard Bleier
ワシントン・ナショナルズ(マイナー)
マイアミ・マーリンズ時代
(2022年5月1日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 フロリダ州ブロワード郡デイビー
生年月日 (1987-04-16) 1987年4月16日(37歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
195 lb =約88.5 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 投手
プロ入り 2008年 MLBドラフト6巡目
初出場 2016年5月30日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム イスラエルの旗 イスラエル
WBC 2013年2023年

リチャード・S・ブレイアーRichard S. Bleier, 英語発音: /ˈrɪt͡ʃɚd ˈblaɪɚ/[1]; 1987年4月16日 - )は、アメリカ合衆国フロリダ州デイビー出身のプロ野球選手投手)。左投左打。MLBワシントン・ナショナルズ傘下所属。

経歴

[編集]

プロ入りとマイナー時代

[編集]

フロリダ・ガルフ・コースト大学英語版3年時に2008年MLBドラフト6巡目(全体183位)でテキサス・レンジャーズから指名され、プロ入り。

2012年9月に開催された第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)予選のイスラエル代表に選出された[2]

2013年12月12日に行われたルール・ファイブ・ドラフトトロント・ブルージェイズから指名され、移籍した[3]

2014年はブルージェイズ傘下、2015年ワシントン・ナショナルズ傘下でプレーした。

ヤンキース時代

[編集]
ニューヨーク・ヤンキース時代
(2016年8月2日)

2015年12月28日にニューヨーク・ヤンキースとマイナー契約を結んだ[4]

2016年の開幕は傘下のAAA級スクラントン・ウィルクスバリ・レイルライダースで迎え、5月26日にメジャー契約を結んで40人枠入りした[5]。5月30日のブルージェイズ戦でメジャーデビュー[4]。同年は全てリリーフで23試合に登板して防御率1.96、WHIP1.04という圧倒的な成績をマーク。ルーキーイヤーから大きな戦力となった。

2017年2月16日にクリス・カーターとの契約に伴い、DFAとなった[6][4]

オリオールズ時代

[編集]
2017年6月7日

2017年2月21日に後日発表選手とのトレードで、ボルチモア・オリオールズへ移籍した[4]。移籍して2登板目に自身初の敗戦を喫したが、次のデトロイト・タイガース戦での登板では1回と2/3回を投げて自身初の勝利を挙げた。前半戦で25登板し、30回と1/3回を投げ防御率1.45を記録した。8月4日にはアメリカンリーグ(ア・リーグ)で40回を投げた投手の中で最も低い防御率1.56を記録した[7]。また、9回あたりの平均奪三振数英語版は4.02でア・リーグの中で最も低く、打者に対する投球数も3.39球とこれもア・リーグの中で2番目に低かった[7]。シーズンでは、57登板で2勝1敗で防御率1.99を記録した[8]。9回あたりの平均奪三振数は3.69と60回以上を投げたア・リーグの投手の中で最も低く、打者に対する投球数も3.45と同じくア・リーグの中で2番目に低かった[8][9]。ゴロ率68.8%はMLBのリリーフ投手の中で二番目に高かった[10]

2018年4月11日

2018年4月、ESPNの記者であるサム・ミラーは「これまで95回を投げてMLB史上最高のERA+英語版を記録している[11]。」と記した。数日後にボルチモア・サン英語版の記者であるジョン・メオリが、「ある測定法では、リチャード・ブレイアーはこれまでのMLBのマウンドに立った投手で統計的に最も良い投手だ。101回以上を投げた投手を比較的恣意的に測定すると、彼の記録した242ERA+は最も良い記録で、防御率1.78も最高だった[12]。」と述べた。6月13日に左広背筋の3級の裂傷と診断された[13]。この怪我は外科的手術が必要であり、シーズン復帰は絶望的となったが、2019年のスプリングトレーニングまでには投げられる目処は立った[14][15][16]。シーズンでは31登板で、3勝0敗9ホールドで防御率1.93を記録した。9回あたりの平均奪三振数は4.13でア・リーグで30回を投げた投手の中で4番目に低かった[17]。打者に対する投球数は3.40とこれもア・リーグの中で2番目に低く、痛打率21.2%はアメリカンリーグの中で3番目に低かった[18][19][20]。2018年シーズン時点では通算で、111登板で防御率1.97で5勝1敗を記録している[21]。100回以上を投げた投手で2016年から2018年にかけての防御率1.97はザック・ブリットンの1.86に次いで最高で、奪三振率11.0%は最も低かった[22][23]。年俸は55.6万ドルになり、2020年の年俸調停の資格を得て、2023年にはFAになる[24]

