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サクソン (バンド)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
サクソン

イタリア クレモナ公演(2023年)
基本情報
出身地 イングランドの旗 イングランド
サウス・ヨークシャーバーンズリー
ジャンル ヘヴィメタル
ハードロック
NWOBHM
活動期間 1977年 - 現在
レーベル EMI
Carrere
ロードランナー・レコード
ヴァージン・レコード
SPV/Steamhammer
Militia Guard Music
UDR Music
公式サイト www.saxon747.com
メンバー ビフ・バイフォード (Vo)
ポール・クィン (G)
ダグ・スカーラット (G)
ブライアン・タトラー (G)
ニッブス・カーター (B)
ナイジェル・グロックラー (Ds)
旧メンバー グラハム・オリヴァー (G)
スティーヴ・ドーソン (B)
ほか 別記参照

サクソンSAXON)は、イギリスヘヴィメタルバンドである。

アイアン・メイデン」「デフ・レパード」らとNWOBHMムーヴメントを牽引してきたとされるバンドの一つで、その活動は40年以上に及ぶ[1]

当バンドのほか、離脱したオリジナルメンバーが結成したもう一組の「サクソン」も存在する。

概要

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NWOBHM期

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スウェーデン・セルヴェスボリ公演 (2008年6月)

イングランドヨークシャーのローカル・バンド「COAST」のビフ・バイフォード(Vo)とポール・クィン(G)、「SOB」のグラハム・オリヴァー(G)とスティーヴ・ドーソン(B)が合流し「Son of a Bitch」を結成。そこに「the glitter band」で活動していたピート・ギル(Ds)も加わり、NWOBHMムーヴメント基点の年である1979年、所属レーベル「カレア・レコード」によりバンド名の改名を要求され、「サクソン」名義でデビュー・アルバム『サクソン』発表[2]

1980年に2ndアルバム『ホイールズ・オブ・スティール』発表後にワールドツアーを行い、第1回「モンスターズ・オブ・ロック」に出演。1981年の4thアルバム『デニム・アンド・レザー』は、母国でシルバーディスクを獲得した。アルバムタイトルに代表される楽曲の多くは、バイク乗りをテーマにした歌詞や彼らのスタイルをテーマにしている影響で、ヨーロッパのバイカーによる支持が多かった。

1981年に初来日。同年ピート・ギル(Ds)が脱退し、ナイジェル・グロックラーに交代。

1984年の6thアルバム『CRUSADER』をリリース。北米進出を狙って、当時のLAメタル・ムーヴメントのようなポップを加味した音楽性にシフトしたため、従来のファンから不評を買い低迷期に入る。1986年にスティーヴ・ドーソン(B)が脱退し、同年リリースのアルバム『ロック・ザ・ネイションズ』ではバイフォードがベースも兼任して[3]、その後ポール・ジョンソンが正式ベーシストとして加入した。しかし、ジョンソンは短期間で脱退し、1988年にニッブス・カーターが加入。

1991年の10thアルバム『ソリッド・ボール・オブ・ロック』から徐々に原点に戻り、作品を重ねるごとに良質なヘヴィメタル・アルバムを発表し続ける。1995年のアルバム『ドッグス・オブ・ウォー』リリースの翌年、オリジナルメンバーのグラハム・オリヴァー(G)が解雇される。新たにダグ・スカーラットが加入。

2派に分裂

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その後、離脱したグラハム・オリヴァーとスティーヴ・ドーソンがバンド名の「Saxon」を商標登録し、サクソン名義で活動を展開。問題視した本家バンド側は差し止めを裁判に訴え、バンド名使用で争うようになる。最終的に条件付きのバンド名「Oliver/Dawson Saxon」として活動を認められ、もう一つの「サクソン」が派生した。(#オリヴァー/ドーソン サクソン (Oliver/Dawson Saxon)の節も参照)

2007年、結成30周年。HR/HMフェス『LOUD PARK 07』参加のため、26年ぶりに来日[4]。ファンからの反応が好評で、翌2008年2011年には単独での来日公演を開催した[5]

2012年、バンドの伝記映画『ヘヴィメタル・サンダー』が公開。日本では2016年に上映された[6]

2021年、バンドに影響を与えたクラシック・ロック・バンドの楽曲を取り上げたカヴァー・アルバム『インスピレイションズ』を発表[7]

