ロティ・バカール
| ロティ・バカール (roti bakar) | |
|---|---|
 挟む前のロティ・バカール。左のパンにはバター、右のパンにはピーナツバターとカヤが塗られている。 | |
| 別名 | ロティ・カウィン (roti kahwin)[1] |
| 種類 | トースト |
| 発祥地 | オランダ領東インド（現代のインドネシア）[2] |
| 地域 | 海域東南アジア |
| 関連食文化 | ブルネイ、インドネシア、マレーシア、シンガポール |
ロティ・バカール（roti bakar（→焼いたパン））、もしくはロティ・カウィン（roti kahwin）とは、海域東南アジアで食べられている白パンのトーストの一種を指すインドネシア語およびマレー語の名前である。ブルネイ、インドネシア、マレーシア、シンガポールのような国々において朝食や軽食として広く食べられている。多くの地域でかつてはパンを炭火で炙って作っていたが、現代技術の普及とともにその習慣は廃れた[1]。
ロティ・バカ―ルに塗るスプレッドとしては、砂糖、マーガリン、バター、チーズ、ピーナツバター、チョコレートスプレッド、カヤジャムなどがよく使われる。
種類
[編集]インドネシア
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インドネシアのロティ・バカールはトーストした白パンで具を挟んだサンドイッチの一種で、軽い朝食やストリートフードとしてよく食べられている。オランダ植民地時代に前日の残り物のパンを美味しく食べるために生まれた食べ方で、バター、練乳、オランダ風チーズを挟むのが一般的だった[2]。インドネシアの独立後は、古くなったパンを無駄にしないためではなく食べ方の選択肢の一つとしてパンをトーストするようになり、それとともにロティ・バカールも定着した[2]。
現代では好みによってさまざまなバリエーションが生み出されており、ハーゲルスラッハ（顆粒状のチョコレート）、砕いたオレオクッキー、チョコレートシロップなども用いられる[2]。鉄板で焼いたトーストに好みのスプレッドを挟んで売る屋台が存在する[3]。カフェなどでは生のフルーツを用いたものも食べられる[4]。
マレーシアとシンガポール
[編集]マレーシアではココナッツジャム（カヤ）と冷やしバターを挟んだロティ・バカールが人気である[5]。このタイプのロティ・バカールはシンガポールで海南人移民が作り出したカヤトーストをサンドイッチにしたものに近い。現代では店によってクロワッサン、海南風の食パンや包子、全粒粉パンなど多様なパンで作られる[6]。
マレーシアの中でもコーヒー文化が盛んなペラ州のイポーでは[7]、ロティ・バカールに地元産の茶もしくは名物のイポーホワイトコーヒーと半熟卵を添えるのが、朝食や午後のティータイムにおけるコピティアム（喫茶店）の定番である[8][9]。
バリエーションにロティ・ティタブがある。焼き立ての厚切りトーストの四隅にカヤを塗り、中央に半熟卵を落としたものである[10]。
脚注
[編集]- ^ a b Latip (2021年3月30日). “Kopi giling dan roti bakar kayu arang tarikan ke Sarikei” (マレー語). BH Online. 2024年11月8日閲覧。
- ^ a b c d Senja (2018年10月11日). “Sejarah Roti Bakar di Indonesia, Awalnya dari Roti yang Tak Segar” (インドネシア語). travel.kompas.com. 2024年11月8日閲覧。
- ^ “夜な夜な食べたくなる⁉ カロリー大爆発と噂の「ロティバカール」 バリ島”. バリ王 (2023年5月15日). 2024年11月9日閲覧。
- ^ “南島で出会う。ラーメンとパン”. 山崎製パン. 2024年11月10日閲覧。
- ^ Mah (2021年1月5日). “From mocha to matcha, there's a bagel for every taste at this Seri Kembangan café”. Malay Mail. 2024年11月8日閲覧。
- ^ “10 Traditional & Hipster Kopitiams In Klang Valley To Satisfy Your Roti Bakar Cravings”. Says (2021年5月10日). 2024年11月8日閲覧。
- ^ “The perfect pour: Exploring Malaysia’s coffee culture”. Myliberica (2023年9月22日). 2024年11月8日閲覧。
- ^ Mah (2021年1月7日). “'Roti bakar' and 'tau foo fa': How the simple pleasures of Ipoh never change”. Malay Mail. 2024年11月8日閲覧。
- ^ Mah (2020年11月5日). “How specialty coffee is quietly thriving in Ipoh, even without tourists”. Malay Mail. 2024年11月8日閲覧。
- ^ Zul (2018年1月2日). “A toasty affair in Kota Baru”. New Straits Times. 2024年11月8日閲覧。