2019年は怪我から復帰したが、左肩腱炎英語版で4月10日に故障者リストに入っていた。5月16日に復帰したが、復帰直後は調子が不安定だったものの、シーズンが過ぎる内に安定していった[25][26]。この年は53登板(自身初の1先発を含む)に登板して3勝0敗、初セーブを含む4セーブ、防御率5.37とトータルでは不調だったが、オールスター休み明けからは防御率3.68を記録し、9月の12登板では防御率2.92、WHIP0.717で被打率.180を記録した[27][28][26]。またア・リーグで最も打球運に恵まれず、内野守備コーチのホセ・フローレス英語版に守備陣のシフトが悪いことについて罵声を浴びせた後に、シフトを無くして最後の1ヶ月間をプレーしたところ成績が良くなった[25][29][30]。オフの12月にオリオールズと2020年シーズンの単年契約91.5万ドルに合意した[25][31]

2020年は後述の移籍までわずか2試合の登板にとどまった。

マーリンズ時代

[編集]

2020年8月1日に後日発表選手[注 1]とのトレードで、マイアミ・マーリンズへ移籍した[33]。移籍後は19試合に登板して1勝1敗6ホールド、防御率2.63と結果を残した。

2021年はキャリアハイとなる68試合に登板し、3勝2敗、ナ・リーグ10位となる20ホールド、防御率2.95という成績を挙げた。

2022年3月21日にマーリンズと仲裁を回避して2年600万ドル(2022年225万ドル、2023年350万ドル)の延長契約を結んだ[34]。この契約には2024年のクラブオプション375万ドルと25万ドルのバイアウトが含まれる。この年も中継ぎとしてフル回転し、50試合(うち先発1試合)に登板して、2勝2敗1セーブ7ホールド、防御率3.55を記録した。

レッドソックス時代

[編集]

2023年1月30日にマット・バーンズとのトレードで、ボストン・レッドソックスに移籍した[35]。また、3月に開催された第5回ワールド・ベースボール・クラシックイスラエル代表として出場した[36]。この年は4月の防御率が6点台と調子が上がらず[37]、5月22日に左肩の炎症により負傷者リストに入った。2か月後の7月17日にチームに復帰したが復帰後も苦戦は続き、8月7日にDFAとなり、8月9日に放出された[38]

カブス傘下時代

[編集]

2023年8月17日にシカゴ・カブスとマイナー契約を結んだ[4]。AAA級アイオワ・カブスで5試合に登板したが防御率6.35に終わり、8月30日に自由契約となった[4]

ナショナルズ傘下時代

[編集]

2024年2月1日にワシントン・ナショナルズとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[39]

投球スタイル

[編集]
投球データ 2022年[40]
球種 割合 平均球速 最高球速
% mph km/h mph km/h
シンカー 48.6 89.8 144.5 92.3 148.5
カッター 23.4 87.3 140.5
スライダー 15.9 77.7 125
チェンジアップ 6.9 82.9 133.4
フォーシーム 5.2 90.8 146.1

最速92.5mph[41](約148.9km/h)の速球にカッタースライダーを中心に投球する。

詳細情報

[編集]

年度別投手成績

[編集]




















































