コンテンツにスキップ

第五号型水雷艇

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
第五号型水雷艇
第14号水雷艇
艦級概観
艦種 水雷艇
艦名 番号
前級 第一号型水雷艇
小鷹
次級 第十五号型水雷艇
要目(竣工時)
排水量 常備:54トン[1]
全長 垂線間長:33.75m (110ft 9in)[1][注釈 1]
全幅 3.35m (11ft 0in)
吃水 0.90m (2ft 11in)
機関 汽車缶1基
直立式2気筒2段膨張レシプロ1基
1軸、525馬力[1]
速力 20ノット[1]
航続距離 10ノットで1,030海里
燃料 石炭:8.45トン
乗員
兵装
(1894年)[1]
47mm保式単装速射砲1門
35.6cm魚雷発射管旋回式1門
同固定式1門
同型艦 14隻

第五号型水雷艇(だいごごうがたすいらいてい、旧字体:第五號型水雷艇)は、日本海軍水雷艇。同型艇14隻。

概要

[編集]

1885年(明治18年)度にフランスシュナイダー社に発注、造船所の名をとり「クルーゾー(Creusot)型」と言われている。設計は、1886年から1890年まで日本に滞在したルイ=エミール・ベルタンによる。第5号から第9号まではフランスのシャロン=シュル=ソーヌで建造され、組み立てを小野浜造船所で行ったが、第10号以降は建造も小野浜で行われた[1]。また機関の自力製造も行われるようになった。原型はフランス海軍の第75号型水雷艇だが、転覆事故が続発し本艇の建造中に改正がされている。

各艦は日清戦争に参戦。1895年2月5日未明の威海衛攻撃には第5号などが参加した。第6号の艇長は、後に内閣総理大臣となる鈴木貫太郎大尉だった。この時の攻撃では「定遠」に魚雷が命中、大破擱座させている。また第9号は魚雷発射に成功したが被弾のため機関が全滅し漂流、生存者が救助され艇は放棄された。この艇は夜が明けた後に清国軍に拾われて、日本海軍の被捕獲の第1号となっている(戦後復帰)。

1895年(明治28年)に第16号を喪失、残りの艇は1907年(明治40年)から1910年(明治43年)にかけて除籍された。

同型艦

[編集]

竣工日の後は(建造所/組み立て所)。小野浜造船所1893年(明治26年)より呉造船支部と改称。

  • 第5号 : 1892年(明治25年)3月26日竣工(クルーゾー/小野浜)。1907年(明治40年)9月28日除籍。
  • 第6号 : 1892年(明治25年)3月26日竣工(クルーゾー/小野浜)。1908年(明治41年)4月1日除籍。
  • 第7号 : 1892年(明治25年)4月2日竣工(クルーゾー/小野浜)。1910年(明治43年)4月1日除籍。
  • 第8号 : 1892年(明治25年)4月7日竣工(クルーゾー/小野浜)。1910年(明治43年)4月1日除籍[1]
  • 第9号 : 1892年(明治25年)4月11日竣工(クルーゾー/小野浜)。1908年(明治41年)4月1日除籍。
  • 第10号 : 1892年(明治25年)4月17日竣工(小野浜)。1908年(明治41年)4月1日除籍。
  • 第11号 : 1894年(明治27年)3月31日竣工(呉造船支部)。1910年(明治43年)4月1日除籍。
  • 第12号 : 1893年(明治26年)10月11日竣工(呉造船支部)。1910年(明治43年)4月1日除籍。
  • 第13号 : 1893年(明治26年)10月11日竣工(呉造船支部)。1910年(明治43年)4月1日除籍。
  • 第14号 : 1893年(明治26年)10月18日竣工(呉造船支部)。1908年(明治41年)4月1日除籍。
  • 第16号 : 1893年(明治26年)11月29日竣工(呉造船支部)。1895年(明治28年)5月11日沈没。
  • 第17号 : 1893年(明治26年)11月29日竣工(呉造船支部)。1910年(明治43年)4月1日除籍。
  • 第18号 : 1893年(明治26年)11月1日竣工(呉造船支部)。1910年(明治43年)4月1日除籍。
  • 第19号 : 1894年(明治27年)2月17日竣工(呉造船支部)。1910年(明治43年)4月1日除籍。

脚注

[編集]
  1. ^ 数値(メートル)は『世界の艦船』による。フィートインチの数値は『日本駆逐艦物語』による。メートルに換算すると33.7566m。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g 写真提供:佐野純弘「思い出の日本軍艦 新造時の第8号水雷艇」『世界の艦船』第991集(2023年4月号) 海人社 P.135

参考文献

[編集]
  • 中川努「日本海軍特務艦船史」『世界の艦船』増刊第47集 海人社、1997年3月号増刊、第522集。
  • 福井静夫『福井静夫著作集第5巻 日本駆逐艦物語』光人社、1993年。ISBN 4-7698-0611-6
  • 堀元美『駆逐艦 その技術的回顧』原書房、1969年。ISBN 4-562-01873-9
pFad - Phonifier reborn

Pfad - The Proxy pFad of © 2024 Garber Painting. All rights reserved.

Note: This service is not intended for secure transactions such as banking, social media, email, or purchasing. Use at your own risk. We assume no liability whatsoever for broken pages.


Alternative Proxies:

Alternative Proxy

pFad Proxy

pFad v3 Proxy

pFad v4 Proxy