2022年のアルバム『カルペ・ディエム〜鋼鉄の瞬間〜』は全英アルバムチャートで17位に達し、バンドにとって38年ぶりの全英トップ20アルバムとなった[8]

ポール・クィン引退以降

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2023年4月、ギターのポール・クィンが、長年蓄積されたストレスや疲労による自身のパフォーマンス低下を理由に、ツアー活動からの引退を発表した。ただしバンドから脱退はせず、レコーディング等には参加する意向である[9]。後任には、ダイアモンド・ヘッドのブライアン・タトラーが参加[10]

2024年、正式にタトラーも携わった最初のアルバム『ヘル、ファイア・アンド・ダムネイション』をリリースし、11月には新作に伴った13年ぶりの来日ツアーを開催予定だっだがビザの問題により2025年に延期となった[11][12]

メンバー

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2024年10月時点

現ラインナップ

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旧メンバー

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  • グラハム・オリヴァー (Graham Oliver) - ギター (1977-1996)
  • スティーヴ・ドーソン (Steve Dawson) - ベース (1977-1986)
  • ピート・ギル (Pete Gill) - ドラムス (1977-1981)
  • ポール・ジョンソン (Paul Johnson) - ベース (1986-1988)
  • ナイジェル・ダラム (Nigel Durham) - ドラムス (1988)
  • フリッツ・ランドウ (Fritz Randow) - ドラムス (1999-2004)
  • ヨルグ・マイケル (Jörg Michael) - ドラムス (2004-2005)

ディスコグラフィ

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スタジオ・アルバム

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ライヴ・アルバム

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  • 1982年 『イーグル・ハズ・ランデッド』 - The Eagle Has Landed -英5位
  • 1989年 Rock 'N' Roll Gypsies
  • 1990年 Greatest Hits Live
  • 1998年 The Eagle Has Landed Part2
  • 1999年 BBC Sessions
  • 2006年 The Eagle Has Landed Part3
  • 2012年 Heavy Metal Thunder - Live: Eagles Over Wacken
  • 2014年 St. George’s Day Sacrifice: - Live in Manchester
  • 2016年 Let Me Feel Your Power

オリヴァー/ドーソン サクソン (Oliver/Dawson Saxon)

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オリヴァー/ドーソン サクソン
Oliver/Dawson Saxon
ドイツ・ブランデ=ヘルナーキルヒェン公演 (2014年7月)
基本情報
別名 Son of a Bitch
出身地 イングランドの旗 イングランド
ジャンル ヘヴィメタル
ハードロック
活動期間 1995年 -2021年
レーベル Hengest Records
Phoenix Music
Angel Air Records
公式サイト オフィシャル (OliverDawson-Saxon-163079953711145) - Facebook
メンバー ブリ・ショーネシー (Vo)
グラハム・オリヴァー (G)
ギャヴ・コールソン (G)
スティーヴ・ドーソン (B)
ポール・オリヴァー (Ds)
旧メンバー ピート・ギル (Ds)
ハイドン・コンウェイ (G)、ほか

オリヴァー/ドーソン サクソンOliver/Dawson Saxon)は、「サクソン」のオリジナルメンバー グラハム・オリヴァー(G)とスティーヴ・ドーソン(B)を中心とした「サクソン」名義の派生グループ。

もう1つのサクソン

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1995年、「サクソン」のオリジナルメンバー グラハム・オリヴァー(G)とスティーヴ・ドーソン(B)が、サクソン結成以前に活動したバンド「Son of a Bitch」の再興プロジェクトを開始し、サクソン・オリジナルドラマーのピート・ギルも合流。翌年にサクソンから解雇されたオリヴァーは「Saxon」を商標登録した上で、Son of a Bitchから「サクソン」名義で活動するようになる。

本家の「サクソン」側は当初、楽曲を演奏する程度のライヴまでは寛容な態度をとっていたが、徐々にビジネスを拡大し商標登録もして対抗されたため、バンド名の使用を差し止める訴えを裁判所に起こした。高等裁判所はオリヴァー側が取得した「Saxon」の商標効力を無効にし、バンド名に主宰者名を含めることを義務付け、本家のロゴを使用しないことを条件に活動を許された。