W
H
I
P
2016 NYY 23 0 0 0 0 0 0 0 2 ---- 92 23.0 20 0 4 0 1 13 0 0 6 5 1.96 1.04
2017 BAL 57 0 0 0 0 2 1 0 3 .667 265 63.1 62 6 13 3 4 26 5 0 23 14 1.99 1.18
2018 31 0 0 0 0 3 0 0 9 1.000 133 32.2 36 0 4 1 1 15 1 0 7 7 1.93 1.22
2019 53 1 0 0 0 3 0 4 5 1.000 235 55.1 65 6 8 2 4 30 1 0 34 33 5.37 1.32
2020 2 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 11 3.0 1 0 0 0 1 4 1 0 0 0 0.00 0.33
MIA 19 0 0 0 0 1 1 0 6 .500 56 13.2 13 0 4 1 0 7 1 0 6 4 2.63 1.24
'20計 21 0 0 0 0 1 1 0 6 .500 67 16.2 14 0 4 1 1 11 2 0 6 4 2.16 1.08
2021 68 0 0 0 0 3 2 0 20 .600 225 58.0 51 4 6 3 3 44 1 0 20 19 2.95 0.98
2022 55 1 0 0 0 2 2 1 7 .500 222 50.2 63 3 10 3 1 32 3 3 22 20 3.55 1.44
2023 BOS 27 0 0 0 0 1 0 0 2 1.000 132 30.2 37 5 5 1 3 16 3 0 20 18 5.28 1.37
MLB:8年 335 2 0 0 0 15 6 5 54 .714 1371 330.1 348 24 54 14 18 187 16 3 138 120 3.27 1.22
  • 2023年度シーズン終了時

年度別守備成績

[編集]


投手(P)












2016 NYY 23 1 5 0 0 1.000
2017 BAL 57 5 16 1 2 .955
2018 31 2 3 0 1 1.000
2019 53 4 8 0 0 1.000
2020 2 0 0 0 0 ----
MIA 19 0 4 0 0 1.000
'21計 21 0 4 0 0 1.000
2021 68 6 8 0 0 1.000
2022 55 6 7 0 0 1.000
2023 BOS 27 2 4 1 1 .857
MLB 335 26 55 2 4 .976
  • 2023年度シーズン終了時

背番号

[編集]
  • 50(2016年 - 同年途中)
  • 54(2016年途中 - 同年終了)
  • 48(2017年 - 2020年7月31日)
  • 35(2020年8月4日 - 2023年)

代表歴

[編集]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 2020年9月18日にアイザック・デレオンと発表されている[32]

