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源英明

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 
源英明
時代 平安時代前期 - 中期
死没 天慶2年2月25日939年3月18日
官位 従四位上左近衛中将
主君 醍醐天皇
氏族 宇多源氏
父母 父:斉世親王、母:菅原道真三女・寧子
兄弟 庶明英明
藤原道明
清時、幹時、忠時、堯時、藤原元名室、藤原助信
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源 英明(みなもと の ふさあきら/つねよし)は、平安時代前期から中期にかけての貴族歌人宇多天皇の孫。上総太守斉世親王の長男。官位従四位上左近衛中将

経歴

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昌泰4年(901年)の昌泰の変により、父・斉世親王が舅である菅原道真に連座して出家。それに伴い、幼年時代は不遇であった。

16歳で従四位下に叙せられ、翌年に侍従に任ぜられる。醍醐天皇の信任厚く、延喜23年(923年右近衛中将延長5年(927年蔵人頭と要職を歴任した。延長8年(930年)醍醐天皇から朱雀天皇への譲位に伴って蔵人頭を辞する。承平元年(931年宇多上皇崩御すると以降は不遇で[1]、承平4年(934年)左近衛中将に遷るが、結局公卿への昇進は叶わなかった。

天慶元年(938年)7月頃から病となり[2]、翌天慶2年(939年)2月25日卒去[注釈 1][2]。最終官位は左近衛中将従四位上。

人物

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父の真寂法親王が執筆していた『慈覚大師伝』を遺言として委ねられ、これを完成させた。清書小野道風に依頼したが、装丁ができないうちに英明自身も没したという[4]

漢詩に優れ「詩境には無限上手なり」と評された[4]。『扶桑集』『本朝文粋』『類聚句題抄』『和漢朗詠集』『新撰朗詠集』『作文大體』『和漢兼作集』などに数十首の漢詩作品が採録されている[5]。家集『源氏小草』(全五巻)があったとされるが伝わらない[6]。不遇の詩人橘在列と親交があった。勅撰歌人として、『後撰和歌集』に和歌作品1首が入集している[7]

官歴

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系譜

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脚注

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注釈

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  1. ^ 『玉類抄』引用の『吏部王記』逸文原文は天慶2年の記事とするが、『本朝皇胤紹運録』『尊卑分脈』がいずれも天慶3年没とされてきたため、誤りと考えられてきた(『史料纂集』)。しかし、天慶2年11月3日に異母弟の源庶明が兄の代わりに完成した『慈覚大師伝』を延暦寺に献上した際に出された献納状(現行の写本では奥書として記載)に「英明朝臣去春卒去」と記していること、受け取ったとされる天台座主尊意は天慶3年2月24日に亡くなっており、英明が天慶3年に死没したとすると1日とは言え尊意の方が先に亡くなったことになってしまう。以上の事情から、『本朝皇胤紹運録』『尊卑分脈』の没年に誤りがあり、『吏部王記』の死没記事の天慶2年という年次は正しいことになる[3]

出典

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  1. ^ 『日本人名大辞典』
  2. ^ a b c 『吏部王記』
  3. ^ 古藤(本郷)[2024: 621ー624]
  4. ^ a b 『朝日日本歴史人物事典』
  5. ^ 甲田[1988: 295]
  6. ^ 『本朝文粋』8,序甲,書序
  7. ^ 『勅撰作者部類』
  8. ^ a b c 『近衛府補任』
  9. ^ 『職事補任』
  10. ^ 『皇代暦』

参考文献

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  • 『国史大辞典 第13巻』吉川弘文館 国史大辞典編集委員会(編)ISBN 4642005137
  • 甲田利雄『校本江談抄とその研究下』続群書類従完成会、1988年
  • 宮崎康充編『国司補任 第三』続群書類従完成会、1990年
  • 市川久編『近衛府補任 第一』続群書類従完成会、1992年
  • 古藤真平「斉世親王の出家に関する一考察」本郷真紹(監修)山本崇・毛利憲一(編)『日本古代の国家・王権と宗教』法蔵館、2024年、611-629頁。ISBN 978-4-8318-6281-5
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