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印旛県

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後年作成された1872年(明治4年)旧12月の行政区画地図における印旛県
後年作成された1872年(明治4年)旧12月の行政区画地図における印旛県

印旛県(いんばけん)は、1871年明治4年)の第1次府県統合の際、下総国内の管轄のために設置された。現在の千葉県北西部と茨城県南西部、および埼玉県東部のごく一部を管轄した。

県庁は印旛郡佐倉(現在の佐倉市)に置くこととされたが、実際には佐倉に県庁が置かれることはなく、数度の移転のすえ最終的には葛飾郡加村(現在の流山市)に置かれた。印旛県は1873年(明治6年)に廃止され、新たに発足した千葉県の一部となった。

沿革

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千葉県流山市にある葛飾県印旛県庁跡の碑。

1871年8月29日(明治4年旧暦7月14日)に廃藩置県が行われ、旧幕府領の県に加え、300にも上る県が成立した。そのために行政に支障を来したことから、明治政府は1871年12月25日(明治4年旧暦11月14日)に府県の統合(第1次府県統合)を実行した。

下総国内では、旧幕府領を管轄する葛飾県、旧藩領を管轄する6県(佐倉県古河県関宿県結城県生実県曾我野県)と国外の県の飛地領を統合し、9郡の区域をもって印旛県が発足した。下総国のうち香取郡匝瑳郡海上郡新治県の管轄となった。

県庁の立地は旧佐倉藩城下町であった印旛郡佐倉に決定し、県名は郡名から定められた。ところが、佐倉に適当な庁舎候補地がなかったことから[注釈 1]、臨時事務所を東京府薬研堀(現東京都中央区東日本橋二丁目)の旧下総知県事仮事務所(薬研堀御役所)に設置。その後、県庁を葛飾郡本行徳村字寺町の徳願寺境内(現在の千葉県市川市本行徳5番22号)に移転したが、交通が不便であったことから、葛飾郡加村字坂之台(現在の千葉県流山市一丁目の流山市立博物館付近)の葛飾県に移転した。一説には、東京から近い場所に県庁を設置したいという県側の思惑があったといわれている。佐倉と関宿には支所が設置された(関宿への設置は翌1872年)。

1873年(明治6年)2月7日、初代県令河瀬秀治群馬県入間県県令に転任すると、隣の木更津県権令柴原和が両県の権令を兼務した。そして、1873年6月15日に印旛県は木更津県と合併されて千葉県が設置され、県庁は両県の境に近い千葉郡千葉町に設置。柴原が引き続き初代権令・初代県令となった。

年表

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●は太政官布告の日付であり、実施日と異なる場合がある。

管轄区域

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人口45万6,689人(房総通史)。区域の詳細は各郡の項目を参照。矢印の右は旧管轄県。●は印旛県の管轄区域外に所在した県の飛地。

歴代知事

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関連項目

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脚注

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注釈

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  1. ^ 宮武外骨は『府藩県制史』(1941年)において、新政府から官吏が佐倉に派遣されて来ることを旧佐倉藩士たちが歓迎せず、県庁設置を妨害したためという説を記している[1]
  2. ^ 「旧高旧領取調帳」によると、金屋村、種村、荒神山村、皿村、高尾村(以上現津山市)、越尾上村、越尾下村、栗子村、金堀村、新城村、原田東村、原田中村、原田西村、西幸村、頼元村(現久米郡美咲町)、北庄山手下村(以上現久米郡久米南町)、小原南村、小原北村(以上現美咲町)、北庄山手上村、北庄里方村、南庄東村、南庄西村、上弓削村、下弓削村、西山寺村、松村、上籾村、上神目村、下籾村、中籾村(以上現久米南町)。
  3. ^ 「旧高旧領取調帳」によると、沢良宜東村、沢良宜西村、水尾村、宇野辺村、馬場村、田中村、目垣村、東蔵垣内村、安威村(いずれも現茨木市)。
  4. ^ 「旧高旧領取調帳」によると、北大道村、小松村、上新庄村、堀村、宮原新家村(いずれも現大阪市東淀川区)。
  5. ^ 「旧高旧領取調帳」によると、平野郷町、猿山新田、喜連村、堀村(いずれも現大阪市住吉区)。
  6. ^ 「旧高旧領取調帳」によると、滝寺村(現神戸市中央区)、篠原村(現神戸市灘区)。

出典

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  1. ^ 宮武外骨『府藩県制史』名取書店、1941年、123頁https://dl.ndl.go.jp/pid/1277286/1/71 
先代
佐倉県古河県関宿県結城県
生実県曾我野県葛飾県
行政区の変遷
1871年 - 1873年
次代
千葉県
1875年に一部が茨城県埼玉県に編入)
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