出典

[編集]
  1. ^ 英語のIPA発音記号変換(アメリカ英語)”. tophonetics.com. 2020年10月2日閲覧。
  2. ^ 2012 Qualifier Roster Archived 2015年2月19日, at Archive.is WBC公式サイト (英語) 2015年5月18日閲覧
  3. ^ Jonathan Mayo (2013年12月12日). “Rule 5 Draft has a little bit of everything” (英語). MLB.com. 2014年1月29日閲覧。
  4. ^ a b c d e f MLB公式プロフィール参照。2024年2月25日閲覧。
  5. ^ David Dorsey (2016年5月26日). “FGCU grad Richard Bleier to pitch for New York Yankees”. News-Press.com. 2016年5月31日閲覧。
  6. ^ Joe Trezza (2017年2月16日). “Yankees sign slugger Carter to one-year deal” (英語). MLB.com. 2017年2月17日閲覧。
  7. ^ a b Ethel Hilsenroth (August 4, 2017). "For ERA leader Richard Bleier, strikeouts don’t matter," Jewish Baseball News.
  8. ^ a b "2017 MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders," ESPN.
  9. ^ "2017 MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders," ESPN.
  10. ^ Matt Kremnitzer (October 5, 2017). "Can The Orioles Rely On Richard Bleier?", Camden Depot.
  11. ^ Sam Miller (April 11, 2018). "Your New Favorite Reliever Power Rankings: Eight guys to love you've never heard of," ESPN.
  12. ^ Jon Meoli (April 21, 2018). "Despite historic start to career, Orioles reliever Richard Bleier taking no time to reflect," Baltimore Sun.
  13. ^ "Orioles notes: O'Day to have season-ending hamstring surgery," Baltimore Sun.
  14. ^ David Ginsburg (June 15, 2018) "Orioles LHP Bleier likely out for year with shoulder injury" APNews.
  15. ^ "Roch Kubatko on Twitter" (June 16, 2018)
  16. ^ "Orioles' Richard Bleier: Begins to throw," CBS Sports, November 10, 2018.
  17. ^ "2018 MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders," ESPN.
  18. ^ "2018 MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders," ESPN.
  19. ^ "American League Leaderboards » 2018 » Pitchers » Batted Ball Statistics," FanGraphs Baseball.
  20. ^ David Laurila (May 27, 2018). " Richard Bleier’s Brilliance is Unique (and Under the Radar)," FanGraphs Baseball.
  21. ^ Andrew Sodergren (June 28, 2018). "Injury ends former Eagles pitcher, Orioles' Richard Bleier's season," Naples News.
  22. ^ "Major League Leaderboards » 2018 » Pitchers » Standard Statistics," FanGraphs Baseball.
  23. ^ "Major League Leaderboards » 2018 » Relievers » Advanced Statistics," FanGraphs Baseball
  24. ^ Alex Church (October 10, 2018). "Reliever Richard Bleier continued to impress before a season-ending injury," Camden Chat.
  25. ^ a b c Jon Meoli. "Orioles agree to 2020 contract with Richard Bleier to avoid arbitration ahead of Monday’s deadline," Baltimore Sun.
  26. ^ a b Richard Bleier Stats, Fantasy & News”. MLB.com. 2020年3月10日閲覧。
  27. ^ Richard Bleier Stats”. Baseball-Reference. 2019年12月21日閲覧。
  28. ^ Sk, Andrea (2019年10月18日). “Will the real Richard Bleier please stand up?”. Camden Chat. 2019年12月21日閲覧。
  29. ^ "Another Orioles Blowup in the Dugout," Baltimore Sun.
  30. ^ Chris Thompson (August 29, 2019). “Another Pissed Orioles Player Had To Be Separated From Another Pissed Orioles Coach”. Deadspin. December 21, 2019閲覧。
  31. ^ Jozwiak, Harrison (December 19, 2019). “The Orioles aren’t getting big contributions from their highest paid players”. Camden Chat. December 21, 2019閲覧。
  32. ^ Joe Trezza (2020年9月18日). “O's announce PTBN for Bleier, Givens” (英語). MLB.com. 2020年9月20日閲覧。
  33. ^ Joe Frisaro (2020年8月1日). “Marlins acquire 2 relievers; Díaz not playing” (英語). MLB.com. 2020年8月2日閲覧。
  34. ^ Joe Trezza (2022年3月24日). “Bleier signs 2-year extension; other arbitration updates”. MLB.com. 2024年2月25日閲覧。
  35. ^ Ian Browne (2023年1月31日). “Sox acquire Bleier from Miami for Barnes”. MLB.com. 2023年4月26日閲覧。
  36. ^ Scott Barancik (2022年7月21日). “Israel's roster swelling with stars; Joc Pederson, Harrison Bader among recent WBC commits”. Jewish Baseball News. 2023年4月26日閲覧。
  37. ^ Richard Bleier 2023 Pitching Splits”. Baseball-Reference.com. 2024年2月25日閲覧。
  38. ^ Darragh McDonald (2023年8月9日). “Red Sox Release Richard Bleier”. MLB Trade Rumors. 2024年2月25日閲覧。
  39. ^ Anthony Franco (2024年2月1日). “Nationals, Richard Bleier Agree To Minor League Deal”. MLB Trade Rumors. 2024年2月25日閲覧。
  40. ^ Richard Bleier Statcast, Visuals & Advanced Metrics | MLB.com” (英語). baseballsavant.com. 2022年10月10日閲覧。
  41. ^ 2021年に計測

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]

pFad - Phonifier reborn

Pfad - The Proxy pFad of © 2024 Garber Painting. All rights reserved.

Note: This service is not intended for secure transactions such as banking, social media, email, or purchasing. Use at your own risk. We assume no liability whatsoever for broken pages.


Alternative Proxies:

Alternative Proxy

pFad Proxy

pFad v3 Proxy

pFad v4 Proxy