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フェラーリ・400

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フェラーリ・400
400GT/400オートマチック
概要
製造国 イタリアの旗 イタリア
販売期間 1972年 - 1989年
デザイン ピニンファリーナ
ボディ
乗車定員 4名
ボディタイプ 2ドア クーペ
エンジン位置 フロント
駆動方式 後輪駆動
パワートレイン
エンジン
最高出力
最大トルク
変速機 5速MT[注釈 1]
5速MTまたは3速AT[注釈 2][注釈 3][注釈 4]
サスペンション
ダブルウィッシュボーン式
ダブルウィッシュボーン式
車両寸法
ホイールベース 2,700 mm
全長 4,810 mm
全幅 1,800 mm
全高 1,315 mm
車両重量 1,700 kg
その他
ブレーキシステム 前・後共
ディスク式
最高速
系譜
先代 フェラーリ・365GTC/4
後継 フェラーリ・456
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フェラーリ・365GT4・2+2フェラーリ・400フェラーリ・412はいずれも、イタリアスポーツカーメーカー・フェラーリが生産した2+2座席グランツーリスモ。基本的に同じボディ・シャシ設計で1972年から1989年まで生産された。

365GT4・2+2

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365GT4・2+2

365GTB/4(デイトナ)のシャシを用いて作られた2+2バージョンは1971年に登場した365GTC/4になるはずであったが、そのスタイリングは不評で、デイトナの影に隠れた存在になってしまい、わずか2年間に500台が生産されたに過ぎなかった。そこで365GTC/4に代わる2+2モデルとして開発されたのが365GT/4・2+2で、フェラーリの中では実用性の高い豪華なGTカーとしての役割を担う存在である。

デザインは365GTC/4と同じく、フェラーリの慣例通りピニンファリーナが担当した。ファストバックだった365GTC/4とは対照的な、一見2ドアセダンのようなスタイルであったが、クリーンでエレガントなプロポーションを持ち、結果的に非常に長い商品寿命を保つことになった。

エンジンはデイトナと同じフェラーリ伝統の60度V型12気筒で、デイトナが365BBにバトンタッチしてからはフェラーリ唯一のV12フロントエンジン搭載車となった。V型12気筒4カムシャフト・6基のウェーバー製キャブレターによって、最高出力は340PS(デイトナは352PS)であった。

400GT/400オートマチック

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1976年モデルより[注釈 5]排気量が4,823ccに拡大され、1気筒あたり排気量が400ccとなったので400に名称変更された。365GT4・2+2との外観上の大きな違いは、テールランプが従来の6灯からやや大径で308と共通のイメージがある4灯になった点である。また、フェラーリとしては初めて3速ATゼネラルモーターズ製ターボ・ハイドラマティック400(TH400、THM400などと略されることが多い)が選択可能となり、販売台数の上でもAT仕様が多数派となった。このATはGMに限らず、同時期の大出力車で多く採用されたものである。日本にはオートマチック仕様のみ輸入された。

400i

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1979年秋にボッシュKジェトロニック型インジェクションが装着された400iに発展した。オートマチックトランスミッションとの相性が改善され、実用域での扱いやすさが改善し、排気ガスもよりクリーンになったが、最高出力が310PSに低下した。日本にはオートマチック仕様のみ輸入された。

412

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1985年モデルでは[注釈 6]エンジンが再度、512BBと同じ内径φ82mm×行程78mmの4,943ccまで拡大され、名称は1気筒あたりの排気量の増大に合わせて412に変更された。この排気量拡大に伴い、最高出力は400GTと同じ340PSに回復した。また、トランクスペースを嵩上げするため若干ながらボディ後端がハイデッキ化された。内装の意匠も400iから若干変更されており、より近代的な印象を受ける。また、ボッシュ製のABSがフェラーリで初めて装備された。日本にはオートマチック仕様のみ輸入された。

1989年に生産は終了し、1990年以降のカタログから消えたが、1992年に登場した全く新しい設計の456GTがその需要層を継承した。基本的に同じ設計で18年間も生きながらえたのは、エレガントなスタイリング、全面上質なレザー張りの豪華なインテリア、そしてデイトナの生産終了後フェラーリ唯一となったV型12気筒エンジンの魅力によるものであった。

特注/ワンオフモデル

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4ドアモデル

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アメリカの複数のコーチビルダーが4ドアモデルを製作した。

メーラS

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サウジアラビアの王子の注文を受けて、1982年に400iをもとにミケロッティで製作された特注モデル。当時同社に在籍していた日本人チーフデザイナーの内田盾男が内外装をデザインした。

注釈

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  1. ^ a b c d e 365GT4 2+2のデータ[1][2]
  2. ^ a b c d 400GTおよび400オートマチックのデータ[3][4]
  3. ^ a b c d e 400iのデータ[5][6]
  4. ^ a b c d e 412のデータ[7][8]
  5. ^ 1976年モデルなら1975年秋発売だが『外国車ガイドブック'77』には365が掲載されている。p.174、p.208。ただ当時全く弱小市場だった日本での発売が遅れた可能性はある。『外国車ガイドブック1978』はp.172に400オートマチックが輸入されている旨記載があるのみ。
  6. ^ 1985年モデルなら1984年秋発売だが『外国車ガイドブック1985』には400iが掲載されている。

出典

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  1. ^ 『外国車ガイドブック'76』p.215。
  2. ^ 『外国車ガイドブック'76』p.179。
  3. ^ 『外国車ガイドブック'77』p.24。
  4. ^ 『外国車ガイドブック1978』p.172。
  5. ^ 『外国車ガイドブック1981』p.220。
  6. ^ 『外国車ガイドブック1982』p.170。
  7. ^ 『外国車ガイドブック1986』p.210。
  8. ^ 『外国車ガイドブック1986』p.156。

参考文献

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pFad - Phonifier reborn

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