白十字 (国立市の洋菓子店)
旧店舗の外観。2015年撮影。 | |
種類 | 特例有限会社 |
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本社所在地 |
日本 〒184-0004 東京都国立市中1-9-68 |
業種 | 食料品 |
法人番号 | 2012402006489 |
事業内容 | 洋菓子製造販売 |
外部リンク | http://www.kunitachihakujuji.com/ |
沿革
[編集]東京都国立市、国立駅南口の大学通りに所在する喫茶店、洋菓子店である。
1955年、銀座の喫茶店「白十字」で修行した創業者の山井和夫が、現在地から少し北の場所に17坪の洋菓子店兼喫茶店を開業した[1]。そして山井は声楽家の佳代子と結婚し、夫婦で一緒に洋菓子づくりに従事し、新作菓子に「ノクターン」、「コッペリア」、「メヌエット」など音楽にまつわる名前を付けた[2][3][4]。
その後、1972年に、東京都国立市中1-9-43 の国立ビルに本店を移すとともに[5]、国立駅北口にケーキの販売を行なう支店を設けたが[1]、その直後の1985年に山井和夫は死去し[2]、経営は妻の佳代子が社長となって引き継いだ[6]。のちに、長男の山井和恒がフランスでの菓子づくりの修行を経て、白十字の菓子づくりを引き継ぎ[2]、母の後を継いで社長となった[7]。
この間、「“国立”らしいお菓子」として、「桜サブレ」、「国立物語」、「くにたちショコラ」、「国立駅のケーキ」を商品に加え、また、音楽にちなむ名の菓子も、「モーツァルトケーキ」、「シンフォニー」、「セレナーデ」などが創作された[3]。
洋菓子店、純喫茶店であるため、酒類は提供せず、食事はサンドイッチやトースト類しかないが[8]、ビールやつまみを持ち込んでのパーティーが行なわれることもあった[9]。
国立ビルの本店は、グランド・ピアノ (YAMAHA G5)[10]があることで知られ[9]、100席以上の客席があり、演奏会などの行事もしばしば催されていた[11]。
本店のほか、菓子販売のみの店舗として国立駅北口店、製造工場に併設された富士見台店があるが、北口店は2014年6月末に閉店した[12]。
店舗の移転と仮営業
[編集]2021年7月4日をもって本店は閉店し、代わって7月6日から新店舗・ブランコ通り店での仮営業が始まった[5]。これは、創業の地へ戻るための一時的移転と説明されている[5]。新店舗は2階が喫茶室となっているが、軽食の提供はおこなわれていない[5]。
言及・評価
[編集]白十字は、一橋大学などが存在する文教都市としての国立において、文化的拠点となった個性的な喫茶店のひとつとされる[13]。
白十字の焼き菓子詰め合わせは、国立市へ1万円以上の寄付をした際に寄付者へ贈られる贈呈品「くにたちStyle」のひとつとして選ばれている[14]。
国立ビルの旧店舗は、国立駅や一橋大学付近に背景画のロケーションを求めたアニメーション映画『おおかみこどもの雨と雪』の中で主人公たちの待ち合わせのロケ地として選ばれ[15]、当時の実際の白十字の看板そのままの喫茶店が登場する[2][11][16]。映画公開後には、看板の写真を撮りにくる客が多数いたという[17]。
NHKが2014年4月27日に放送した『小さな旅 さくら道で〜東京 国立市〜』 では、白十字と山井親子が見どころのひとつとして取り上げられた[18]。
2018年に公開された映画『四月の永い夢』は、国立市を舞台にしており、主人公の滝本初海(朝倉あき)が友人とお茶を飲む場面で、当時の白十字の店舗が使われている[19][20]。
脚注
[編集]- ^ a b “白十字の歴史 1955年創業の白十字”. 白十字. 2014年4月27日閲覧。
- ^ a b c d 市川美亜子 (2013年5月15日). “(ちょっとお茶でも:4)音楽とケーキが育んだ恋”. 朝日新聞・東京朝刊・都区内: p. 30 - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧:朝日新聞デジタル
- ^ a b “国立と「白十字」とわたしと音楽と 人シリーズ/B.N 洋菓子・珈琲の店 白十字 代表取締役 山井 佳代子さん” (2006年4月1日). 2014年7月7日閲覧。
- ^ “[洋菓子・喫茶「白十字」]”. くにまち応援団!. 2014年12月7日閲覧。
- ^ a b c d “仮移転のお知らせ”. 白十字. 2021年9月11日閲覧。
- ^ “[ひと紀行・たま街物語](8)国立駅前大学通り商店街”. 読売新聞・東京朝刊・多摩: p. 30. (2005年3月29日) - ヨミダス歴史館にて閲覧
- ^ “[道を歩けば]大学通り 市民が守る桜並木”. 読売新聞・東京朝刊・多摩: p. 32. (2009年3月31日). "フランスで洋菓子作りを修業した社長の山井和恒(わこう)さん(36)は..." - ヨミダス歴史館にて閲覧
- ^ “白十字喫茶は南口本店に、約100席完備しております”. 白十字. 2014年7月9日閲覧。
- ^ a b “トライベクトル メールマガジン バックナンバー Vol.58 ジャズ多摩 第4回ジャズライブのお知らせ”. トライベクトル. 2014年7月9日閲覧。
- ^ “サロンコンサートのご利用方法について”. 白十字. 2014年7月9日閲覧。
- ^ a b “洋菓子・喫茶の白十字 ようこそ白十字へ”. 白十字. 2014年4月27日閲覧。
- ^ “洋菓子・喫茶の白十字 店舗紹介”. 白十字. 2014年4月27日閲覧。
- ^ “喫茶店:2(中央線の詩 第4部わが街・国立:16) 中央線の詩(うた)沿線の100年”. 朝日新聞・東京朝刊・多摩: p. 35. (2004年4月15日). "「エピキュール」「白十字」「山小屋」といった個性的な喫茶店がまちの文化の発信地になっていった。" - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
- ^ “国立市への寄附方法”. 国立市. 2014年4月27日閲覧。
- ^ 公益財団法人 東京市町村自治調査会 公式HP,『ぐるり39』 No3. 2013年12月発行【COFFEE 白十字CAKE】
- ^ “大学への道 一橋大学(JR国立駅から)”. 毎日新聞社 (2013年12月20日). 2014年4月27日閲覧。
- ^ “白十字の社長がお見えになりました!!”. 上市町観光協会 (2013年10月11日). 2014年5月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年5月9日閲覧。
- ^ “小さな旅 今回の旅 4月27日(日)放送 さくら道で〜東京 国立市〜”. 日本放送協会. 2014年7月8日閲覧。NHKオンデマンドで視聴可能。
- ^ “<ひと ゆめ みらい>多摩地域 大切な場所 国立市が舞台の映画制作・中川龍太郎さん(28)”. 東京新聞. (2018年5月28日) 2018年6月7日閲覧。
- ^ “くにたちロケーションマップ”. 四月の永い夢. Tokyo New Cinema. 2018年6月7日閲覧。
外部リンク
[編集]座標: 北緯35度41分52.2秒 東経139度26分47.0秒 / 北緯35.697833度 東経139.446389度