活動は「サクソン」時代の楽曲を主体としたライヴ中心だったが、2012年にOliver/Dawson Saxon名義で初のスタジオ・アルバム『Motorbiker』をリリース。2019年には来日公演も実現している[13]

2021年、ドーソンの引退に伴いバンドは解散し、グラハム・オリヴァーは残りのメンバーと共に「グラハム・オリバーズ・アーミー」(Graham Oliver's Army)を新たに結成。2023年には、サクソンメンバーのポール・クインが特別参加し来日公演を果たした[14]

メンバーの変遷は、旧メンバーを参照のこと。


メンバー

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最終ラインナップ

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  • ブリ・ショーネシー (Bri Shaughnessy) - ヴォーカル (2011- 2021)
  • グラハム・オリヴァー (Graham Oliver) - ギター (1995-2021 ) - 「サクソン」オリジナルメンバー
  • ギャヴ・コールソン (Gav Coulson) - ギター (2016- 2021)
  • スティーヴ・ドーソン (Steve Dawson) - ベース (1995-2021 ) - 「サクソン」オリジナルメンバー
  • ポール・オリヴァー (Paul Oliver) - ドラムス (2010- 2021) - グラハムの息子

旧メンバー

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  • ピート・ギル (Pete Gill) - ドラムス (1995-1999) - 「サクソン」オリジナルメンバー
  • テッド・ブレット (Ted Bullet) - ヴォーカル (1995-1999)
  • ハイドン・コンウェイ (Haydn Conway) - ギター (1995-2016)
  • ケヴ・ムーア (Kev Moore) - ヴォーカル (1999)
  • ナイジェル・ダラム (Nigel Durham) - ドラムス (1999-2010)
  • ジョン・ワード (John Ward) - ボーカル (2000-2011)

サポート

  • カイル・ヒューズ (Kyle Hughes) - ドラムス (2019)

ディスコグラフィ

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スタジオ・アルバム
ライヴ・アルバム

脚注

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  1. ^ Rivadavia, Eduardo. “Saxon - Biography & History”. AllMusic. 2021年7月12日閲覧。
  2. ^ 『Saxon』2009年リマスターCD (50999 6 94443 2 6)英文ライナーノーツ(Jerry Ewing、2008年11月)
  3. ^ O'Brien, Joe (2022年2月7日). “An Interview with Biff Byford of Saxon”. vwmusic. 2023年2月13日閲覧。
  4. ^ NWOBHMのサクソン、26年ぶりの来日公演が決定 - CDjournal
  5. ^ ブリティッシュ・ヘビー・メタルの雄SAXON、8月に日本ツアー決定! - ATOSS
  6. ^ サクソン/ヘヴィメタル・サンダー - シネマトゥデイ
  7. ^ サクソン カヴァーアルバム発売、ZEP/ビートルズ/サバス/ジミヘン等、ストーンズのカヴァーMV公開”. amass.jp (2020年12月13日). 2021年7月12日閲覧。
  8. ^ SAXON | Official Charts
  9. ^ サクソンのギタリスト ポール・クィンがツアー活動から引退”. amass.jp. 2023年5月5日閲覧。
  10. ^ サクソンの新しいツアー・ギタリストはダイアモンド・ヘッドのブライアン・タトラー”. amass.jp. 2023年9月5日閲覧。
  11. ^ サクソンが2024年11月来日。地獄・炎・破滅のヘヴィ・メタル【前編】”. Yahoo! JAPAN山崎智之コラム (2024年9月14日). 2024年10月13日閲覧。サクソンが2024年11月来日。ヘヴィ・メタル・サンダーで脳を満たせ!【後編】”. Yahoo! JAPAN山崎智之コラム (2024年9月16日). 2024年10月13日閲覧。
  12. ^ SAXON サクソン "Hell, Fire And Damnation~天誅のヘル・ファイア~JAPAN TOUR 2024 公演延期!(Ticket)”. 2024年10月27日閲覧。
  13. ^ “もう1つのサクソン”奇跡の来日! OLIVER DAWSON SAXON 2019徹底レポート”. シンコーミュージック (2020年7月13日). 2021年9月7日閲覧。
  14. ^ グラハム・オリヴァー&ポール・クイン、サクソン時代には「2人でとても良い曲を書いてきた」GRAHAM OLIVER’S ARMY来日インタビュー”. 2024年9月5日閲覧。

外部リンク

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