田村和人
田村 和人(たむら かずと、1957年[1] - )は、日本の社会情報学者、映像制作者、東京経済大学コミュニケーション学部教授。長らく日本テレビ放送網に在籍し、放送とIT、インターネットの交差する局面で様々な業務に取り組んだ経歴をもつ。
経歴
[編集]1981年に早稲田大学政治経済学部を卒業して、日本テレビ放送網に入社し、以降、制作局、人事部、経営企画部門、フォアキャスト・コミュニケーションズ常務取締役等を経て日本テレビ放送網株式会社 編成局デジタルコンテンツセンター長[2]。
この間、1990年代には大学院に籍を置いて学び、1994年には上智大学から修士(新聞学)を、1996年には東京大学から修士(社会学)を取得し、さらに、東京大学人文社会系研究科博士課程に進んで、2000年に満期退学した[3]。この時期には、日本テレビの社内で、若手を中心にマルチメディアへの実験的な取り組みをおこなう研究会の中心として活動し[4]、インターネットの普及が本格化するとメディア企画局総合計画部にあって日本テレビの大容量回線導入を主導した[5]。
2000年代には、橋元良明、是永論、小室広佐子、吉田暁生、元橋圭哉とともに、放送倫理・番組向上機構 (BPO) の委託を受けた「番組視聴実態300人調査」に取り組んだ[6]。
2006年には、日本テレビ傘下のネット事業会社であるフォアキャスト・コミュニケーションズの設立に携わり、さらに動画配信サービス「第2日本テレビ」の建て直しに尽力し、テレビ番組との連動など、テレビ局の動画配信サイトとしての特色を打ち出して業績を復調させた[7]。その後も、編成局デジタルコンテンツセンター長、メディア戦略局IT推進センター長などを歴任し、情報配信やデータ放送など、放送局の立場からITやインターネットの事業化に取り組んだ[2][8]。
2019年に東京経済大学コミュニケーション学部教授となった[3]。担当するゼミは、映像制作実習を中心に運営されている[9]。
2020年に開学した情報経営イノベーション専門職大学では、「超客員教授」という肩書きの客員教員を務めている[1]。
脚注
[編集]- ^ a b 「客員教員 田村 和人超客員教授」情報経営イノベーション専門職大学。2023年3月30日閲覧。
- ^ a b “田村和人(たむら・かずと)日本テレビ放送網株式会社 編成局デジタルコンテンツセンター長”. academyhills / 森ビル. 2020年10月18日閲覧。
- ^ a b c “教授 タムラ カズト 田村 和人”. 東京経済大学. 2020年10月18日閲覧。
- ^ 「日本テレビ双方向TV放送――スポーツ中継で実験(ニューメディア最前線)」『日経産業新聞』1994年3月15日、6面。「「現段階で確立された技術を使ってどこまで双方向テレビが可能なのかを試してみた」。日本テレビ経営計画部の田村和人氏は言う。同社では昨年から若手クラスを中心にマルチメディアの研究会を発足させ、放送局にとってマルチメディアがどんな影響を与えるかを分析してきた。今回の実験もその一環だ。」 - 日経テレコン21にて閲覧
- ^ 「インターネット特集――今後の課題、安全性に不安(サイバースペース革命)」『日経産業新聞』1996年4月11日、19面。「日本テレビ放送網も大容量回線を導入する予定。理由は「アクセスが増えており、インターネットで画像による情報サービスを提供、双方向の通信も増えるから」(メディア企画局総合計画部の田村和人氏)という。画像伝送のためには、さらに容量の拡充が要求されるというわけだ。」 - 日経テレコン21にて閲覧
- ^ 橋元良明. “第1部 青少年委員会調査発表 「"デジタルネイティブ" はテレビをどう見ているか? 〜番組視聴実態300人調査〜」報告” (PDF). BPO番組倫理・番組向上機構. 2020年10月18日閲覧。
- ^ 「「第2日本テレビ」正念場――TV連動強化、巻き返し狙う(エンタビジネス)」『日経産業新聞』2006年11月6日、2面。「今年七月、グループのネット事業会社、フォアキャスト・コミュニケーションズの立ち上げを手掛けた田村和人氏を抜てき。土屋氏の後任に充てた。田村氏は土屋氏が敷いた「サブカル路線」に加え、テレビ番組との連動コンテンツを拡充。八月には「二十四時間テレビ」との連動企画を打ち出した。八月の月間利用者数は八十七万七千人まで急上昇。秋に始まった音楽番組「ミュージック・ラバーズ」では、第2日テレで番組のダイジェストを好きな時に視聴できる配信サービスを始めた。」 - 日経テレコン21にて閲覧
- ^ 「日本テレビ放送網(会社人事)」『日本経済新聞・朝刊』2010年6月15日、12面。 - 日経テレコン21にて閲覧
- ^ “映像制作の基礎(演習2年) 映像制作上級および卒業制作 (演習3・4年および卒業制作)”. 東京経済大学. 2020年10月18日閲覧。