能動義手
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能動義手(のうどうぎしゅ)は、義手の一種で、機能が残された身体の部分の動きを利用し、任意の動作を可能にするもの[1][2]。
一般的な能動義手は、肩甲骨や肩関節などの動作を、義手の手や肘の動作に変換する[3]。もっぱらハーネスなどの器械的仕組みによって動作し、外部の電力を使って義手を動かす筋電義手とは区別される[3]。「能動式義手」(のうどうしきぎしゅ)という表現も能動義手と同様に用いられる[4]。「能動用義手」という表現が用いられることもあるが、この場合はより広義に、筋電義手など、使用者の筋力以外の動力を利用する義手も含まれる可能性がある[5]。
日本では、特に外見を理由として、能動義手の利用があまり進んでいないとされる[6]。障害者自立支援法に基づいて各地の更生相談所が新規処方する義手の大部分は装飾用であり、能動義手などが占める比率は低い[7]。
入院中にリハビリテーションの一環で使用される能動義手は、特に「訓練用義手」、「仮義手」と呼ばれる[8]。
脚注
[編集]- ^ “製品とサービス 義肢/義手”. 幸和義肢研究所. 2014年3月15日閲覧。
- ^ “義手”. 佐々木義肢製作所. 2014年3月15日閲覧。
- ^ a b 笹尾久美子. “義手のご紹介” (PDF). 埼玉県立大学. 2014年3月15日閲覧。
- ^ 能動義手と同義で「能動用義手」、筋電義手と同義で「電筋電動義手」を用いている文書の例:“平成23年度 義肢等補装具専門家会議 議論概要” (PDF). 厚生労働省. 2014年3月15日閲覧。
- ^ “製作とリハビリテーションの知識 義肢装具の種類 -義手-”. 鉄道弘済会 義肢装具サポートセンター. 2014年3月15日閲覧。
- ^ 「MG113 能動上腕義手をあきらめる前に知っておくべきこと(MG11 義肢・装具1, あたり前のことを知る)」『福祉工学シンポジウム講演論文集』第2007号、日本機械学会、95-96date=2007-09-30、2014年3月15日閲覧。
- ^ 樫本修「障害者自立支援法における筋電義手の支給と課題」(PDF)『日本職業・災害医学会会誌』第61巻第5号、日本職業・災害医学会、2013年、305-308頁、2014年3月15日閲覧。「全国の更生相談所 が 2010 年度に判定した義手の新規処方数は 219 件/年であった。型式では、装飾用 189 件(86.3%)、能動式 11 件(5.0%)、作業用 14 件(6.4%)、筋電 5 件(2.3%)と装飾用が 9 割近くを占め、障害者自立支援法での筋電義手の新規処方件数は極めて少なかった。」
- ^ “はじめての義手-1 義手の構成と仕組みについてご案内します” (PDF). 国立障害者リハビリテーションセンター. 2014年3月15日閲覧。