スペンサー・ストライダー
アトランタ・ブレーブス #99 | |
---|---|
2023年9月13日 | |
基本情報 | |
国籍 | アメリカ合衆国 |
出身地 | オハイオ州コロンバス |
生年月日 | 1998年10月28日(26歳) |
身長 体重 |
6' 0" =約182.9 cm 195 lb =約88.5 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2020年 MLBドラフト4巡目(全体126位) |
初出場 | 2021年10月1日 |
年俸 | $1,000,000(2023年)[1] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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この表について
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スペンサー・ロバート・ストライダー(Spencer Robert Strider, 1998年10月28日 - )は、アメリカ合衆国オハイオ州コロンバス出身のプロ野球選手(投手)。右投右打。MLBのアトランタ・ブレーブス所属。
経歴
[編集]プロ入り前
[編集]2017年にクリスチャン・アカデミー・オブ・ノックスビル の投手としてMLBドラフト35巡目(全体1062位)でクリーブランド・インディアンスから指名されたが、この時は契約せずにクレムゾン大学へ進学した。
2018年にクレムソン・タイガースの投手として22試合に登板したが、トミー・ジョン手術が必要な肘尺側側副靭帯断裂を負い、2019年のシーズンを通して欠場。しかし、この間を使い大学のスポーツ心理学者と精神面の強化を、ストレングス及びコンディショニング・ディレクターと下半身の強化に取り組んだ。ストライダーはこの時間が成長に欠かせなかったと語っている。2020年シーズン中に怪我から復帰、4試合に先発登板した[2]。
プロ入りとブレーブス時代
[編集]2020年のMLBドラフト4巡目(全体126位)でアトランタ・ブレーブスから指名され[3]、プロ入り。同年はCOVID-19の影響でマイナーリーグのシーズンが中止となり[4]、公式戦への出場はなかった[5]。
2021年はA級オーガスタ・グリーンジャケッツで開幕を迎え[5]、A+級ローム・ブレーブス、AA級ミシシッピ・ブレーブス、AAA級グウィネット・ストライパーズとトントン拍子に昇格[5]。マイナー4球団で22試合(うち先発21試合、94イニング)に登板し、3勝7敗、防御率3.64、153奪三振という成績を残した[6]。10月1日にメジャー契約を結び、同日のニューヨーク・メッツ戦でメジャー初登板を果たした[5]。
2022年は開幕を救援投手として迎え、5月30日から先発ローテーションに入った[7]。9月1日のコロラド・ロッキーズ戦で8回16奪三振を記録し、延長戦を除いた1試合における球団最多奪三振記録を達成した[注 1][8]。9月18日に「シーズン200奪三振を130.0イニングで達成」しMLB史上最速記録を更新、同時に1900年以降の近代野球においてブレーブスのルーキー初となるシーズン200奪三振も達成した[注 2][9][10]。オフの10月10日、ブレーブスと2028年シーズンまで6年7500万ドルの延長契約を結んだ(2029年シーズンは2200万ドルのクラブオプション)[11]。11月14日、ナ・リーグ最優秀新人選手賞(新人王)の投票結果が発表となり第2位に選出(新人王を受賞したのはチームメイトのマイケル・ハリス2世であり、同一球団から1位と2位が選出されたのは同じくブレーブスのクレイグ・キンブレルとフレディ・フリーマンが選ばれた2011年以来4組目)[注 3][12]。また同年3月に合意された統一労使協約の特別ボーナス制度により、ア・リーグ新人王投票で同じく第2位に選出されたアドリー・ラッチマンと共に50万ドルのボーナスを取得した[13]。
2023年は開幕から勝ち星を重ね、7月2日には早くも10勝に到達した[14]。また同日に発表された選手間投票で初となるオールスターゲームに選出された[15](出場辞退)[16]。8月1日のロサンゼルス・エンゼルス戦では初回に大谷翔平から三振を奪い、前年を更新するMLB最速シーズン200奪三振を123.1イニングで達成した[17]。最終的に自身初となる20勝(5敗)、球団新記録となる281奪三振[注 4]を記録し、最多勝利と最多奪三振の2冠を獲得した[18]。
2024年は開幕投手を務めたが、5回2失点で勝敗はつかなかった。4月5日のアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦後に右肘の違和感を訴え、翌日の検査で右肘に損傷があることが判明した。13日にトミー・ジョン手術を受け、残りのシーズンは欠場することが発表された[19]。
人物
[編集]トミー・ジョン手術のリハビリ中に炎症を抑える目的に加え、18歳の時に高血圧と診断された事もあり、2019年からヴィーガンとして食生活を開始し現在も続けている。ストライダーは「高血圧で薬を飲んでいたけれど、アスリートとして薬に頼りたくないと思ったんだ。植物性の食事を始めてから2週間で血圧が正常になり、それ以来何の問題もない。それからトミー・ジョン手術から後戻りすることなく11ヶ月でリハビリを終えた。食事がすべてだとは思わない、でもそれを始めて以来順調だしこれからも続けていきたい」と語っている[20]。
選手としての特徴
[編集]球種 | 割合 | 平均球速 | 最高球速 | ||
---|---|---|---|---|---|
% | mph | km/h | mph | km/h | |
フォーシーム | 78.4 | 97.9 | 157.6 | 100 | 160.9 |
スライダー | 21.6 | 85.5 | 137.6 | 87.4 | 140.7 |
