BTR-82
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BTR-82A | |
基礎データ | |
---|---|
全長 | 7.7m |
全幅 | 2.95m |
全高 | 2.7m |
重量 | 15t |
乗員数 | 乗員3名、歩兵7名 |
装甲・武装 | |
主武装 | 2A72 30mm機関砲 |
副武装 | PK (機関銃) |
機動力 | |
速度 | 100km/h |
エンジン |
KamAZ 740.14-300 ディーゼルエンジン 300hp |
行動距離 | 600km |
BTR-82 (БТР-82) は、BTR-80Aを大幅に近代化したロシア製の装甲兵員輸送車である。
歴史
[編集]BTR-82とBTR-82Aの最初の試作車両は2009年12月にアルザマス機械製作工場(AMZ)で組み立てられた[1][2]。 車両は2010年の冬にテストされ、その後運用が開始された。2011年には、南部軍管区の一部の部隊がBTR-82Aを装備し始めた[3]。
カザフスタン軍は、2010年にロシア軍よりも早くBTR-82Aを採用し、2012年から納入が開始された[4]。
2013年に試験が終了し、ショイグ国防大臣の命令により、BTR-82はロシア陸軍に正式に採用された[5]。
デザイン
[編集]V型8気筒4サイクルディーゼルエンジンであるKAMAZ-740.14-300を搭載している。
砲塔は電気駆動式の二軸安定式の統合モジュールである。武装はKPVT 14.5mm機関銃(BTR-82用)か2A72 30mm機関砲(BTR-82A用)及び連装銃として、PKTM 7.62mm機関銃を装備している。電気駆動式のデジタル二軸安定装置とTKN-4GA 昼夜兼用砲手用照準器を装備しているため、砲及び照準が安定し、車内遠隔射撃装置を用いた射撃が行える[6]。
TKN-4GA-03照準器の装備車は、暗視装置が熱映像暗視システムに強化されている。
生存性、不整地走破性、信頼性、耐用年数はBTR-80と比較し、大きく向上している。車体の内部にはスポールライナーが施されている[7]。新型無線機の搭載や新型消火装置の搭載、対地雷防護性の向上など、他にも様々な改良が施されている[8][9]。
バリエーション
[編集]- BTR-82A
- 2A72 30mm機関砲を装備したBPPU砲塔を搭載したタイプ。
- BTR-82A1 (BТR-88[10])
- ブレベストニク中央研究所により開発された改良型。遠隔操作戦闘モジュールを搭載している。
- BTR-82AM
- BTR-80をBTR-82A相当に改良したタイプ。
- BTR-82A
- 増加装甲板とスラットアーマー、コルネット対戦車ミサイルを取り付け、夜間交戦能力を向上させたタイプ[11]。
- BTR-82V
- ロスグヴァルディヤが運用するタイプ[12]。
- BTR-87
- BTR-82Aの大幅な近代化改修型であり、空挺軍用に改めれたフロントエンジンとトランスミッションコンパートメント、リアコンパートメントを備えている。GAZグループによって開発された[13]。
派生車両
[編集]- タイフーン-M
- BTR-82をベースに開発された。移動式ミサイルシステムと戦略ミサイル部隊の護衛を任務とする。
運用国
[編集]- アゼルバイジャン: 2023年時点で107両を保有している[14]。
- ベラルーシ: 2022年時点で31両を保有している[15]。
- カザフスタン: 2023年時点で63両のBTR-82Aを保有している[16]。
- ロシア 2023年時点:
- シリア: 2020年時点でBTR-82Aを保有している。
- ウズベキスタン: 2023年時点で推定100両のBTR-82Aを保有している[18]。
- ウクライナ: 2023年時点で約80両のBTR-82Aを保有している[17]。
- キルギス: 2021年時点で8~10両のBTR-82を保有している。
実戦
[編集]- ドンバス紛争: BTR-82Aを新ロシア派の武装勢力が運用した[19][20][21] 。
- シリア内戦: 2015年8月末、シリア軍がBTR-82Aの動画を公開した[22][23]。
- 2020年ナゴルノ=カラバフ紛争: BTR-82がアゼルバイジャン軍によって使用された。この紛争で少なくとも1両が失われた。 和平合意の後、ロシア平和維持軍もBTR-82を運用していた[24]。
- ウクライナ侵攻: ロシア・ウクライナ両軍によって多数のバリエーションを含むBTR-82が運用されており、多数が撃破されている[25][26][27][28][17][29]。
- 2024年までに31両の損害が確認されている。同年6月にはアメリカからウクライナに供与されたブラッドレー歩兵戦闘車との一騎打ちが発生し、ブラッドレーは大きく損傷しその後行動不能に、BTR82も損害を受けたが搭乗していた歩兵を目的地まで運ぶことに成功している[要出典]。
ギャラリー
[編集]脚注
[編集]- ^ “В Арзамасе начались испытания суперсовременных БТР-82 и БТР-82А — Илья Поносов, Николай Нестеренко — Российская газета”. 2015年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月3日閲覧。
- ^ “БТР-82 и БТР-82А проходят испытания — ОРУЖИЕ РОССИИ, Информационное агентство”. 2013年3月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年3月3日閲覧。
- ^ “ИТАР-ТАСС : В войска Северо-Кавказском региона России поступила новейшая бронетехника”. 2013年3月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年3月3日閲覧。
- ^ “ИТАР-ТАСС : Россия до 2013 года поставит Казахстану 100 бронетранспортеров БТР-82”. 2013年3月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年3月3日閲覧。
- ^ “Бронетранспортер БТР-82А принят на вооружение | Еженедельник «Военно-промышленный курьер»”. 2013年3月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年3月13日閲覧。
- ^ “04.05.10 БТР-80 vs БТР-82/БТР-82А. Внешне похожи, но разные возможности — Военный паритет”. 2015年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月3日閲覧。
- ^ БТР из Арзамаса поступят на вооружение летом 2010 года. Lenta.ru Archived 2012-12-03 at the Wayback Machine.
