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渡辺喜恵子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
渡辺 喜恵子
プリンス自動車販売『プリンス』第11巻第3号(1964)より
誕生 栗生澤 喜惠子
(1913-11-06) 1913年11月6日
秋田県仙北郡檜木内村(後の西木村、現仙北市
死没 (1997-08-08) 1997年8月8日(83歳没)
職業 小説家
最終学歴 能代高等女学校卒業
代表作 「馬淵川」(1959年
主な受賞歴 第41回直木三十五賞(1959年)
活動期間 1942年 - 1997年
配偶者 あり(死別)
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渡辺 喜恵子渡邊 喜惠子、わたなべ きえこ、1913年(大正2年)11月6日 - 1997年(平成9年)8月8日)は日本の小説家。本名は木下喜惠子。秋田県出身者として初めて、直木賞を受賞した。

略歴

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秋田県仙北郡檜木内村(後の西木村、現:仙北市)生まれ。2歳の時、父・栗生沢米太郎が鷹巣町(現:北秋田市)に木材工場を創業し転居する。能代高等女学校(現:秋田県立能代北高等学校)卒業後の1931年(昭和6年)に上京。1935年(昭和10年)、画学生・渡辺茂との結婚のため広島へ転地する。しかし、1939年(昭和14年)、25歳のときに夫が病死。1942年(昭和17年)、亡き夫のことを綴った短編小説集『いのちのあとさき』を刊行し創作活動に入る。1944年(昭和19年)春、母の故郷、岩手県二戸郡石切所村(後に福岡町を経て二戸市)に疎開。

戦後、再上京、同人誌「明日」「三田文学」に拠って文学活動を行う。1959年(昭和34年)『馬淵川』で第41回直木賞受賞。『みちのく子供風土記』には幼少時の鷹巣のことなども記載されている。長編三部作『原生花園』のほかに、画家青木繁を描いた『海の幸』がある。

主な作品に『プルメリアの木陰に』、『南部女人抄』、『啄木の妻』、長編歴史小説『南部九戸落城』などがある。

1983年(昭和58年)に「秋田の文学振興に役立ててほしい」との意向のもと、1千万円を秋田魁新報社に寄託。秋田魁新報社は翌1984年(昭和59年)、創刊110年を記念して1千万円を拠出、計2千万円で基金を設立して「さきがけ文学賞」を創設した。趣旨は「広く全国から新人作家を発掘し、秋田県内の文学創作活動の振興、ひいては芸術文化の向上に一助とする」というもの。1985年(昭和60年)に、秋田魁新報社は基金に1千万円を追加(基金総額3千万円)して財団法人「さきがけ文学賞渡辺喜恵子基金」を設立。

2012年4月に公益財団法人さきがけ文学賞渡辺喜恵子基金」に移行している[1]

受賞歴

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  • 『馬渕川』で第41回直木賞1959年(昭和34年)上半期)を受賞。

著書

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  • 『いのちのあとさき』国文社 1942年
  • 『末の松山』丹頂書房 1948年
  • 『馬淵川』光風社 1959年 のち旺文社文庫
  • 『地蔵流し』光風社 1960年
  • 『白と紫』講談社 1960年
  • 『京おとこ 大谷竹次郎物語』アルプス 1963年
  • 『饑渇っ子』光風社 1964年
  • 『黝い血』あすなろ社 1967年
  • 『みちのく子供風土記』文化服装学院出版局 1969年 のち旺文社文庫
  • 『原生花園〈全3部〉』文化服装学院出版局 1969年
ポーラテレビ小説『原生花園 アンラコロの歌』(1972年)の原作[2]
  • 『海の幸』新潮社 1971年
  • 『湯治場風土記』日本交通公社 (ベルブックス) 1972年
  • 『プルメリアの木陰に』新潮社 1974年
  • 『タンタラスの虹』新潮社 1975年
  • 『南部女人抄』光風社書店 1975年
  • 『風に咲くプァマレ』新潮社 1976年
  • 『夜明けの河』新潮社 1979年4月
  • 『啄木の妻〈全3巻〉』毎日新聞社 1980年
  • 『北国食べ物風土記』女子栄養大学出版部 1981年12月
  • 『暮らしのつくろい手ばたらき』文化出版局 1983年4月
  • 『万灯火』毎日新聞社 1986年3月
  • 『南部九戸落城』毎日社聞社 1989年
  • 『旅』秋田魁新報社 1991年8月

脚注

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関連項目

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  • 千葉治平 第54回(1965年)秋田県出身者で2人目の直木賞受賞者。渡辺喜恵子と同じ仙北市出身。
  • 西木正明 第99回(1988年)秋田県出身者で3人目の直木賞受賞者。渡辺喜恵子と同じ仙北市出身。
  • 石川達三 第1回(1935年)芥川賞受賞者。秋田県横手市出身。2023年現在秋田県出身者としては唯一の芥川賞受賞者。
  • 日本の小説家一覧

外部リンク

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