大学時代の球種はツーシーム、スライダー、チェンジアップであったが、トミー・ジョン手術から回復した2020年に投球スタイルを変化させた。フォーシームを積極的にストライクゾーン上部に投げ込み始め球速も向上、翌2021年夏にはスライダーとチェンジアップの改善にも力を入れた[21]。メジャーに定着した2022年シーズン、スタットキャストにおいてフォーシームの平均球速が98.2mph(約158.0km/h)に到達すると、7月2日のシンシナティ・レッズ戦では2008年にMLBがトラッキングデータの収集を開始して以降、先発投手の投球において過去最速となる102.4mph(約164.8km/h)を計測した[22][23]。
詳細情報
[編集]年度別投手成績
[編集]年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2021 | ATL | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | 9 | 2.1 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 3.86 | 1.29 |
2022 | 31 | 20 | 0 | 0 | 0 | 11 | 5 | 0 | 2 | .688 | 528 | 131.2 | 86 | 7 | 45 | 1 | 3 | 202 | 6 | 0 | 42 | 39 | 2.67 | 0.99 | |
2023 | 32 | 32 | 0 | 0 | 0 | 20 | 5 | 0 | 0 | .800 | 763 | 186.2 | 146 | 22 | 58 | 1 | 9 | 281 | 6 | 2 | 85 | 80 | 3.86 | 1.09 | |
MLB:3年 | 65 | 52 | 0 | 0 | 0 | 32 | 10 | 0 | 2 | .762 | 1300 | 320.2 | 234 | 30 | 104 | 2 | 12 | 483 | 12 | 2 | 128 | 120 | 3.37 | 1.05 |
- 2023年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
年度別投手成績所属リーグ内順位
[編集]年 度 |
年 齢 |
リ | グ |
勝 利 |
セ | ブ |
ホ | ル ド |
奪 三 振 |
防 御 率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2021 | 23 | ナ・リーグ | - | - | - | - | - |
2022 | 24 | - | - | - | 6位 | - | |
2023 | 25 | 1位 | - | - | 1位 |
- -は10位未満(防御率は規定投球回到達未満の場合も-と表記)
ポストシーズン投手成績
[編集]年 度 |
球 団 |
シ リ | ズ |
登 板 |
先 発 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ | ブ |
ホ | ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ | ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2022 | ATL | NLDS | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | .000 | 12 | 2.1 | 3 | 1 | 2 | 1 | 0 | 4 | 0 | 0 | 5 | 5 | 19.29 | 2.14 |
2023 | NLDS | 2 | 2 | 0 | 2 | 0 | 0 | .000 | 52 | 12.2 | 12 | 4 | 5 | 1 | 1 | 15 | 1 | 0 | 5 | 4 | 2.84 | 1.34 | |
出場:2回 | 3 | 3 | 0 | 3 | 0 | 0 | .000 | 64 | 15.0 | 15 | 5 | 7 | 2 | 1 | 19 | 1 | 0 | 10 | 9 | 5.40 | 1.47 |
- 2023年度シーズン終了時
年度別守備成績
[編集]年 度 |
球 団 |
投手(P) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2021 | ATL | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1.000 |
2022 | 31 | 5 | 8 | 0 | 1 | 1.000 | |
2023 | 32 | 5 | 15 | 0 | 0 | 1.000 | |
MLB | 65 | 11 | 23 | 0 | 1 | 1.000 |
- 2023年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
タイトル
[編集]表彰
[編集]- プレイヤーズ・チョイス・アワーズ:優秀新人(2022年)
- ルーキー・オブ・ザ・マンス:1回(2022年7月)
- オールMLBチーム
- ファーストチーム(先発投手):1回(2023年)
記録
[編集]- MLBオールスターゲーム選出:1回(2023年〈辞退〉)
背番号
[編集]- 65(2021年 - 2022年)
- 99(2023年 - )
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 延長戦を含めた球団最多はウォーレン・スパーンが1952年に記録した15回18奪三振。
- ^ シーズン200奪三振到達における、これまでのMLB最速記録はランディ・ジョンソンが2001年に達成した130.2イニング。
- ^ 全米野球記者協会(BBWAA)から1位票が8、2位票が21、計103ポイントを獲得。
- ^ 従来の球団記録は1996年にジョン・スモルツが記録した276三振。
