コンテンツにスキップ

形質細胞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
形質細胞

形質細胞(けいしつさいぼう、: plasma cell)は、B細胞が分化した細胞。分泌型免疫グロブリンの合成と分泌に特化しており、膜結合型免疫グロブリンやMHC II は発現されなくなる[1]

は偏在し、車軸核と呼ばれる。細胞質が大きく、免疫グロブリンが大量に存在する。小胞体に富んでいる。急性炎症末期から慢性炎症の病巣に出現する炎症細胞の1つでもある。B細胞-免疫芽細胞-形質細胞系は液性免疫に関与する。 血流やリンパ系によって輸送される。他のすべての血球系細胞と同じく骨髄に由来するが、これらの細胞はB細胞として骨髄を離れ、一般的にはリンパ節で最終分化する。形質細胞の腫瘍化したものは、形質細胞腫/多発性骨髄腫(multiple myeloma)と呼ばれる[2]

1918年パンデミックインフルエンザウイルススペインかぜ)に対する高齢者の抗体産生細胞の解析から、非常に長寿命(90年以上)であることが明らかになった[3]

発生

[編集]

骨髄を離れたのち、B細胞は抗原提示細胞として働き抗原を取り込む。これらの抗原はB細胞に受容体介在性エンドサイトーシス英語版によって取り込まれ、処理される。病原体の断片(今日では抗原性ペプチドとして知られる)はMHC II に担持され、細胞表面でヘルパーT細胞に提示される。これらのT細胞はMHC II/抗原複合体に結合し、B細胞を活性化する。この時、B細胞は中心芽細胞を経て記憶B細胞、ないしは形質細胞に分化するが、TH2細胞の産生するIL-5, および-6で活性化されたものが形質細胞に分化する。この形質細胞への分化はリンパ節の髄索で起こる。

参考文献

[編集]
  • 日本獣医解剖学会編集 『獣医組織学 改訂第二版』 学窓社 2003年 ISBN 4-87362-113-5
  1. ^ Parham, Peter『エッセンシャル免疫学』笹月健彦、メディカル・サイエンス・インターナショナル、2007年。ISBN 978-4-89592-470-2 
  2. ^ Ikei menekigaku.. Yata, junichi., 矢田, 純一(1934-). ISBN 978-4-498-10606-2. OCLC 1102104752. https://www.worldcat.org/oclc/1102104752 
  3. ^ Yu, Xiaocong; Tsibane, Tshidi; McGraw, Patricia A.; House, Frances S.; Keefer, Christopher J.; Hicar, Mark D.; Tumpey, Terrence M.; Pappas, Claudia et al. (2008-09). “Neutralizing antibodies derived from the B cells of 1918 influenza pandemic survivors” (英語). Nature 455 (7212): 532–536. doi:10.1038/nature07231. ISSN 0028-0836. PMC 2848880. PMID 18716625. http://www.nature.com/articles/nature07231. 

関連項目

[編集]


pFad - Phonifier reborn

Pfad - The Proxy pFad of © 2024 Garber Painting. All rights reserved.

Note: This service is not intended for secure transactions such as banking, social media, email, or purchasing. Use at your own risk. We assume no liability whatsoever for broken pages.


Alternative Proxies:

Alternative Proxy

pFad Proxy

pFad v3 Proxy

pFad v4 Proxy