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BCS賞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

BCS賞(ビーシーエスしょう)は、一般社団法人日本建設業連合会が、日本国内の優秀な建築作品を表彰するものである。BCSは建築業協会の英語表記 "Building Contractors Society" の略称である。

概要

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受賞記念プレート(岩見沢複合駅舎

1960年昭和35年)に、建築業協会の初代理事長であった竹中藤右衛門の発意により創設した。「優秀な建築物を造るためには、設計のみならず、建築主の理解や、施工者の施工技術も重要である」の理念に基づく。

日本国内に建築された建築物で、供用開始後1年を経過したものを選考対象に、学者、ゼネコンらからなる選考委員が受賞作品を選定する。毎年10から20件を選定し、2019年令和元年)の第60回までの受賞作品は、総数958件、うち特別賞71件[1]である。

建築に関わる国内外の表彰において、本表彰は以下の点で独自性を有する。

  1. 選考対象:種類・規模にかかわらず国内において建築された建築物で供用開始後1年以上を経過した建物が応募できる。
  2. 選考基準:建築の事業企画、計画・設計、施工、環境及び建築物の運用・維持管理等に関する総合評価を旨とする。
  3. 表彰対象:建築主・設計者・施工者の3者を表彰する。これは、建築物が社会的価値のあるものとして作られ、長く使われ続けるには、都市形成や地域環境づくりに理解を示す建築主、設計者の豊かな創造力、高い技術の施工者、の総合力が必要であるという思想に基づく。
    賞牌(設計者と施工者に贈呈される)
  4. 特別賞:環境への配慮、革新技術の適用、建物修復など伝統技術の継承、都市再開発の推進など固有の課題に対する取り組みで、特に優れる建築物を特別賞として表彰している。第18回から第60回まで表彰、第61回以降は設けない。
  5. 作品集:各回の受賞作品を紹介するため、和・英両文併記の「BCS賞作品集」を編纂し、日本の代表的建築物として広く紹介している。

受賞作品の建築主、設計者、施工者の3者に表彰状を贈る。建築主はブロンズプレートの表彰パネル、設計者・施工者は賞牌をそれぞれ贈り、受賞した建物は多くがプレートを取り付けている。

2011年平成23年)4月1日に建築業協会が日本建設業団体連合会日本土木工業協会と合併して日本建設業連合会が発足したが、表彰の名称と活動を引き継いでいる。2019年(令和元年)10月に日本建設業連合会は新たな表彰制度「日建連表彰」を創設した。土木分野の「土木賞」と建築分野の「BCS賞」を設け、第61回BCS賞から表彰式は「土木賞」と合同で催す。

主な受賞建築物一覧

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※順不同。建築物の名称は受賞当時のもの。

行政機関・司法
東京都庁舎
博物館・美術館
国立新美術館
すみだ北斎美術館
教育機関
龍谷大学 深草キャンパス和顔館
東京工業大学附属図書館
ホール・コンベンションセンター
スポーツ施設
両国国技館
商業・業務施設
東京ミッドタウン
日本橋東海ビル(日本橋御幸ビル)
富士銀行本店
横浜ランドマークタワー
グランフロント大阪
宿泊施設・病院
電波塔・マスコミ
フジテレビ湾岸スタジオ
その他
平城京朱雀門

脚注

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  1. ^ BCS賞とは”. 日本建設業連合会. 2014年2月12日閲覧。
  2. ^ HBCが本社旧社屋解体に着手、跡地にNTT都市開発が27階建て高層複合ビル”. 北海道リアルエコノミー (2020年11月16日). 2020年11月16日閲覧。

外部リンク

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