- ^ “Breaking Defense: бронетехника США выглядит слабо на фоне российской | РИА Новости”. 2015年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月3日閲覧。
- ^ “Бронетранспортер БТР-82А — Телеканал «Звезда»”. 2015年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月3日閲覧。
- ^ “«Арзамасский машиностроитель» 26 сентября 2014 года”. 2015年4月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月3日閲覧。
- ^ “Врагу не скрыться” (2019年6月28日). 2019年7月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年6月30日閲覧。
- ^ ТАСС (2016年9月13日). “Новые БТР-82В поступят на вооружение Росгвардии в 2017 году” (ロシア語). 2017年3月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年3月10日閲覧。
- ^ “Развитие ПАО «Завод корпусов» в 2015 году”. 2016年3月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月24日閲覧。
- ^ The Military Balance 2023: The International Institute for Strategic Studies. 2023. ISBN 9781032508955。
- ^ Peter Suciu (2021年12月11日). “Belarusian Army Receives Shipment of Russian BTR-82A Armored Personnel Carriers” (英語). The National Interest. 2021年12月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月7日閲覧。
- ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 179. ISBN 978-1-032-50895-5
- ^ a b c d e The Military Balance 2023: The International Institute for Strategic Studies
- ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 205. ISBN 978-1-032-50895-5
- ^ Jonathan Ferguson, N. R. Jenzen-Jones. Raising Red Flags: An Examination of Arms & Munitions in the Ongoing Conflict in Ukraine. — 2014. — С. 2.
- ^ “Танки, которых "не было и нет"” (ロシア語). Радио Свобода. 2022年7月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月7日閲覧。
- ^ Донбас.Реалії (2022年1月31日). “Оружие России на Донбассе: что уже там – и что поставят еще?” (ロシア語). Радіо Свобода 2023年8月4日閲覧。
- ^ “Российские БТРы для Башара Асада”. Би-би-си. 2015年9月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月3日閲覧。
- ^ “МИД: Россия не скрывала факты поставок военной техники Дамаску”. Би-би-си. 2015年9月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月7日閲覧。
- ^ “Российская военная полиция приступила к патрулированию в Нагорном Карабахе”. Коммерсантъ. 2020年11月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月16日閲覧。
- ^ Jack Buckby (2022年6月10日). “Watch: Russian Soldiers Give Middle Finger to Ukrainian Drone” (英語). 19FortyFive. 2022年6月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月11日閲覧。
- ^ Jack Buckby (2022年7月6日). “Watch: How Ukraine Keeps Towing Away and Using Dead Russian Tanks” (英語). 19FortyFive. 2022年7月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月7日閲覧。
- ^ Republic World. “Russia-Ukraine war: Ukrainians capture Russian BTR-82A, use it to attack Putin's forces” (英語). Republic World. 2022年9月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月7日閲覧。
- ^ “Discover list of Russian captured armored and combat vehicles used now by Ukrainian army | Ukraine - Russia conflict war 2022 | analysis focus army defence military industry army”. armyrecognition.com. 2022年10月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月28日閲覧。
- ^ Axe, David. “The BTR-82A Massacre: How Russian Regiments Lost 13 Of The Wheeled Vehicles In A Single Day” (英語). Forbes. 2023年10月26日閲覧。