出典
[編集]- ^ “Spencer Strider Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2023年7月3日閲覧。
- ^ Todd Shanesy (2022年6月11日). “Atlanta Braves pitcher Spencer Strider credits Clemson for his development while injured”. Greenville News. 2022年6月22日閲覧。
- ^ Will Vandervort (2020年6月12日). “Strider admits he was surprised to hear his named called in MLB Draft” (英語). The Clemson Insider. 2021年6月20日閲覧。
- ^ “2020 Minor League Baseball Season Shelved”. MiLB.com (June 30, 2020). July 1, 2020閲覧。
- ^ a b c d MLB公式プロフィール参照。2022年6月22日閲覧。
- ^ Steve Adams (2021年10月1日). “Braves Promote Spencer Strider”. MLB Trade Rumors. 2022年6月22日閲覧。
- ^ “Michael Harris II, Spencer Strider key rookie duo for Braves” (英語). MLB.com. 2022年12月28日閲覧。
- ^ “Spencer Strider strikes out 16 in win vs. Rockies” (英語). MLB.com. 2022年12月28日閲覧。
- ^ “Spencer Strider becomes fastest pitcher to 200 strikeouts” (英語). MLB.com. 2022年12月28日閲覧。
- ^ “Braves’ Spencer Strider surpasses 200 strikeouts, mows down hitters at record pace” (英語). The Athletic. 2022年12月28日閲覧。
- ^ “Spencer Strider signs six-year deal” (英語). MLB.com. 2022年12月28日閲覧。
- ^ “Braves outfielder Michael Harris II wins battle of teammates for NL Jackie Robinson Rookie of the Year” (英語). BBWAA – Baseball Writers' Association of America (November 14, 2022). November 15, 2022閲覧。
- ^ 菊地慶剛 (November 15, 2022). “新人王受賞者にMLBから75万ドルを支給!今季から導入された特別ボーナス制度の中身”. November 16, 2022閲覧。
- ^ “Game summary of the Atlanta Braves vs. Miami Marlins MLB game, final score 6-3, from July 2, 2023”. ESPN.com. 2024年4月3日閲覧。
- ^ Thomas Harrigan (July 2, 2023). “Breaking down the full 2023 All-Star Game rosters” (英語). MLB.com. July 3, 2023閲覧。
- ^ Theo DeRosa (July 8, 2023). “5 pitchers named as All-Star Game replacement players” (英語). MLB.com. July 9, 2023閲覧。
- ^ “大谷翔平“奪三振の名手に”1安打もメジャー最速200Kの相手に 打率は.304をマーク”. 日テレNEWS (2023年8月2日). 2024年4月3日閲覧。
- ^ “スペンサー・ストライダー 最速165キロ、メジャー屈指の「奪三振怪獣」”. 日刊ゲンダイDIGITAL (2024年2月12日). 2024年4月3日閲覧。
- ^ “昨季の20勝&奪三振王 ブレーブス・ストライダーが右肘手術で今季絶望”. スポーツ報知 (2024年4月14日). 2024年4月14日閲覧。
- ^ David O'Brien (2022年5月27日). “Braves pitcher Spencer Strider partly credits vegan diet for his success” (英語). The Athletic. 2022年12月28日閲覧。
- ^ “Spencer Strider progressing fast for Braves” (英語). MLB.com. 2022年12月28日閲覧。
- ^ “Rob Friedman's official Twitter Dated July 3, 2022” (英語). Twitter. 2022年12月28日閲覧。
- ^ “Atlanta Braves rookie Spencer Strider hits 102.4 mph on fastball” (英語). USA TODAY. 2022年12月28日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
- Spencer Strider stats MiLB.com
- Spencer Strider (@SpencerSTRIDer) - X(旧Twitter)
- Spencer Strider (@spencerstrider) - Instagram